祈りが形になった、シェーカースタイルのデザイン。【岡尾美代子の雑貨ヘイ!ヘイ!ヘイ!】
慎ましく、美しく、祈りのかたちと暮らす。

『SHAKER』という洋書を手にしたのは、確か20代後半だったと思う。とても落ち込むことがあった日に、帰り道で立ち寄った本屋で出合ったのだった。
家に帰って本を開くと、ページから伝わってくるストイックな道具や暮らしぶりにすぐに引き込まれた。英文はほとんどわからなかったけど、写真やレイアウトからでも十分に伝わってくるものがあって、ページをめくるたびに、大きく揺れる振り子みたいだった気持ちが、徐々に整っていったことを覚えている。調律されたように。
そんな思い出のある『SHAKER』の日本語版『シェーカー 祈りと暮らしのデザイン』(平凡社刊)。昨年出版されたこの本を手にとってみたら、やはり背筋がスッと伸びるような気持ちになった。深い信仰への気持ちや厳しさは、自分には想像するしかないけれど、シェーカースタイルのデザインは祈りが形になったものなのだとあらためて認識した。
シェーカーを代表する木製オーバルボックスは指を合わせたようなカットと規則正しく配列された鋲が特徴。いつかテーブルの上いっぱいにオーバルボックスを積み上げたインテリアを作りたいと夢見て、伝統的な工法で作られたものや、素材を現代風にアレンジしたものなど、いろんなタイプを集めていたことがある。他にも燭台やフックなどを持っているが、それ以外にもシェーカーを感じさせるアイテムがいくつかあって、今回はそれらを集めてみることに。オカオアレンジ版シェーカースタイル? 慎ましく、美しく。そんな気持ちで。

Miyoko Okao
スタイリスト。事務所を引っ越すことになり、処分すべき過去ウン十年分の雑貨や書籍と向き合う日々。トホホです。@miyokookao
- photography&text: Miyoko Okao
*「フィガロジャポン」2026年6月号より抜粋