ミュウミュウ ショートフィルムプロジェクト、ヴェネツィア国際映画祭で最新作『AVEC KIM』を発表。
2011年以降、ミュウミュウが手がけてきたショートフィルムプロジェクト「Miu Miu Women’s Tales(女性たちの物語)」。9月5日、ヴェネツィア国際映画祭にて、第32作となる最新作『Avec Kim』が上映された。フランスの映画監督・脚本家クレール・ドゥニが監督を務め、スザンヌ・ランドンとキム・ゴードンが出演している。

この特別な機会を記念し、ミュウミュウはプレミア上映会やプライベートディナーを開催。アンバサダーのエマ・コリンをはじめ、オーランド・ブルームやアマンダ・サイフリッド、ケイリー・スピーニー、アリシア・ヴィキャンデルなど、世界中からゲストが出席した。

32作品もの短編映画を生み出してきたミュウミュウ。
ミュウミュウは現代を代表する女性映画監督たちとのコラボレーションを通し、16年にわたり32作もの短編映画を発表。映画作家たちに創作の自由を委ねることで、21世紀における女性性や自己表現を独自の視点で描くことを促し、女性たちの多様な視点や想像力を映し出してきた。それぞれの作品は美しく個性的な世界観でありながら、女性たちの物語や感性を鮮やかに描き出すものとなっている。作品の中でミュウミュウのコレクションは単なる衣装としてではなく、物語を構成する重要な要素として織り込まれている点にも注目だ。ファッションそのものが、俳優やモデルのようにひとつのキャラクターとして存在感を放ち、物語を彩っている。
そもそも「Miu Miu Women’s Tales」は、ミウッチャ・プラダが長年にわたって探求してきた女性性についての考察を映画という表現へと広げる試みである。 真摯でありながら遊び心に満ちた視点で、時代によって社会によって変化し続ける女性像を描き出し、現代の女性たちに新たなイメージやロールモデルを提示。またミウッチャが「Women’s Tales を通じて、私たちは女性について女性と対話する場を創り上げてきました」と語るように、世代を超えた女性たちのコミュニティを育み、ポストシネマ時代における映画体験の新たな可能性を切り拓くものである。

女友達とパリをドライブするロードムービー。
今回、ヴェネツィア国際映画祭では、公式プログラム「Giornate degli Autori」にてクレール・ドゥニ監督による第32作『Avec Kim』が発表されたほか、ヴェニス・デイズ「Giornate Degli Autori」部門にてモナ・ファストヴォルド監督による第31作『Discipline』も上映された。クレール・ドゥニ監督はフランスで活躍しながら、長年にわたりヴェネツィア国際映画祭と深い関わりがある人物だ。

『Avec Kim』は、窓のない自動車修理工場が舞台。整備士用のつなぎを着て油汚れにまみれた顔をした若い女性が、長い一日の仕事を終え、流し場で勢いよく身体を洗い始める。ガレージの扉を開いて外へ出て、音楽に導かれながら、昼下がりのパリの街を車で進み出す。詩的な出会いや小さな謎が次々と現れていく中、やがて彼女は「キム」に出会う。

名匠クレール・ドゥニ監督が個人的体験をもとに紡ぐ。
この作品は、監督自身が愛するエリアであるパリの12区で撮影され、古い車を運転しながら親しい友人と出会うという個人的体験がベースとなっている。「理想化されたような誰もが思い浮かべる象徴的なパリではなく、自分にとって身近でリアルに感じられるパリを描きたいと思いました。特に車を運転しながら、ひとりでパリの街を移動する私的な時間からインスピレーションを得ています。外は公共の空間ながら、中は私的なスペースになる。そんなふうに車の中から街を眺めたり、思考を自由に漂わせたりするのが好きなんです」

また、監督の長年の友人であり、尊敬する存在であるキム・ゴードンとの関係から生まれたものでもある。そして前作で脚本をともにしたスザンヌ・ランドンの協働もあり、関係性や経験が自然にひとつに結びついていったという。オファーを受けた時は「やります」と即答し、あまり深く考える必要はなかったと明言する。「私は女性なので、女性として映画を撮るとはどういうことかを過度に定義しようとは思いません。でも興味深かったのは、これが個人的な短編映画を作るきっかけとなること、そしてミュウミュウやこのプロジェクトに関わる女性たちとの対話する機会に恵まれるということでした」。衣装は、ミュウミュウのショーを見て作品の登場人物や雰囲気、関係性を想像し、スザンヌやキムと話し合いながら選んでいった。「単に美しいものではなく、キャラクターの一部としてファッションを提示したかったんです。キムの撮影は1日しかなかったので、効率よく進める必要がありましたが、そうした制約が結果的におもしろさを生んだと思います」
最後に、これから映画業界を目指す女性たちに向けて、「映画を撮る時は、自分が愛している人たちを撮ること。少なくとも、本当に一緒にいたいと思える人たちを撮ることが大事だと思います」と、メッセージを送った監督。この作品では、女性の強さの源や遊び心、女性同士の友情、そして服が人格を作り変える力など、女性像の典型的な表現を称賛しながらも新たな問いを投げかけている。友人たちとの関係性をもとに描き出した親密かつ個人的なストーリーは、多くの女性たちの共感を呼び、対話の場を育んでいくだろう。
「Miu Miu Women’s Tales」でこれまでに発表された作品は、独占インタビューや撮影風景とともに、ミュウミュウのデジタルチャンネルで公開。その後、オンライン動画配信サービス MUBI にて世界配信される予定だ。



ミュウミュウ クライアントサービス
0120-451-993(フリーダイヤル)
https://www.miumiu.com/jp/ja.html
- text: Momoko Suzuki
- photography: Miu Miu
- edit: フィガロジャポン編集部