生きて描くゴッホの旺盛さを、瞠目すべき油彩アニメに結実。
『ゴッホ 〜最期の手紙〜』

ゴーギャンと絵画論を闘わせ激情のあまり狂気に陥る天才、というのがまずはゴッホ像の相場だろう。ここでは劇の中心を従来のアルル時代から、短い快癒期に当たる晩年のオーヴェールに移し、生前1枚しか絵が売れなかった彼の、自己憐憫と自己克服の凄みから「心根の優しさ」がにじむ。シアーシャ・ローナンら、俳優の演技に由来する登場人物はゴッホの構図や絵肌に迫る「動く風景画」と一体化。画家の最期の生への意欲が愛しい。「自殺」という定説が疑しくなるほどに。
監督・脚本/ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン
2017年、イギリス・ポーランド映画 96分
配給/パルコ
TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開中
www.gogh-movie.jp
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*「フィガロジャポン」2017年12月号より抜粋
réalisation : TAKASHI GOTO
この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/culture/171203-cinema.html