「朝のオレンジジュース」をやめる。専門家がすすめる20のウェルビーング習慣。

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いつものルーティンを少し見直すだけでウェルビーイングなライフスタイルに変わるかも? フランスの哲学者や精神科医など、さまざまな専門家によるアドバイス集。


朝のオレンジジュースをやめる。

甲状腺や消化器官に関する栄養指導を行う管理栄養士イザベル・デカンによれば「オレンジジュースを飲むと血糖値が急上昇し、血糖値がピークに達します。その結果、膵臓は大量のインスリン、つまり糖を細胞内に取り込むためのホルモンを分泌し、血糖値が急速に下降します」と断言する。反応性低血糖が起きることで、それに伴う疲労感の増加や集中力の低下をもたらし、頻繁に何かを食べたくなってしまうことに!

ドーパミンを活性化する。

散歩する、日向ぼっこしながらコーヒーを飲む、子どもと遊ぶなど、ささやかな楽しみで日々を彩り、デジタルとの付き合い方を見直そう。「こうした楽しみは、ドーパミンを活性化します」と、ソフロロジーの専門家で作家でもあるクレマンス・ペ・ラヴァレは話している。「脳の快楽領域を活性化することで、アドレナリンやセロトニンにも近いドーパミンが分泌され、やる気に繋がります」。デジタルデトックスも大事な要素だ。

“6分間テクニック”をマスター。

心理学博士ローレンス・J・コーエンは、人間関係における傾聴力を高めるために6分間テクニックを推奨。たとえばカップルの場合、ひとりが話している間、もうひとりは注意深く耳を傾けること。最初に話し始めた人が6分間話し、タイマーが鳴ったら話すのをやめる。長々と話すよりも、自分の考えが相手に受け入れられる可能性が高まるからだ。再びタイマーをセットし、聞き手側はそれについてコメントする。それを受けて最初の話し手は1分間、相手の反応にこたえる。このサイクルが終わったら、役割を入れ替えて繰り返してみよう。誰かと生きるテクニックを得れば、美しく歳を重ねられる。

朝、出かける前にパートナーと2分会話する。

日々の暮らしの中で相手への気持ちが薄れていくのを止めるには、出かける前に数分、そして夜には20分かけて相手がどんな一日を送ったのか……楽しかったことや嫌だったことをきちんと聞くこと。これは、アメリカのコロラド大学医学部の精神医学准教授マンディ・ドリアが提案する方法だ。「習慣づけることでパートナーとの関係が良好になり、日中から相手の帰宅を心待ちにするような特別な時間になるかもしれません」

得意分野を見つける。

心理学者ゲイ・ヘンドリックスによれば、誰にでも得意な分野がある。得意は生かすべき! ポジティブ心理学研究者タル・ベン=シャハーがすすめるのは、自分が得意なこと、簡単にこなせること、好きなこと、有意義だと思えることを見極めること。できれば、それ以外のことは他人に任せよう。前向きに暮らすことは健やかさの要でもある。

自分の年齢を気にしすぎない。

哲学者ソフィ・ガラブリュはこう語っている。「若いかそうでないか、年齢相当か不相当か、あまり考えないことが健全。年齢で自分を定義しないこと、それが生き生きと過ごせる最良の選択」

直感を育てる。

この50年で、“直感”は曖昧な概念から、科学や経済のリサーチツールへと変化した。「1960年代末から、カリフォルニアのスタンフォード研究所(現・SRIインターナショナル)の物理学者たちがリモート・ビューイング(遠隔視)を開発・研究し始めたのです」と、AI畑出身の元大学研究者アレクシ・シャンピオンは説明。アルファ波(瞑想のような状態)からシータ波(うたた寝など特定の段階で見られる脳波)に移行する時が、直感の冴える状態だという。知性も直感も身体も、すべてが連動しているのだ。

「つぼみ理論」を取り入れる。

「キルケゴールいわく、不安は可能性を開き、困難に立ち向かう力を与える。不安を感じたくないと強く思うこと、常に平静でいようとすることは、ある種の絶望」と、フランスの哲学者、ファブリス・ミダルは自分の内なる可能性を大切に育てる「つぼみ理論」を提唱する。燃え尽き症候群にならないために、過度に不安を恐れず、人生をあるがままに生きよう。

健康的なスターターで、お腹ぽっこり予防。

『Mieux dans son Ventre, Mieux dans sa Tête(頭もお腹もスッキリ)』(Éditions de l’Homme刊)の著者ジョエル・ビルドスタンがすすめる朝食。バナナを潰し、アーモンド、クルミ、カボチャの種、マカダミアナッツ各5粒を加え、レモン汁と亜麻仁油をたらし、シナモンパウダー小さじ半分、ハチミツ小さじ半分を混ぜるだけ。「健康的に一日を始め、間食をしないために毎朝食べています」

悪い習慣をひとつやめる。

習慣を改めるのは難しいが、大切なのは徐々に悪い習慣をやめていくこと。たとえば座ってばかりの生活なら、週に3回、15分運動してみるなど。心理学者ルカ・マッツケッリによれば、悪習慣を1%改めるだけでも、長い目で見ると大きな変化に繋がるそう。

