鳥獣被害対策×女性の貧血ケア、そして里山の環境保全にも貢献。【BWAピッチコンテスト2026受賞者インタビュー】

Society & Business

「思いを言葉に」をテーマにしたフィガロジャポンBWAピッチコンテスト。7月22日、有楽町のTokyo Innovation Base(TIB)にて10組のファイナリストとゲストスピーカーがその思いを語った。その中からドリームアワード、プロフェッショナルアワード、オーディエンスアワード受賞者に選ばれた、3人の女性起業家の姿勢に触れる。



Audience Award

会場観覧者とYouTube Live視聴者が応援したいビジネスを投票で選出。

森脇香奈江/Kanae Moriwaki
FeMEETS

かつては管理栄養士として勤務し、幼児から高齢者までの健康をサポートしていた森脇香奈江。出産を機に島根県に移住、地域おこし協力隊活動に参加した。そこで有害鳥獣とされるイノシシの狩猟と解体現場を目の当たりにし、自ら狩猟免許を取得。母イノシシのお腹から6匹の子どもが出てきた時は泣きながら解体したと言う。

イノシシの有害鳥獣捕獲後の検収作業を行う森脇。日々命と向き合い、命への感謝の環が広がる活動を続けている。

「管理栄養士として食の大切さを意識していたつもりでしたが、命をいただく現場を体験して、スイッチが入りました」

そこで自身を含め多くの女性が貧血傾向にあることに着目し、女性の鉄不足をイノシシ肉で補うフェミーツを立ち上げた。イノシシの肉を生かし切るために、さまざまなレシピも考案。

「毎月月経で失う鉄分を補うため、月に1回調理しやすい形でイノシシ肉を届けるサービスを提供しています。捨てられていた命を、女性の健康を支える資源として生まれ変わらせたい」

フェミーツは月に1回、特製ジビエミンチと栄養士監修のレシピ、貧血対策コラムのセットが届くサブスクリプションサービス。ピーマンの猪肉詰め(上左)やキーマカレーなど、普段の食卓に取り入れやすいレシピを提案。

事業を始めて4年。鳥獣被害を拡大させないため、里山の環境整備プロジェクトも立ち上げ、売り上げの一部を還元する予定だ。

「地域の問題はほかにもたくさんあります。“いまこの瞬間の困りごと”に、柔軟に対応していきたいのです」

BWAピッチコンテスト2029 アーカイブ動画 *森脇香奈江さんのピッチは01:36:30〜。

Business with Attitude(BWA)とは?

フィガロジャポンが大切にしている自分の感性や美学で何げない日常を楽しむ「アールドゥヴィーヴル」という価値観をもとに、日本の女性の働き方やライフスタイルをもっと多彩に豊かにしたいと、2021年から始まったプロジェクト。3つの活動を軸に展開。

⚫︎ BWA Award
「こうあるべき」に囚われない、自分らしい働き方、ライフスタイルを通して、社会に良いインパクトを与える女性を有識者審査員とフィガロジャポン編集部が表彰。2026年も、多彩なジャンルで活躍する女性たちのなかから次世代のロールモデルを選出し、27年1月号(26年11月20日発売)にて発表予定。

⚫︎ Seminar & Workshop
毎月1回開かれる定例オンラインセミナーでは、より良い明日を目指して多様な働き方を実践するロールモデルの活動や、豊かに働くためのティップを紹介。登壇者と視聴者がともに考え、学び合い、応援し合えるコミュニティの構築を目指す。フィガロワインクラブと連携したイベントも開催予定。

⚫︎ BWA Pitch Contest
2022年からスタートしたビジネスコンテストで、日常の課題にアプローチし、美しく豊かな暮らしと社会をもたらすビジネスアイデアを募集。事業規模ではなく、各人の起業の物語にフォーカス。受賞者のビジネスの発信をフィガロジャポンがサポート。25年には6組のファイナリストから3組が受賞。

  • photography: Aya Kawachi
  • makeup: Team Athlete Beauty
  • text: Junko Kubodera

*「フィガロジャポン」2026年10月号より抜粋