【メゾンフィガロイベント】
青柳文子、オランダ生活で見えた「心地よさ」の新基準。トークイベントをリポート。
フィガロジャポンでは雑誌やオンラインでの情報発信に加え、メンバーシップ「メゾンフィガロ」会員向けにさまざまな体験の場を設けています。
8月22日にはモデル・女優の青柳文子をゲストに迎え、彼女を形作るファッションやライフスタイルを紐解くトークイベント「My Style, My Story」を開催。当日の様子をお届け。

「My Style, My Story」は、自分の軸や美学を大切にアールドゥヴィーヴル的な生き方を実践しているゲストを招き、その装いや人生哲学を深掘りするトークシリーズ。今回登壇した青柳文子は、フィガロジャポンの美容アンバサダー、フィガロボーテスタートしても活動中。2023年に2人の子どもとともにオランダへ移住し、一時帰国のタイミングでのトークイベントとなった。トークの聞き手は、青柳が10代の頃から付き合いのあるフィガロジャポン副編集長の田代佐智子が務めた。

ニットトップス¥113,300、スカート¥170,500/ともにフォルテ フォルテ(コロネット) チョーカー¥18,700、リング¥22,990/ともにシキア ブーツ¥352,000/ジェイエムウエストン (ジェイエムウエストン 青山店)
長期での帰国は3年ぶりという青柳。海外生活では、あらためて日本との違いや文化背景を感じることも多いという。「オランダの人は、自分の軸や意見がきっちりあって『まずは自分と向き合ってから、ほかの人のことを気にしなさい』という育てられ方をしている。金銭的な成功よりも自分自身のやりがいにフォーカスしているから、いい意味で他人に興味がない。そういう価値観の中で暮らす心地よさがあるんだな、とわかりました」。移民が多いこともあり、社会的な属性ではなく「あなたはあなた」と扱われるところに居心地の良さを感じると話す。
ファッションや美容に対しての新たな気づきもあった。「私がいま田舎に住んでいることもあり、少しおしゃれして歩いているだけで『あれ? 今日は誕生日?』なんて声をかけられたりするほど(笑)」。そんなカジュアルな装いが主流の土地で、一度は東京から持って行った服の出番がなくなってしまったが「必要なくてもたまにおしゃれをしたくなる。私、やっぱり服が好きだったんだな、メイクが好きだったんだな、と思えたんです」。以来、ひとりで出かける時にもおしゃれを楽しむように。意味なく着飾って出かけ、誰にも会わずに帰ってきてメイクを落とす……という日もある。「それは自分の気分を上げるため。ファッションやメイクが誰かに向けたものではなくなったことが、とても良かったです」
とはいえ、日本が恋しくなることも。「匠の技、洗練されたもの、磨き抜かれたものが全てある。それらに日本に住む人の心持ちや思いやり、精神性が現れていて。以前は当たり前すぎて気づけなかったけど、あらためてリスペクトするようになりました」

青柳の移住のきっかけは、子どもたちの教育環境を考えたことだったという。オランダでは、子どもひとりひとりの個性や興味に応じて進路を選択できるシステムが確立し、保護者と教師やスクールカウンセラーが親密に関わって習熟度に合う学習を見極めていく。横並びではなく、自分の道は自分で。それゆえ、責任感が育つ点も魅力に感じると話す。
「自分が納得して進む道を選べるから、どんな結果になっても他責思考にならないのかな?と。合わないと思ったらやり直しもできるし、同じ学年を2回繰り返す子も珍しくないんですよ。ネガティブな感じじゃなくて、『もう一回やっていいよ』という空気がある。学校は勉強するだけじゃなくて、人間関係や生活を身につける場という意識もあり、子どもの『学ぶ権利』が尊重されているんですよね」
そんな青柳に「いま、自分が『心地いい』と感じられる状態はどんな時?」と田代が尋ねたところ、「寝る前に、心の奥底から『幸せ』って呟きたくなるような時」という答えが返ってきた。「オランダでの生活で、そういう日が増えたんです。日本にいる頃、寝る前に一日の反省とか、次の日の予定とかに苛まれていたことを思い出すと、いまはとても心地よい状態です」という青柳に「お子さんの教育が移住のきっかけだったけど、青柳さんにとってもいい選択だったんですね」と田代も感心する。

最後は、来場者からの質問コーナーへ。「海外に住むうえで、いちばん大変なことはなんですか?」「別の国への移住や、帰国も考えていますか?」といった具体的な質問から、「大きな決断を前に迷った時はどうしていますか?」「自分の『心地よい』状態がわからなくなった時はどうすればいいですか?」など、人生相談的な質問まで、さまざまな質問が寄せられた。
「ひさしぶりのトークショーで緊張した」と話す青柳だったが、移住という大きな決断を自力で叶えつつも肩の力の抜けたその姿を見ると、オランダでも自然体で生活を切り開いているのではないかと想像がつく。参加者からは「ちょうど子供が生まれたばかりで、これからの人生や子育てのヒントをいただけました」「海外と日本を行き来する中での発見や違いをリアルに聞けてよかった」などの感想も寄せられ、移住に関心が高い人にとっても参考となるイベントとなった様子だった。
メゾンフィガロ 今後のイベント情報はこちらから▶︎▶︎
https://madamefigaro.jp/membership/
- photography: Mirei Sakaki
- stylist:Yuka Sakakibara
- Hair & Makeup:Kyoko
- edit: フィガロジャポン編集部