持続可能な世界への思いを、言葉に託して挑戦する女性たち。【BWAピッチコンテスト2026リポート】

Society & Business

5回目を迎えたフィガロジャポンBWAピッチコンテスト。7月22日、有楽町のTokyo Innovation Base(TIB)にて10組のファイナリストとゲストスピーカーがその思いを語った。


前列左から、ドリーム部門ファイナリストの宮原朱琳(diglo)、竹中弥来(ReFamily)、古井菜月(TODOKE for Kids)、プロフェッショナル部門ファイナリストの吉田優衣、吉田舞衣(KOROMO STUDIO)、森脇香奈江(FeMEETS)、𠮷原ステファニー(西本)。後列左から、フィガロデジタル編集長の五十嵐あき、BWA 事務局長の岸井千、審査員の工藤七子(SIIF 常務理事)、藤原加奈(フジワラテクノアート副社長)、川名麻耶(Spiber代表取締役CEO)、社内起業部門ゲストスピーカーの森田千里(エクスプローラ ジャーニー副社長)、社内起業部門ファイナリストの加藤結理子(千總文化研究所)、堀江優花(日本航空)、梶岡梨花(プーマ ジャパン)、小西好美(JR 東日本パーソネルサービス)、審査員の浜田敬子(ジャーナリスト)、阿座上陽平(ゼブラアンドカンパニー共同創業者)。

東京・有楽町のTIBを舞台に、白熱したプレゼンテーションが繰り広げられたBWAピッチコンテスト2026。コンテストの対象となるドリーム部門、プロフェッショナル部門各3組に加え、今年新設した社内起業部門4組と、ゲストスピーカーが登壇。キャリアも職種も異なる女性たちが熱い思いを5分間に込めた。

スタートを飾ったのは社内起業部門によるピッチだ。JR東日本パーソネルサービスの小西好美、プーマ ジャパンの梶岡梨花、日本航空の堀江優花、千總文化研究所の加藤結理子は、いずれも歴史ある企業の中で新基軸を打ち出したプロジェクトを、ゲストスピーカーのエクスプローラ ジャーニー森田千里は一歩進んだクルーズ旅の形を提案。既存の枠組みや世間の前提に向き合う姿勢がオーディエンスの関心を引いた。

続いては、社会や日常課題に対する問題意識と実現への意志を持つ、創業前から創業1年以内の女性を対象としたドリーム部門のピッチ。現役大学生の竹中弥来は亡き祖母の家の整理をきっかけに空き家と思い出の品に履歴書を付けて次の所有者へ繋げるビジネス、リファミリーを考案。外資系企業に勤める古井菜月は災害時と平時の双方向で子どもへ支援物資を届けるサービス、トドケ フォー キッズについて発表した。会社員と東京藝術大学大学院での経験を糧にディグロを立ち上げた宮原朱琳は、アーティスト向け資材循環プラットフォームによりモノとヒトの出合いの創出を目指す。

プロフェッショナル部門は、すでに事業を始め、社会との接点を持ちながら継続的に活動している女性が対象だ。島根県に移住した森脇香奈江は、有害鳥獣とされるイノシシを鉄不足に悩む女性のための食肉として活用するフェミーツを設立。老舗鋳造機械メーカーの3代目姉妹、吉田舞衣・優衣はコロモ スタジオを立ち上げ、職人技術の再生に取り組む。皮革製造の老舗、西本の𠮷原ステファニーは、規格外の革を小ロットで提供するサービスを展開。売り上げで子ども食堂を支援する。目の前で困っている人を助けることが、互いの笑顔と幸せに繋がる―それぞれがそんな原体験を持ち、社会課題に取り組む6組の挑戦者たちは、すべてのオーディエンスに勇気を与えた。

