楽園、タヒチの島々で過ごす休日 タハア島、バニラの香りに包まれて自然の恵みを享受。

Taha’a

[ タハア島 ]

ポリネシアの歴史深いライアテア島からシャトルボートに乗って、同じ環礁の中にある姉妹島、タハア島を目指す。幾つもの小島（モツ）を横目に、魚たちが追いかけてくるのが見える。

可愛く見えてくる！ 人に危害を加えないサメ

到着したのは、人影も家もまばらな鄙びた船着き場。周囲は鬱蒼とした緑に覆われ、しっとりとした空気に包まれている。ここが別名バニラアイランドと呼ばれるのは、世界のバニラのうち数パーセントという希少なタヒチ産バニラの約8割を生産しているから。その特別な香りを求めて世界中のパティシエが買い付けに来るという。黒真珠の養殖やサトウキビの栽培も盛ん。土地と人の手が育む自然の恵みの背景を訪ねて、おいしくいただく体験を。知らなかった味わいにきっと虜になるはずだ。

La Vallée de la Vanille
ラ・ヴァレ・ドゥ・ラ・ヴァニーユ

受粉から発酵、加工まで、手作業が生む“黒い金”。

フランスの3ツ星レストランや香辛料会社とも取引があるバニラ農園が、栽培から加工までを公開。バニラはラン科の蔓性植物で挿し木で育ち、花が咲くまで2年。人の手で受粉させ、花数を減らしてさやを大きく育てるのに8カ月。発酵に3カ月半をかけ、ふっくら芳醇なバニラビーンズが作られる。その手間と時間を聞けば、香りと価値の高さに納得。

日光を避け、根元にココナッツの皮を敷いて湿気を保つ。

緑のまま採取して陰干し。

黒くなったら天日干しし、さやをひとつずつ手でマッサージ。濃厚な香りに変化。

ひとさやにたっぷりの量が詰まっている。50g 3,800CFP、100g 7,500CFP。バニラエッセンスやドライパウダーなどもここで製造、販売する。

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Domaine Pari Pari
ドメーヌ・パリ・パリ

ボルドー出身のオーナーによるラム醸造所。

モーレア島のマヌテア同様、一般的なラムとは異なり、100%サトウキビジュースで発酵・蒸留するアグリコール製法のラムを生産している。ここでは、タハア島の54の契約農家のオーガニックサトウキビだけを使い、独自のドイツ製醸造マシンで蒸留。そのホワイトラムだけでなく、ワイン樽などで熟成させた香り高いものまで試飲が可能だ。

手前左奥から、オークのバーボン樽で熟成したV.S.O.P.8,900CFP、V.O.7,900CFP、シェリー樽7,200CFP、ソーテルヌ樽7,000CFP。試飲は200～300CFP。上段のホワイトラム40°と55°は試飲無料。

発酵・蒸留過程も見学可。

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Le Taha’a by Pearl Resorts
ル・タハア・バイ・パール・リゾーツ

美食の宿で、さまざまなバニラの風味を。

バニラが主役の料理を目当てに、ルレ・エ・シャトーに名を連ねる隠れ家リゾートへ。ランチのみオープンするティティライナ・レストランでいただくのは、黒真珠の貝、コロリのタルタルや白身魚のマヒグリルなど、魚介の塩味にバニラの香りを添えた皿。アニスのようなスパイシーさも特徴とされるタハア島のバニラだから、爽やかにマッチする。敷地内のガーデンに、アイスクリームスタンドも計画中とか。静かなヴィラと香りの余韻が深い眠りを誘う。

黒真珠貝のタルタルにショウガの細切りが添えられた前菜。バニラが不思議とマッチ。「Tartare de Korori , Vinaigrette Miel, Citron Gingembre et Vanille de Taha'a Accompagné d'une Salade Verte」2,900CFP

バニラといえばクレームブリュレをお忘れなく。たっぷり贅沢に使われて、でも甘すぎない。「Crème Brûlée à la Vanille de Taha'a」2,000CFP

白砂のレストランにはバーも併設。

水上ヴィラのほかに、プール付きのビーチヴィラも。現地のアートがあちこちに見られる。

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Vahine Island Resort & Spa
ヴァヒネ・アイランド・リゾート＆スパ

静けさに包まれる、大人のための隠れ家。

小島に水上ヴィラが3部屋とビーチに6部屋、というプライベート感満載のリゾート。10歳未満はお断りと、大人が非日常を過ごすのに夢のような環境だ。2020年に、繋がる小島にロイヤルヴィラを増設した。12名が宿泊できる2階建てのヴィラには、プールやジェットバスに専用のバーやダイニングを備えた豪華な造り。島のオーナーになった気分に。

ビーチスイートBB6。伝統的なポリネシア建築の野趣あふれる造りだが、通信環境は整備されている。

宿泊に含まれる食事はポリネシア料理がメイン。朝夕ともにボリューム満点。

ロイヤルヴィラの宿泊と価格は要相談。屋外から屋内にも続く大きなプールに驚き！

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Access
タヒチ島からライアテア島まで飛行機で約50分。モーレア島から約45分。ボラボラ島から約20分。ライアテア空港からボートに乗り換え、タハア島まで約30分。

Present！

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＊「フィガロジャポン」2023年7月号より抜粋

●1CFP（フレンチパシフィックフラン）＝約1.3円（2023年5月現在）
●日本から電話をかける場合、タヒチの国番号689の後に掲載表記どおりダイヤル。現地では掲載表記どおりにダイヤルしてください。
●ホテルの宿泊料金は、曜日や季節によって異なる場合があります。また、税・サービス料の有無はホテルによって異なります。
●掲載店の営業時間、定休日、商品、料理、サービスの価格などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。