ロエベのクリエイションに宿る手仕事の痕跡、そのディテールを読み解く。
これまでにないほどクリエイティブディレクターの交代が相次いだ2026年春夏。新任者たちは、メゾンの伝統をどのように引き継ぎ、発展させていくのか。ロエベが誇る手仕事をスポーティかつリアルに再解釈したふたりの新たな才能に注目。
LOEWE
by Jack McCollough and Lazaro Hernandez
ジャック・マッコロー&ラザロ・ヘルナンデス

ロエベ、手仕事とクリエイティビティの融合を目指して。
ロエベは、1846年にスペイン・マドリードで皮革工芸に専心する職人の集団として設立され、以来現地のアトリエを拠点に技術や素材の知識を持つ熟練した職人たちが製品を作り上げている。新しくクリエイティブディレクターに就任したジャック・マッコローとラザロ・ヘルナンデスは、その伝統に刺激を受けたのだろう。デビューコレクションではレザークラフトをおおいに活用した。



スキューバダイビング用のスーツに着想を得てネオプレンにナパレザーを接着し、ハンドペイントを施したドレス、モンゴル産のナパラムスキンをレーザーカットし、二度染めして奥行きのある色合いを生み出したフェザーのようなディテール、さまざまな帯状のレザーを連ねて熱圧着し、革漉きをしてなめらかに仕上げたスペインの風景を思わせるドレスなど、レザーの種類を厳選しながらブランドが誇るクラフト技術を駆使。レザーにランダムなプリーツやシワを形成した後にスプレープリントした遊び心のある表現や、折り紙にヒントを得て、紙で折った型を元にデザインしてソフトラムスキンで仕上げた「オリガミ パンプス」もある。




ショー会場の入口にはエルズワース・ケリーの絵画が展示されたが、彼の作品でまず心に残るのは人の手で作り上げられたという事実よりも、その鮮やかな色彩やシャープなライン、フラットさ。

それと同様に、ジャックとラザロは、ロエベの要である手仕事の気配を自然とクリエイションに溶け込ませることを目指しているようだ。今回であれば強く打ち出したいのはスペインらしさや、ふたりの出身地であるアメリカのスポーツウエアの要素。クリエイションに深みや存在感を生み出し、そしてテーマを訴える説得力としてクラフトを機能させていこうとしているのではないだろうか。
ロエベ ジャパン クライアントサービス
03-6215-6116
https://www.loewe.com/jpn/ja/home
- photography: Masaya Tanaka (TRON)
- styling: Tomoko Iijima hair: Kenshin (EPO LABO)
- makeup: Suzuki text: Itoi Kuriyama
*「フィガロジャポン」2026年4月号より抜粋