いま必要なものを子どもたちへ。平時と災害時を繋ぐ、支援プラットフォーム。【BWAピッチコンテスト2026受賞者インタビュー】

Society & Business

「思いを言葉に」をテーマにしたフィガロジャポンBWAピッチコンテスト。7月22日、有楽町のTokyo Innovation Base(TIB)にて10組のファイナリストとゲストスピーカーがその思いを語った。その中からドリームアワード、プロフェッショナルアワード、オーディエンスアワード受賞者に選ばれた、3人の女性起業家の姿勢に触れる。



Dream Award

自らの経験や感性を生かし、新たな社会課題を提起するビジネスアイデアに贈られる。

古井菜月/Natsuki Furui
TODOKE for Kids

外資系企業でアプリ開発のエンジニアとして働く古井菜月は、2024年の能登半島地震の時に旅先で被災。避難所で過ごす中で“支援物資のミスマッチ”に遭遇した。特に小さい子どもはおむつのサイズや食料など年齢に応じて求められる内容が異なり、供給が追いつかない。児童養護施設で働く妹からは常々、必要なものが必要とする人に届いていない実情を聞き、ジレンマを感じてもいた。そこで考えたのが、支援者がリアルタイムでニーズを把握し、必要な物資を届けられるシステム「トドケ フォー キッズ」だ。

「トドケ フォー キッズ」のデスクトップ版とスマートフォン版の画面。平時の繋がりが、災害発生時にはワンタップで黒い背景の非常時モードに切り替わる。施設ごとに必要な物資と量がリアルタイムでわかる仕組み。2027年に関西20施設での実証開始を目指している。

「このアプリの特徴は、支援者が平時から近隣の施設などをサポートすることで、災害発生時にもスムーズに物資を届けることができる点です。また、平時の受給先が、非常時には支援者に切り替わることも想定しています」

将来は自治体と連携し、正確な情報を発信することで、SNSにあふれがちなデマや誤情報を防ぐ仕組みを目指すという。収入源は企業の協賛や自治体からの補助金、支援者の寄付を想定。

「支援物資の需要を可視化することにより、企業にとって次のビジネスチャンスや施策にも繋がればと考えています」

支援先の子どもから古井のもとに届いたお礼の手紙とギフト。

BWAピッチコンテスト2029 アーカイブ動画 *古井菜月さんのピッチは01:18:40〜。

Business with Attitude(BWA)とは?

フィガロジャポンが大切にしている自分の感性や美学で何げない日常を楽しむ「アールドゥヴィーヴル」という価値観をもとに、日本の女性の働き方やライフスタイルをもっと多彩に豊かにしたいと、2021年から始まったプロジェクト。3つの活動を軸に展開。

⚫︎ BWA Award
「こうあるべき」に囚われない、自分らしい働き方、ライフスタイルを通して、社会に良いインパクトを与える女性を有識者審査員とフィガロジャポン編集部が表彰。2026年も、多彩なジャンルで活躍する女性たちのなかから次世代のロールモデルを選出し、27年1月号(26年11月20日発売)にて発表予定。

⚫︎ Seminar & Workshop
毎月1回開かれる定例オンラインセミナーでは、より良い明日を目指して多様な働き方を実践するロールモデルの活動や、豊かに働くためのティップを紹介。登壇者と視聴者がともに考え、学び合い、応援し合えるコミュニティの構築を目指す。フィガロワインクラブと連携したイベントも開催予定。

⚫︎ BWA Pitch Contest
2022年からスタートしたビジネスコンテストで、日常の課題にアプローチし、美しく豊かな暮らしと社会をもたらすビジネスアイデアを募集。事業規模ではなく、各人の起業の物語にフォーカス。受賞者のビジネスの発信をフィガロジャポンがサポート。25年には6組のファイナリストから3組が受賞。

  • photography: Aya Kawachi
  • makeup: Team Athlete Beauty
  • text: Junko Kubodera

*「フィガロジャポン」2026年10月号より抜粋