頭を空っぽにして”何にもしない”を楽しむ、心静かに自然と向きあう、その土地の食をじっくりと味わう……私たちが旅に出る理由は人それぞれ。日本でのオリーブ発祥の地として知られる小豆島は、昨年開催された「瀬戸内国際芸術祭 2013」への参加や実写映画版『魔女の宅急便』へのロケ地協力など、新たな魅力をぐんぐん増している場所です。今回初めて訪れた小豆島は、自然、名所、食、アートのみならず、何かが動き出すような活力をひしひしと感じる場所で……。そのさわりすらお伝えしきれないミニレポートですが、全2回に分けて”また訪れたくなる島”の魅力をほんの少しご紹介します。
>>きっとまた訪れたくなる場所、小豆島。[Vol.2]はこちら

photo:YOSHIRO MASUDA
本土からの橋がない小豆島。渡る人は皆船を使います。まずは高松港から小豆島・草壁港へと。
船に乗ることで、日常から旅へのスイッチが入るかのよう。初訪問への期待が高まります。
到着後すぐに向かったのは醤油や佃煮の工場が集中する醤(ひしお)の郷。22軒の醤油醸造所があり、「醤」という目印が至るところに。発酵によって黒くなった屋根や板壁をもつ工場が立ち並び、ふんわりと醤油の香りが漂うエリアです。
▲杉の木桶で昔ながらの醤油造りを行う「ヤマロク醤油」で、五代目の山本康夫さんに蔵をご案内頂きました。木桶は150年ほど前から使用されているものだとか。醸造用の木桶を製造できる製桶所は現在なんと日本に1社(!)のみ。山本さんは木桶を使った醤油を残すべく、新桶作りに取り組んでいらっしゃいます。
▲上左の写真右端が、山本さんが製桶所に弟子入りして作り上げた新桶。左のふたつのように酵母菌、乳酸菌がびっしり付いた状態になるまでには気が遠くなるような時間がかかります。が、木桶がなくなる=無形文化遺産にも登録された和食に欠かせない調味料・醤油の”本物”がなくなってしまう……。恥ずかしながら、和食にこんな危機が訪れていたとは全く知りませんでした。山本さんの木桶職人復活プロジェクトが順調に進むことを願ってやみません。「ヤマロク醤油」では、蔵見学ができるうえ併設の茶屋でオリジナルの醤油スイーツを楽しむことができます。意外な好相性にびっくりのしょうゆプリン(週末限定)とアイス、必食ですよ!
▲続いて伺ったのが小豆島唯一の酒蔵「森國酒造」。築70年の佃煮工場をリノベーションしたショップ&カフェ・バーが併設されています。若い人を含め、もっと広く島仕込みの酒を飲んでほしいと作ったシリーズは「ふわふわ。」「ふふふ。」「うとうと。」「びびび。」と名前からしてユニーク。バーではテイスティングができるので、ぜひ「ふわふわ」や「びびび」な味を試してみてください。


▲約300年の歴史をもつ小豆島の伝統行事、農村歌舞伎。その舞台となる肥土山離宮八幡宮の近くにあるのが昭和初期頃の精米所を改装した「こまめ食堂」。周りには国の棚田100選にも選ばれた中山地区の千枚田が広がります。棚田の米を使ったおにぎりにも心をひかれつつ、オリーブ牛のハンバーガーを注文。オリーブを食べて育った希少な牛のハンバーグを自家製のバンズでサンドしたものです。ハンバーグが何ともジューシーでまろやか! ボリュームたっぷりですが、あっという間に食べきってしまいました(笑)。おにぎりセットや自家製パン&マフィンはテイクアウトも可能。ここでランチやおやつを買って近くの棚田や中山自然美術館、初夏なら名水を誇るほたるの里を散策するのも楽しそうですね。
▲島外から移り住む人も少なくない小豆島。築120年の古民家を改装したカフェ「HOMEMAKERS」のオーナー、三村さんご夫妻も名古屋からの移住者。彼らの”軸”は農業。使用する野菜も自分たちで育てた野菜を中心に。オンラインストアで取り寄せもできるで気になる人はアクセスして。
▲ランチのカレーについてくるサラダのおいしさといったら! その日に収穫した野菜を使うことも。色からも活き活きした感じが伝わってきますよね。味が濃くて、歯ごたえもしゃきしゃき。現在はまだ数種類ですが、野菜の販売もされています。醤油にオリーブに米に野菜に……、豊かな自然と美しい海に恵まれた小豆島はまさに食の宝庫。初日の最後は、小豆島の食材をふんだんに使った食事が楽しめる「島宿 真里」に向かいました。
▲小豆島と瀬戸内海の食材を使った料理、地の食材を活かしたオリジナルの調味料の開発、オリーブオイルのエステ……。店主の眞渡康之さんが民宿をお母様から譲り受けて約15年ほど。3年を目安にリニューアルをし、より小豆島らしさ、島らしさを追求してきたそうです。かつては醤油屋でもあったそうで、夕食では醤油会席が楽しめます。
▲醤油会席の一品、お造りと野菜の華やかな盛鉢。手前に並ぶのは二段熟成の醤油や自家製の諸味たれなど。利き酒ならぬ”利き醤油”気分が味わえます。小豆島といえば素麺も外せない名物。諸味つゆで頂く平麺、もちもち感がたまりません!
▲最後に登場したのはオリーブごはん。肥土山産のごはんにオリーブオイルをかけて頂きます。ツヤツヤぷりぷりのごはんに若々しい香りのオリーブオイル……目からウロコのおいしさ。販売コーナーには醤油や素麺も並んでいるので、食べて気に入ったものをすぐに購入できるというのがうれしいですね。
▲自家源泉の温泉もこのお宿の自慢。個人的に心を奪われたのは手作りの果実酒が並ぶ共用の囲炉裏スペース。温泉や館内を満喫するべく、次回はぜひゆっくりと時間をとって訪れたいと思います。
小豆島の食を満喫した1日め。2日めはパワースポットや『魔女の宅急便』のロケ地などを巡ります。
>>後編[Vol.2]は近日公開予定!

photo:YOSHIRO MASUDA
<関連リンク>
●ヤマロク醤油
yama-roku.net
●森國酒造
www.morikuni.jp/
●こまめ食堂
www.dreamisland.cc/cafe/komame-cafe.html
●HOMEMAKERS
homemakers.jp
●島宿 真里
www.mari.co.jp/
小豆島のことがもっとよく分かる&知りたくなるサイトはこちら:
●小豆島旅ナビ
小豆島観光協会によるサイト。見所やイベント情報などが満載。電話やメールで旅の相談にも応じてくれる。
shodoshima.or.jp/
●小豆島物語
“地域からニッポンを魅せる”を目指す団体、ニッポニア・ニッポンが運営するサイト。小豆島の”物語”やプロジェクトにフォーカス。
shodoshimamonogatari.com/
●観光から関係へ Relational Tourism
坂出港エリアと醤の郷エリアを舞台に、アートとデザインの視点からさまざまな試みを展開する醤の郷+坂出港プロジェクトのサイト。
relational-tourism.jp/
special thanks:小豆島観光協会、texte&snap photos : NAOKO MONZEN
この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/travel/shodoshimavol1.html