毎日1時間は自然光を浴びる。

心の健康のためには日光を浴びることが不可欠と、生物学者クレール・ルコントは力説する。「毎日最低1時間は自然光を浴びるべきです。最もいいのはランチの時間帯。この時間帯の光がいちばんおすすめです。たとえばさっと食事を済ませて外に出たり、屋外で食べるのもいいですね」。季節性うつ病の治療として推奨されている光療法ランプを利用するのも手だ。

添加物は避ける。

添加物の多い加工食品の摂取は、がんを発症するリスクを高める。原因はこれらの製品に含まれている乳化剤。「特に、一部のアイスクリーム、ヨーグルト、市販のソース、ケーキ、チョコレートに多く、ビスケットやマーガリンに含まれているケースも」と、疫学教授ベルナール・スルールは指摘する。該当する添加物は、EUの食品表示では脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、カラギーナン、もしくはE471、E407、E407Aといったコードで示されているそう。見分けるために、ラベルの成分表示にはしっかり目を通したい。

他人をけなすより、褒めよう。

20世紀に活躍したフランスの作家、ジョルジュ・ベルナノスは「神の恵みは、自分を忘れるところにある」と記している。精神科医クリストフ・アンドレによれば、自分に固執することは深い不安を抱えていることを示すそう。反対に、相手の良さを認めることは自分自身への評価にも繋がる。アンドレは「巨匠の絵画や同僚の活躍ぶりを前にすると、私たちの自我は引っ込みます。ですが、それは自分を成長させることになるのです。感謝の気持ちや喜びをもたらす高揚感は自己肯定感を高めてくれます」と語る。

攻撃的な相手には、きっぱりした態度をとる。

カナダのソーシャルワーカーのイザベル・コテは著書『L’Art de Désamorcer les Violences du Quotidien(日常の暴力を和らげる技術)』(Éditions Eyrolles刊)で、攻撃的な相手に出会った時の対処法を紹介している。「相手がどんな振る舞いをしているのかを毅然とした態度で伝え、相手に自身の行動を自覚してもらいましょう。たとえば『大声は出さないでください。そうでなければ出ていってください』と。8割方の相手は自分が衝動的に行動していたこと、不適切な振る舞いをしたことに気付きます」。自分自身の心地よさを守ることも、健やかな生活のための第一歩だ。

コーヒーを飲みすぎない。

欧州食品安全機関によれば、「健康な成人は一度に200mg以上のカフェインは避け、1日あたり400mgまでが良い」そう。言い換えれば、1回あたりマグカップ1杯から1杯半、そして1日全体で見ると4杯から5杯までに収めるべき。

「だから言ったでしょ」と言わない。

なんの気なしに使っているこのセリフ。でもそれが相手にどんな影響を与えるか、きちんとわかっていない人が多い。悪意なく、繰り返し使ってしまう言葉が最も人を傷つけてしまう可能性がある。他人を慮ることで、自分の心にも豊かさを保ちたい。

食事は10時間以内に収める。

「人間や動物を対象としたアメリカの研究によれば、すべての食事を10時間以内に摂る、すなわち朝8時に朝食を摂った場合には18時までに夕食を終えることで、細胞の早期老化の原因となる炎症や糖尿病のリスクを減らします。それにより代謝が改善されます」と、フランス国立衛生医学研究所の栄養・糖尿病・脳研究所長ジル・ミチューは指摘する。

早すぎる就寝を控える。

早寝早起きは健康の秘訣といわれるが、ボルドー大学病院の睡眠専門医ピエール・フィリップ教授は、寝るのが早すぎても良くないと語る。その理由は、夜中に目覚めやすくなるため。就寝時刻を遅らせることで良質な睡眠がとれ、夜間の目覚めを避けることができるそう。昼間に疲れを感じる場合は数分間の短い昼寝をするのがおすすめ。頭の回転が良くなったり、回復を促してくれる。

不満を受け入れる。

心理学者のイネス・ヴェヴェールは、「診療を受けに来る患者の多くが、成功者の条件(学歴、キャリア、家族、住居、余暇)を兼ね備えているのに、幸せになるには何かが欠けているように感じている」と語る。だが、これは当然のこと。「“不満”は私たちを刺激します。探求するための原動力にもなり、自分らしく生きることにも繋がるのです。“実り多い不満”は健全ですらあります」。自分の根本的な欲求が何かを見つめ、不満と向き合うことが大切だ。

問題から逃げない。

「不安を鎮めるためには、不安を引き起こすものを避けるのではなく、正面から向き合うことが大切です」とアメリカの神経心理学者ナワル・ムスタファは言う。「問題を見て見ぬふりをして、いずれ解消されるだろうと放置するのは逆効果。問題を避けることはむしろ不安を増大させる主要因となります」。健全な精神状態を保つ、人生の大事なアティチュードだ。

  • text: Léna Couffin, Tiphaine Honnet, Sophie Carquain, Caroline Henry, Julie Falcoz, Alexandra Marchand, Minh Tran Huy, Ophélie Ostermann, Valérie de Saint-Pierre(Madame Figaro) 
  • illustration: Yoshie Aoi

*「フィガロジャポン」2026年7月号より抜粋