エルメスと戯れる、悠久のシルクモード。
ある時はメゾンが歩んできた軌跡、またある時はウィットに富んだアート。手にすればたちまち愉しげに語り始める、シルクという流麗なキャンバスに描かれたストーリーを纏って。

メゾンを代表するスカーフ、「カレ」をコンパクトにした「ガヴロッシュ」はアクセサリー感覚で使いこなせる小粋なサイズ感が魅力。馬具モチーフを中央に配したこの柄はアーティストのジャンパオロ・パニが手がけ、自身の得意技であるスタンプ技法を用いている。カラーブロックされたヘムを生かし、スカーフリングをセンターに通してボウタイ風に。

デニムやコットンツイルといったソリッドな素材感のウエアに大小のスカーフで優美なテクスチャーを加えつつ、凛々しく仕上げたスタイリング。トライアングルのカシミアシルクスカーフは肩から掛けて腰でラフに結び、細長いシルエットの「ツイロン」でシャツの襟をタイドアップ。

カシミアシルクの大判ストール、「カレジェアン」を首の後ろで2枚繋げフロントで交差させながら上半身をおおらかに包み込んで。植物学者かつ生物学者のフランシス・アレのドローイングによる原生林と、パリの旗艦店が船舶と化して堂々たる帆を広げる「旗艦エルメス号」が、ボディの上でダイナミックに融合する。

さまざまなサイズで展開する「カレ」のバリエーションの中でも、日常使いに取り入れやすい「カレ 70」。光と影をたたえた繊細な濃淡で描かれているのは、ペガサスが躍動する月面に瞬く星をちりばめた神秘的なパターン。ヘアの結び目に留めれば、“ヴィンテージ”シルク特有のピーチスキンのような柔らかさと透けるほどの薄さとの相乗効果で、風をはらみそよぐように宙が現れる。

手持ちのキャップに被せ、後頭部で結えるだけ。そんな「カレ 70」の洒脱なアレンジは、使い慣れた愛用の小物に新鮮なアティチュードをもたらす。チョイスしたのは、鞭に囲まれた3人の疾走するジョッキーを中央に、四隅にはラッキーモチーフである馬蹄をあしらった1枚。メゾンに欠かせないモチーフを彩る鮮やかなレッドと、レザー切り替えでツートーン仕立てにしたニットトップとのカラーコントラストもポイント。

「カレ 90」と「カレジェアン」を2枚ねじって肩に掛け、もう1枚の「カレ 90」をベルトループで留めてそのまま垂らしたスタイリング。ラージサイズならではの存在感で、シンプルなコーディネートが一転ドラマティックに昇華する。
エルメスジャポン
03-3569-3300
https://www.hermes.com/jp/ja/
- photography: Masaya Tanaka(Tron)
- styling: Tomoko Iijima
- hair: Waka Adachi(eight peace)
- makeup: Nobuko Maekawa(Perle)
- editing: Mami Aiko