パリの日本ブーム! 地方の旅へと誘うHIS のコンセプトストアが開店。
Paris 2024.09.15
12時少し前にラーメン屋さんの前には長い行列、最近では抹茶専門のテイクアウトスタンドがオープンし、また子ども向けにも"Mochi(モチ)"の作り方やアレンジ菓子の料理本が出版されて......なんだか日本より日本のような最近のパリである。フランス人たちはいまの円安を利用して、おきまりの東京・京都にとどまらず、国内のあちこちをめぐる日本の旅に出かけるようになった。
9月3日、1980年に東京で歴史を始めた旅行代理店のHISがパリ市庁舎やBHVから遠くないルナール通りコンセプトストアーをオープンした。「地方から日本を再発見」を謳い文句にパリにおける日本への中継地的存在を目指すという店は、フランス人に喜ばれそうだ。かつては化粧品のチェーン店だったというスペースの内装を託されたのは、ゴリアット・ディエーヴルが創設した室内建築オフィスのPlace Magaje。フレンチスタイルと日本のミニマリストが融合する体験型の店が出来上がった。
日本の食材を扱う店はすでにいくつかパリにあるけれど、この店ではお米、お茶といったアイテム別ではなく北海道・東北、関東といった地方別に棚を設けてそれらを販売。さらに地元と連携して厳選した各地方の職人技を生かしたオブジェや特産品なども一緒に棚に並んでいる。合計400点近い商品を集められているそうだが、HISに入って最初に目を奪われるのは、日本酒、泡盛、ウイスキーなどのおびただしい数のボトルがが床から天井までびっしりと並ぶ光景だろう。ここにはウイスキーの山崎25年のような入手しにくい品も。
旅行代理店という本来の業務も行う店で、もうじき日本の旅のための新しいプラットフォームとコンシェルジュサービスを開始する。未知の国日本を探索したいフランス人たちにとって、日本への旅はこのコンセプトストアから始まることになりそうだ。
editing: Mariko Omura