齊藤工 活動寫眞館・参拾 菅田将暉。

俳優、斎藤工。そして、映画監督、齊藤工。表舞台であらゆる「人物」を演じ、裏方にまわり物語をクリエイトしていく。齊藤工がいま見つめるものとは、何か。彼自身がシャッターを切り、選び出す。モノクロームの世界に広がる、「生きた時間」を公開していきます。今回は、2020年4月公開の映画『糸』で共演する菅田将暉を撮影。

1992年に発表され、世代を超えて愛され続けてきた中島みゆきの楽曲「糸」。
この名曲にインスパイアされた映画『糸』が、2020年4月に公開される。小松菜奈とともにダブル主演を務める菅田将暉が、この映画の撮影の合間に、共演する齊藤工のカメラの前に立った。

「『共喰い』の頃にスクリーンで出逢った菅田将暉さん。言語化できない魅力にあふれた演技者が現れたと思いました。以降、劇場で受けとめるべき、この世代では稀有な映画俳優と捉えています」

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平成元年に生まれた男女(菅田、小松)が出会いと別れを繰り返し、平成の終わりに再び出会うまでを描く物語になるという。菅田が演じるのは、北海道で生まれ育ち、チーズ工場で働く高橋漣。先週発表されたばかりのメインビジュエルでは生き生きとした、明るい希望を感じさせる表情をたたえている。

ロケ場所は北海道から東京、沖縄、そしてシンガポールまで、時間的にも空間的にも壮大なスケールだ。フィガロジャポン本誌2月号に掲載した写真では、メインビジュアルとは打って変わって、夜の暗闇に包まれ、どこか憂いを帯びた眼差し。菅田の背後には、東京タワーが幻想的に浮かび上がっている。

その写真の中で、菅田はカメラから目線を外し、どこかを見つめながら、物思いに耽っているようにも、側にいる誰かに向かって言葉を発しているようにも見える。

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そして、瞳をまっすぐにカメラに向ける彼の表情は、静かに何かを訴えかけているようで、惹き込まれる。菅田は『糸』の主人公・漣として、齊藤が演じる水島と対峙しているのだろうか。

「客観的に一ファンでもあるので、近寄り難い人でもあったのですが、生命体として繊細にも大胆に躍動する菅田将暉がそこにいました」

東京という街を舞台に、菅田と齊藤の“糸”はどのような色の布を織りなしているのか、スクリーンで目撃する日が待ち遠しい。

『糸』
●監督/瀬々敬久
●出演/菅田将暉、小松菜奈、山本美月、高杉真宙、馬場ふみか、倍賞美津子、永島敏行、竹原ピストル、二階堂ふみ、松重豊、田中美佐子、山口紗弥加、成田凌、斎藤工、榮倉奈々
●2020年、日本映画
●配給/東宝
2020年4月24日(金)より全国順次公開
Ⓒ2020映画『糸』製作委員会
菅田将暉 MASAKI SUDA
1993年大阪府生まれ。2009年『仮面ライダーW』でデビュー。『共喰い』(13年)で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞、『あゝ、荒野』(17年)で第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、第68回芸術選奨映画 文部科学大臣新人賞など数々の賞を受賞。17年からは音楽活動も開始。20年4月24日に小松菜奈とダブル主演を務める映画『糸』、20年冬に有村架純とのダブル主演映画『花束みたいな恋をした』が公開予定。
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TAKUMI SAITOH
移動映画館cinéma bird主宰。長編初監督作『blank13』(18年)が国内外の映画祭で8冠獲得。昨年末、パリ・ルーヴル美術館のアート展にて白黒写真作品が銅賞受賞。今年も出品。日本代表として監督を務めたHBO Asia “Folklore”『TATAMI』、同企画第2弾“Foodlore”『Life in a box』が各国映画祭およびBS10スターチャンネルにて放送予定。企画・制作・主演の『MANRIKI』が公開中。企画・脚本・監督・撮影の『COMPLY+-ANCE』が来年2月公開予定。21年公開予定の『シン・ウルトラマン』では主演を務める。

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