5 minutes Pitch

会場とオンラインの聴衆が見守る中、登壇者たちは自身のビジネスにかける思いを語った。
上左:ドリーム部門より、ディグロの宮原朱琳。 上中:社内起業部門のピッチに登壇したJR東日本パーソネルサービスの小西好美。 上右:プロフェッショナル部門より、西本の𠮷原ステファニー。彼女の作る革で製作されたポーチや財布も会場に展示。
上左:最年少の竹中弥来は、緊張しながらも朗らかにプレゼンし、会場は温かな雰囲気に包まれた。 上中:京友禅の老舗、千總ホールディングスより社内起業部門に出場した加藤結理子。 上右:第1回から審査員長を務めるジャーナリストの浜田敬子。
キャリアを生かした取り組みが注目された、社内起業部門ファイナリストたち。左から、加藤結理子、小西好美、梶岡梨花、森田千里(ゲストスピーカー)、堀江優花。

Special Session

併設のTIB SHOPを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの特別基調講演では、ViewBEの鈴木葉留奈ら起業家3名が登壇。
上左:登壇したTinhの内田聖菜はベトナム茶2種を来場者に提供し、「おいしい!」と好評。上右:同じく登壇者nonuの清水虹希による漢方発想の石けんを展示。来場者から多くの質問を受けていた。

Social Gathering

登壇者も応援者も、楽しく語らう交流会。

コンテスト後の交流会では、かつて登壇した先輩たちや、阿座上陽平(上左写真・中央)ら審査員も、再会を楽しみながら歓談。同窓会のような温かな雰囲気。ピッチでは語り尽くせなかった思いをファイナリスト同士で語り合ったり、先輩登壇者やオーディエンスと共有したりする場面も見られた。新たなコラボレーションのアイデアもあちこちで生まれたようだ。そうした化学反応もBWAピッチコンテストならでは。

Community

ピッチの先輩が、ファイナリストをサポート。

ファイナリストのメイクアップを担当したのは、BWAピッチコンテスト2023でオーディエンスアワードを受賞したチームアスリートビューティー。それぞれが自信を持ってピッチに臨めるよう背中を押した。

Special Thanks

女性たちの挑戦に寄り添う、企業からの協賛。

登壇者たちの内なる美しさを引き出したメイクアップアイテムは、カネボウが提供(上奥写真)。交流会でのドリンクはエノテカより、フレンチ・ブルーム「ル・ブラン」(左上写真・左)とバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド「ムートン・カデ・ロゼ・オーガニック・バイ・マチルド」(同右)が、アンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパンよりヒューガルデンゼロ(上右写真・左)とヒューガルデン ホワイト(同右)が提供された。


Business with Attitude(BWA)とは?

フィガロジャポンが大切にしている自分の感性や美学で何げない日常を楽しむ「アールドゥヴィーヴル」という価値観をもとに、日本の女性の働き方やライフスタイルをもっと多彩に豊かにしたいと、2021年から始まったプロジェクト。3つの活動を軸に展開。

⚫︎ BWA Award
「こうあるべき」に囚われない、自分らしい働き方、ライフスタイルを通して、社会に良いインパクトを与える女性を有識者審査員とフィガロジャポン編集部が表彰。2026年も、多彩なジャンルで活躍する女性たちのなかから次世代のロールモデルを選出し、27年1月号(26年11月20日発売)にて発表予定。

⚫︎ Seminar & Workshop
毎月1回開かれる定例オンラインセミナーでは、より良い明日を目指して多様な働き方を実践するロールモデルの活動や、豊かに働くためのティップを紹介。登壇者と視聴者がともに考え、学び合い、応援し合えるコミュニティの構築を目指す。フィガロワインクラブと連携したイベントも開催予定。

⚫︎ BWA Pitch Contest
2022年からスタートしたビジネスコンテストで、日常の課題にアプローチし、美しく豊かな暮らしと社会をもたらすビジネスアイデアを募集。事業規模ではなく、各人の起業の物語にフォーカス。受賞者のビジネスの発信をフィガロジャポンがサポート。25年には6組のファイナリストから3組が受賞。

  • photography: Aya Kawachi
  • makeup: Team Athlete Beauty
  • text: Junko Kubodera

*「フィガロジャポン」2026年10月号より抜粋