齊藤工による山﨑賢人、美を隠して野生を表現。

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日本映画において2019年から公開が始まった「キングダム」シリーズが果たした役割は大きい。時代のトレンドを牽引する大勢の役者たちが競演する点、そしてもちろん壮大なスケール感。日本のみならずアジアの観客たちも魅了する大作、そのヒーローとして、1作目の『キングダム』(19年)から、『キングダム2 遥かなる大地へ』(22年)、『キングダム 運命の炎』(23年)、『キングダム 大将軍の帰還』(24年)、そして7月17日の公開以降大ヒット中の『キングダム 魂の決戦』(26年)の5作目まで山﨑賢人は輝き続けている。

2024年9月、映画『キングダム 魂の決戦』撮影時。以下同。

「気が付けば、邦画の世界では山﨑賢人さんにしか背負えない作品がたくさんあり、その際たるものが『キングダム』シリーズだと思います。
映画館に観に行かなきゃと思わせる、現代邦画のエンタメ性を一手に引き受けてくれている、力強いシリーズの印象があります」(齊藤)

山﨑賢人の信は「他者を守る」役割を持つ人物だ。中華統一を目指す王を支える武者であり、信の献身と闘志、そして戦う能力がなければ物語は先に進めない。そんな信を山﨑は自らの外見的な美しさを封印して身体能力の高さと動きの美学で演じ、観客を釘付けにする。

パリのファッションウィークで会う山﨑賢人は、サンローランをしなやかに纏い、親しみやすくも精悍な笑顔が印象的なハンサムだ。「キングダム」シリーズでは髪を振り乱して戦い、野生を匂わせながらも、他者に対して清らかな心で接する人物像を真っすぐに演じている。

「何度か共演させていただいてきましたが、底抜けにピュアで、真っ直ぐで、少年心を忘れない方、だけれども瞬間的に作品に集中し鋭くゾーンに入る。
何処か”信”と重なる部分を感じました。そんな火と水の中間のような瞬間を切り撮らせていただきました」(齊藤)

お茶目な表情の山﨑。フィガロジャポン本誌10月号では、シリアスな強い信念の男の顔を見せている。ぜひ、そちらもチェックして。

山﨑はインタビューフィルムで、『魂の決戦』において甲冑を纏うことの意義、隊長という任務を背負う責任感、そして馬のアクションの進化について熱く語っている。

「キングダム」は、俳優たちはもちろん、素晴らしいスタッフたちの技術や演出でスケール感を表現した作品。日本映画史に残る名作として、長く語り続けられるシリーズになることは間違いない。そして、美しく強靭な山﨑賢人という俳優が今後、どのような作品を選び進化していくのか、その未来には期待しかない。

山﨑賢人/KENTO YAMAZAKI
1994年9月7日生まれ。2010年俳優デビュー。数多くの作品で主演を務めるが、映画「キングダム」シリーズ1~4作(19年~24年)にて累計動員1700万人、興行収入245億円を突破。7月17日より5作目『キングダム 魂の決戦』が公開中。今後の主演映画は、『殺人の門』『腹をくくって』(ともに27年公開予定)。ドラマ作品ではNetflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」は、25年に最終章シーズン3が配信、世界中で大ヒットを記録。28年はNHK大河ドラマ「ジョン万」にて、主人公の中濱万次郎を演じる。

齊藤 工

俳優/映画評論家/クリエイター

TAKUMI SAITOH
出演映画『キングダム 魂の決戦』が公開中。出演作Prime Originalドラマ「犯罪者」が配信中。ドキュメンタリー映画『大きな家』(2024年)や、永尾柚乃初監督作品『リタ』(27年公開予定)のプロデュースに携わる。