過去10年間、チャールズ3世の右腕を務めてきたサー・クライヴ・アルダートンとは?
1年以内に、チャールズ3世の“耳元でささやく存在”ともいえる人物が、その職を離れ、引退することになる。この退任によって、サー・クライヴ・アルダートンは英国王室におけるひとつの時代の終わりを告げることになる。

彼は20年にわたりチャールズ3世に寄り添い、英国王位継承への準備期間を通じて、そして即位後もその傍らで支え続けてきた。だが、1年以内にサー・クライヴ・アルダートンは、バッキンガム宮殿を離れ、何よりもチャールズ3世に別れを告げなければならない。「ハロー!」誌によると、後任に選ばれた人物への引き継ぎ期間を経た後、来年、彼は国王秘書官(私設秘書)としての職を退く予定だという。「この歴史的な時代に、現在の立場で国王と王妃にお仕えできたことは、想像し得る限り最大の栄誉でした。そして、その日々は忘れがたいユーモアに満ちた雰囲気に包まれていました。このご縁と私の支えは、今後もより形式ばらない形ではありますが、生涯にわたって続いていくでしょう。」「ピープル」誌によると、サー・クライヴ・アルダートンは王室職員に向けたメッセージの中で、このように語った。王室は今後、後任者の選考手続きを開始する予定で、新たな私設秘書は2027年春から夏にかけて就任する見通しとなっている。
評判の良い外交官

1967年生まれのクライヴ・アルダートンは、20年後に外務省でキャリアをスタートさせ、その後、ポーランド、ベルギー、シンガポール、フランスでさまざまな外交職を歴任した。2005年から2006年にかけては、イギリスの総領事としてフランスのリールに赴任している。フランスで過ごしたこうした年月を経た後、当時ウェールズ公だったチャールズ皇太子の副私設秘書として王室に加わった。2009年には昇進し、エリザベス2世女王のもとで外交・英連邦担当の私設秘書に就任。さらに3年後の2012年には、モロッコ駐在英国大使に就任すると同時に、モーリタニア駐在の非常駐大使も務めることになった。
2016年、外交官であった彼は、後にチャールズ3世の名で知られることになる人物の私設秘書に就任し、再びバッキンガム宮殿の廊下へと戻ることになった。サー・クライヴ・アルダートンはまた、RAVEC(王室・要人警護執行委員会)のメンバーも務めている。この委員会は、英国における公的人物を対象とした公式な警備措置を定める役割を担う組織である。この委員会は、ハリー王子が、2020年に王室公務から退いた際に失った警察による警護を取り戻すため、英国政府と争う中で、何度も関わることになった機関でもある。
私生活について言えば、チャールズ3世の右腕ともいえるこの人物は、常に控えめな姿勢を貫いてきた。彼はカトリオナという名のアーティストの女性と結婚しているが、公の場に姿を見せる際、彼女が同伴することはほとんどない。夫妻には現在は成人している2人の子どももいるが、その身元(名前など)は公表されていない。

「スズメバチ」
彼は、英国王室のスタッフの中でも特に重要な人物のひとりである。ハリー王子は自身の回顧録『SPARE(原題)』の中で、そう説明している。実際、同著の中でハリー王子は、自身が昆虫にちなんだあだ名を付けた王室スタッフの3人のキーパーソンについて明かしている。そのうち、クライヴ・アルダートンに付けられた呼び名は、「スズメバチ」だった。「スズメバチは社交的で、魅力的で、傲慢だった。まさにエネルギーの塊のような人物だった。」ハリー王子は著書『SPARE』の中で、そう記している。「彼は、礼儀正しさ、さらには従順さを装うことにかけては卓越していた。あなたがひとつの事実、つまり一見すると誰も疑う余地のないことを述べる―たとえば『太陽は朝に昇ると思う』というようなことを言ったとする。すると彼は、あなたが間違った情報を知らされていた可能性もあるのではないか、とでも言うように、ややためらいがちに切り返してくるのだ。『ええと……はは……何とも申し上げにくいのですが、“朝”という言葉で何を意味されているかによって変わってくるのではないでしょうか。』」

ハリー王子はさらに、自身の「ひ弱で」「存在感の薄い」ような一面が、相手に反論したり、自分の考えを主張したりしたいという気持ちを抱かせやすかったのだと語っている。ハリー王子は、「そして、その瞬間に彼はあなたをリストに加える。その少し後、何の前触れもなく、彼は巨大な毒針であなたに強烈な一撃を放つ。するとあなたは困惑しながら、『いったい何が起きたんだ?』と叫ぶことになる」と説明していた。ハリー王子がサー・クライヴ・アルダートンに対して、ある種の反感を抱いているように見える一方、チャールズ3世がそうした感情を抱いているわけではない。国王は、アルダートンがその職務を担ってきた長年にわたり、彼に絶対的な信頼を寄せてきた。宮殿の報道官も、「国王陛下とカミラ王妃は、長年にわたるクライヴの絶え間ない支援と賢明な助言、そして後任者への円滑な引き継ぎを確実なものにする揺るぎない忠誠心に対し、深い感謝の意を表しています」と述べている。
From madameFIGARO.fr
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
- text: Leonie Dutrievoz (madame.lefigaro.fr)
- translation: Hanae Yamaguchi