美容起業家パリジェンヌが考える、いまウェルネスなこと。

Beauty 2023.03.22

環境に優しく、自然の力を取り入れたビューティブランドが、次々と誕生しているパリ。新しい視点でホリスティックビューティを提案する美容企業家のパリジェンヌ4組に、それぞれのウェルネス観を教えてもらった。

生まれも育ちもフランス、シンプルな植物オイルのケア。

founder:ローランス&マリオン・ヴェベール
brand:Oden(オデン)

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Laurence & Marion Weber
フランス産の植物でビューティプロダクトを、と考えたマリオンが2017年に母のローランスと地産地消ブランドを設立。生産農家を明瞭にしたトレーサビリティを標榜する植物オイルのケアを提案する。
@marionwebr

オデンでは、フランスの30の農家とパートナーシップを組み、100%フランス生まれのスキンケアオイルを提案。アーモンド、麻、プルーンなどのシンプルなオイルは、オメガ3、6、9とビタミンA、Eの力で肌に働きかける。地産地消の原料でガラス容器は回収と、美容だけでなく環境にも配慮したブランドだ。マリオンのウェルネスとは、「仕事とプライベートのバランス、自然の中で身体を動かすこと。バランスのいい食事と睡眠、そして自分をケアするための時間を持つこと。私自身、瞑想をするようになってから地に足が着き、相対的に物事を見られるようになりました」

フランス人によるフランス産オイルは、自分たちの肌とともに気持ちにもフィットするのだろう。

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右:乾燥肌、シワの気になる肌用のオイル。ルリジサのビタミンE、γ-リノレン酸、オメガ6の脂肪酸が肌の質感をリペアする。Huilede Bourrache Française 左:混合肌と脂性肌には、ガスコーニュ産ハシバミのヴァージンオイル。バランスを整え、吹き出物の生成をコントロールする。Huile de Noisette Française 各30ml 各28ユーロ/ともにOden

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美肌菌バランスを重視した、クレンジングシリーズ。

founder:ヴィルジニー・アレズラ
brand:Jeste(ジュスト)

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Virginie Alezra
皮膚科医の母のもと、幼い頃からスキンケアに興味を持つ。パリのモード学校IFM でファッションビジネスを学び、企業での経験を経て、2017年、クレンジングと皮膚常在菌叢に着目したブランドを設立
@virginiejeste

固形歯みがきをスタートに、洗顔、パウダー状のシャンプーまで、オーガニック素材で環境へのインパクトに配慮したクレンジングアイテムが揃うジュスト。皮膚常在菌叢のバランスを考え、スキンケア製品の効果を引き出すためのお手入れ法も提案している。

「日常から客観的に自分を活性化させること、そして成長させてくれる源が何かを見極めることが大事だと思います。私の場合は、運動のためによく歩き、自然と触れ合える野外でのスポーツを定期的に行うようにしています。また、スキンケアのルーティンもとても重要。肌のためというだけでなく、一日をリセットする時間になる。私にとって、一種の瞑想のようなものなんです」

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右:カレンデュラとブナの芽のエキスを配合し、シンバイオティクスを加えたコールドプロセス製法による無香料の石けん。Le Pain Lavant Surgras S.A.F 100g 10ユーロ 左:ブナの芽、アプリコットシード、麻のオイル配合で、肌の汚れを優しく除去するクレンジングオイル。洗い流した後にベタつきが残らない。L’Huile Nettoyante Visage 100ml 24ユーロ/ともにJeste

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技術と起業家精神が生んだ、ホリスティックコスメ。

founder:リンゼイ・アスピタルト
brand:Ulé(ユレ)

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Lindsay Azpitarte
アメリカ出身。パリの資生堂グループでスキンケアブランドの責任者を務めながら、2019年より自らのアイデアによる新ブランド、ユレのクリエイションを手がけ、21年にローンチ。
@lindsayazpitarte

ブランドを一言で表現するなら、“ナチュラルコスメの革命”。資生堂の技術開発力と、スタートアップ精神の融合から生まれたユレは、自社の垂直農場で原料を栽培。生育環境のコントロールにより、フランス国内でも熱帯系植物の栽培が可能になった。そこから細胞賦活を促すツボクサ、肌を保護するシソ科のコリウス、抗ストレスのホーリーバジルの3種を使い、独自の有効成分ピュアボタニーブレンドを開発した。

「私の哲学は罪悪感を持たないこと。健康的な食事もスポーツも毎日絶対ではなく、自分が必要を感じた時だけ。自分にとっていいバランスを知ることが大事です。仕事と家族のバランスも重要。家族と過ごす時間は何よりのリフレッシュです」

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右:乾燥した肌が潤いを取り戻す、ヒアルロン酸配合の保湿セラム。朝晩、そして乾燥を感じた時に。Oh la Plump 30ml 94ユーロ 左:ブランドを象徴するアイテムはマルチオイル。肌につけても、食事やドリンクに加えてもいい。有効成分ピュアボタニーとブドウ種子、ルリジザ、ヒマワリのオイルで、細胞の酸化ストレスを防ぐ。Avoir it All 100ml 74ユーロ/ともにUlé

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J.ヌーヴェル建築のデュオ・タワーにスタルクがデザインしたホテルができた。

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菩提樹の恵みを、肌に、身体に、エスプリに。

founder:ドミニク&オディール&シルヴィ・ポレット
brand:Til(ティル)

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Dominique & Odile & Sylvie Polette
ドルドーニュ地方の菩提樹に囲まれた邸宅で育った、画家、美容業界、香水業界出身の三人姉妹。2021年、菩提樹由来の独自成分、ティルアクティブ4を配合したブランドを設立。
@les_soeurs_til

「ウェルネスは、グローバルでホリスティックなアプローチから生まれます。肌、肉体や内臓、精神もいい状態であること、それはティルの哲学そのもの。菩提樹は心身を再生し、安らぎを与えてくれる樹木です。だから私たち3人は、ドルドーニュの生家の菩提樹に囲まれて過ごす時間をとても大切にしています」

家族の土地で収穫する菩提樹の葉、花、芽、小枝の4つの部位から抽出した独自の有効成分ティルアクティブ4をスキンケアに配合。デトックスして不安感やストレスを緩和するサプリメントで体内から。調香師フランシス・クルジャンが手がけるオードトワレは嗅覚から。菩提樹の恵みを全身に届けるラインナップだ。

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右:ふんわりテクスチャーのナイトクリーム。トケイソウ、キンレンカなどの成分を加え、睡眠中に保湿&アンチエイジング。Le Baume qui Ressource 60ml 62.50ユーロ 左:菩提樹、サンザシ、イチジクの芽から抽出したエキスが、ストレスや不安感、興奮を抑えてカーミング。不眠や不安感の強い時などに口の中にスプレー。L’Elixir de Sérénité 30ml 36.97ユーロ/ともにTil

●問い合わせ先:
Oden www.oden.fr
Jeste https://jeste.co
Ulé www.ulebeauty.com
Til https://til-time.com

●1ユーロ=約132円(2023年3月現在)
*「フィガロジャポン」2023年3月号より抜粋

text: Masae Takata(Paris Office)

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