ディオールのオートクチュールで見えた新章。ジョナサン・アンダーソンが布で描く彫刻美。
7月6日、オートクチュール週間初日の一大イベントは、クリスチャン・ディオールのショー。恒例となったロダン美術館の庭園には、シダの木に囲まれた涼やかな特設会場が出現した。照りつける太陽の下、会場にはSEVENTEENのミンギュ、サブリナ・カーペンター、ハン・ソヒ、ジャパン アンバサダーの中谷美紀といった豪華なゲストが次々と訪れた。

ジョナサン・アンダーソンによる2回目のオートクチュール・コレクションは、プリーツをあしらったアンサンブルで幕を開けた。ストールには大きなノットがあしらわれ、優しく体を包み込むよう。黒いサテンのパンツとともに、手仕事で細かなプリーツが施されている。

今シーズン、アンダーソンはアメリカの彫刻家リンダ・ベングリスの作品にインスピレーションを求めた。2次元の素材をプリーツやノッティングの手法で造形する彼女の彫刻作品を、オートクチュールという言語によって解釈したコレクション。
幾重にも重ねたモスリン、ツイード、カシミアなど、多様な素材は手仕事によるプリーツを施され、ドレープし、結ぶことによって彫刻的な造形を与えられる。ベングリスの作品に見られる素材感もまた、メタリックや玉虫色、紙のような表情を持つ生地で表現された。
それはまさに布という素材を使ったアート作品集である。


「どの作品もインド、日本、フランスなど世界中の職人技によって実現したもの」とアンダーソンが賛辞を述べているように、スパンコールのフリンジを散りばめて小花を散らしたドレス、手作業で絞りを施したドレス、細かなプリーツの上にスパンコールをびっしりと刺繍してモチーフを描いたドレスなど、ディテールにもアトリエの手仕事がふんだんに盛り込まれた。


18世紀にインドからもたらされたチンツに注目し、アンティーク素材で設えたバッグも数々登場。ドレスのディテールに呼応するフローラルの装飾やパイエット刺繍、プリーツやノットをあしらったシューズも花を添える。サボテンの花とシダの葉を散りばめた真っ白なウェディングドレスがショーの幕を閉じた。

クリスチャン ディオール
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https://www.dior.com/ja_jp
- text: Masae Takata(Paris Office)