ヒロインは、私生活ゼロの敏腕ロビイスト。

銃社会アメリカを舞台にした、ロビー活動の丁々発止の攻防。
『女神の見えざる手』

新たな銃規制法案を廃案に持ち込もうと八方手を尽くす圧力団体の依頼を蹴り、高額報酬も上司命令も袖にして、ジェシカ・チャステイン演じる敏腕ロビイストは、資金力も政治力も劣る敵陣に回る。「大義」よりも、必敗のゲームに勝つという勝負師の冷徹さが彼女を動かす。違法スレスレのことも朝飯前。銃乱射事件に遭ったことをひた隠す女性が自陣にいると知るや、これを世論操作に利用し尽くす。倫理的に問題ありの彼女が追い詰められ、いわば自分を「捨て駒」にして一発逆転をねらう公聴会のおもしろさ！

【関連記事】
NASAの宇宙開発を支えた、3人の黒人女性の物語。『ドリーム』
ナタリーとリリー=ローズ、美しき姉妹が見せる虚と実。『プラネタリウム』

＊「フィガロジャポン」2017年12月号より抜粋