Miu Miu 日本初開催！ミュウミュウクラブトウキョウをレポート。

Fashion 2023.12.08

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2012年のスタート以来、ロンドンや上海など世界各地で開催されてきたイベント、ミュウミュウクラブ（Miu Miu Club)。国際的で包括的、そしてエンパワーメントをコンセプトとして、互いに支え合い、関わり合うことを目的としたミュウミュウ発のイベントだ。そんなスペシャルイベントが去る11月23日、東京・表参道で開催された。

photography: Teo Josserand

日本で初の開催となったミュウミュウクラブトウキョウ（Miu Miu Club Tokyo）は、日本が世界に誇る伝統芸能"能"にフォーカス。700年近く一度も途切れることなく伝承されてきた日本最古の古典芸能のひとつである"能"は、謡(うたい)、囃子、舞、装束、そして最もその特徴を表現する要素である能面によって物語が構成されている。今回の催しでは、能を舞う能楽師、能面を制作する能面師、さらにイベントのキービジュアルのデザインまで、すべて女性クリエイターが担当。ウーマンエンパワーメントを前面に押し出すミュウミュウらしい内容になった。

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イベントの幕開けは、ミュウミュウ青山店で。そこでは、アーティストの大河紀がミュウミュウクラブトウキョウのために制作したキービジュアルがお出迎え。大河は今回のミュウミュウとのコラボレーションについて「このような特別なイベントにお声がけいただき、とても光栄です。私は元々、浮世絵などの日本的なモチーフをよく描いている作家なので、今回のビジュアル制作でお役に立ててうれしいです。能楽師の方も能面師の方も女性と聞いて、女性ならではの魅力を引き出せる形に仕上げたいと考え、このビジュアルに辿り着きました」と話す。

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photography: Teo Josserand

さらにミュウミュウ青山店では、能を舞う時に着ける能面も特別に展示。その貴重な3点の能面を制作したのが京都在住の若き能面師、宇髙景子だ。「能面作りは、ゴールが遠い仕事です」と宇髙。幾らキャリアを積んでも、その時々に異なる壁にぶち当たるのだそう。「能楽師の先生によっては、能は面（おもて）が主役と言ってくださいます。面に動かされて演じていると」。制作は面と向き合う孤独な作業だが、やり甲斐はある、と語った。

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photography: Teo Josserand

そしてイベントの来場者たちは、イベントのハイライトである能を鑑賞するために表参道にある銕仙会能楽研修所へ。舞台で披露されたのは、能「羽衣（はごろも）」。観世流シテ方能楽師の鵜澤光が、能面師の宇髙が打った面を着け、美しい舞を披露した。「今日の公演では、来場くださった方々の集中した目線をいつも以上に感じました。能を鑑賞するのが初めてのお客さまも多かったと思うのですが、彼らの強い目線が印象的でしたね。演じていた25分間、もう飽きてしまったような空気感は一切、感じられませんでした。このイベントで集まった方々はファッション業界の方がメインでしたので、私が本日、着用していた衣装などにも興味を持ってもらえたのかもしれません。細かいところまで見られていると思うと、身が引き締まりました」と鵜澤。

Courtesy of Miu Miu

物語の後半で、全世界に天人が宝を授けるシーンでの出来事についても語ってくれた。「ずっと目線を下げていったら、そこには女優のエヴァー・アンダーソンさんの姿が。最前列に座っていたエヴァーさんに差し上げます、みたいな感じなりまして。面越しに、ぐっと強い視線を感じて、彼女はとても芸術が好きな方なのだと感じました」とも。