「最も強烈」なスーパーモデル、タチアナ・パティッツが56歳で死去。

Culture 2023.01.16

ドイツ出身のスーパーモデルが2023年1月11日の朝、カリフォルニアで亡くなった。享年56歳。1980年代から90年代にかけて一世を風靡した「元祖スーパーモデル」のひとり。ジョージ・マイケルのヒット曲「フリーダム!'90」のミュージックビデオに出演したことでも有名だ。

 

 

Instagram@ cturlington

タチアナ・パティッツが1月11日に56歳で亡くなったと「ヴォーグ」誌が報道し、彼女の所属モデルエージェンシーもそれを認めた。ドイツ生まれのモデルは、1980年代から90年代にかけて元祖スーパーモデルのひとりとしてエステル・ルフェビュール、カレン・アレキサンダー、レイチェル・ウィリアムズ、リンダ・エヴァンジェリスタクリスティ・ターリントンらとともに活躍した。そのうちの何人かと一緒に、ジョージ・マイケルの『フリーダム!'90』のミュージックビデオに出演したことでも有名だ。

居住していた「カリフォルニアでタチアナは今朝、亡くなりました」と、マンハッタンの5番街にあるモデルエージェンシー「The Model CoOp」のファウンダー兼オーナーのコリン・ニコラはAFPにメールで回答した。転移性乳がんを患っていたという。

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ピーター・リンドバーグの有名な写真

2019年に亡くなったドイツのファッションフォトグラファー、ピーター・リンドバーグは1980年代からタチアナ・パティッツを撮影し、彼女のことを気に入っていた。1988年に「ヴォーグ」誌の依頼で撮影した、ビーチでの名写真(「White Shirts: Six Supermodels, Malibu(白いシャツ、6人のスーパーモデル、マリブにて)」)にも、タチアナ・パティッツは「ビッグシックス」と呼ばれた初代スーパーモデルたちと一緒に登場している。

 

 

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ピーター・リンドバーグ財団はツイッターで、「ピーターの長年の友人であったタチアナ・パティッツが亡くなられ、わたしたちは深い悲しみに包まれています。タチアナの優しさと内面の美しさ、卓越した知性に敬意を表します」と述べた。

 

 

タチアナ・パティッツはドイツ生まれのスウェーデン育ちで、晩年はカリフォルニアに移住した。彼女は、「常に、ロミー・シュナイダーとモニカ・ヴィッティを合わせたような、ヨーロッパ的なシックさの象徴でした」と、「ヴォーグ」誌に同誌のアナ・ウィンターが語っている。タチアナ・パティッツは「元祖スーパーモデルの中で最も物静かで、もしかしたら最も強烈」だったかもしれないと「ヴォーグ」誌は述べ、2020年のインタビュー時の言葉を引用した。「私は決して魂を売らなかった」と。

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スーパーモデルたちの弔辞

1990年代に活躍したスーパーモデルの多くが弔辞を寄せた。アメリカのクリスティ・ターリントンは、タチアナ・パティッツとの出会いをつづった長文(インスタグラム的には超長文)を投稿した。妊婦の健康を守る団体「Every Mother Counts(どのお母さんも大切)」のファウンダーとしても活躍する54歳のクリスティ・ターリントンは16歳のときにタチアナと出会い、可愛がってもらった。「タバコを吸いながら、知っている各国語を駆使してしゃべり散らす姿を一日中見ていても飽きませんでした」と、尊敬の念を込めて書いている。

シンディ・クロフォードは、「物腰が柔らかく、繊細で、親切で、好奇心旺盛な人でした。あのきりっとしたまなざしを忘れることはできません。彼女の動物や自然を愛する気持ちは周囲に伝染しました」と投稿した。ヘレナ・クリステンセンも、モデルの目の美しさに言及し、「陽気な目」をしていたと言う。そして「いま、どこまでも続く草原で馬に乗っていることを願います」と、自然が好きだったことにも思いをはせた。

『ラブ・アクチュアリー』(2003年)などで女優活動歴もあるクラウディア・シファーは「天国で馬や犬に囲まれていますように」と願い、さらに「こんなにも若くして亡くなるなんてやるせない気持ちです」と述べている。エステル・ルフェビュールやカーラ・ブルーニらも短い弔辞を寄せ、彼女の安息を願った。

text: La rédaction avec AFP (madame.lefigaro.fr)

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