いぬパリ、被災地を訪ねる。

Lifestyle
こんにちは、吉田パンダです。


震災から二ヶ月が過ぎました。僕は東京で生まれましたが、小学生の頃から高校生まで東北で育ちました。自分が育った土地が受けた津波の被害を、フランスに帰る前にこの目で見ておきたい、また少しでも何か力になりたいという思いが混ざり合いながら、5月初旬に岩手県大槌町の避難所へ、物資を持って知人と共に訪ねました。

まさに桃源郷のような遠野の風景を境に、トンネルをひとつ抜けると、目の前には突然今までとは全く違った光景が広がっていました。















僕らが訪ねたのは岩手県大槌町にある避難所です。60畳程のところに現在は40人くらいの方が避難生活をされています。


リクエストされた女性ものの鞄を選ぶ避難所の方達。「これ似合うかしら」とまるでバーゲン会場のような賑わいです。義援金ももちろん大切ですが、直接喜んでもらえるのはここまで来た僕らには、何より嬉しいことでした。

今回お世話になりました、花巻から毎週大槌町へボランティアとして通っている岡部さんのツイッターアカウントはこちら。物資募集などにどうぞご協力下さい。
http://twitter.com/#!/guriyo


仙台に戻ってから妹にも、一度被災地へ足を運んだ方がいいと言うと、「なぜ行く必要があるのか」「被災地へ行って何が変わるのか」と逆に質問されました。

その質問にはうまく答えられませんが、311以降、僕は自分の中で何かが確実に変わってしまいました。それは普段隣にあるのに意識しなかった「死」を改めて見せつけられたからなのか、何気ない日常が自分が思っているよりもずっと危うい基盤の上に成り立っていることを意識させられたからなのか、自分でもはっきりとはわかっていません。

ただ、地震・津波を通して「今自分がしていること、これまでしてきたことは何なのか」を改めて考えるようになりました。さらには原発事故を通して「僕らが何気なく享受してきた”豊かさ”がどこから来ているのか。そのために誰が犠牲になっているのか」も考えていますが、それはまた別の話。

いずれにしろ、写真を撮ることも、文章を書くこともひとつの表現です。それは自分が生きている時代や出来事と切り離して考えることはできません。だから被災地を訪ねることは「何かが変わってしまった」出来事と直接触れ合う経験であり、僕にとっては意味のあることでした。そして「表現」という言葉を「生き方」まで広げるなら、被災地への配慮はもちろんですが、やはり誰もが一度は現地を見てほしいと思います。

現地に来れば当然どこかで泊まって食事をして、それは復興の一助ともなるでしょう。というわけで(←おや?)、帰り道に訪ねたちょっと素敵なカフェのご紹介。


Mizusaki Note
http://mizusaki-note.seesaa.net/
木と手の温もりを大事につくる「家具工房」併設のカフェ。


ご夫婦の人柄そのままな、ほのぼの空間です。
お菓子は奥さん、家具は旦那さんの手作り。


岩手旅行の際にはぜひ立ち寄ってみて下さい。
ほっとひと息つける場所ですよー。



さて、来週のいぬパリは初心に還り(?)あづきとピクニック編。
「あの、わちはそんな大きなパンは食べられませんよ」

どうぞお楽しみに。


写真家。長年住んだパリを離れ、現在フランスはノルマンディー地方にて、犬猫ハリネズミと暮らしている。庭づくりは挫折中。木漏れ日とワインが好きで夢想家、趣味はピアノ。著書に『いぬパリ』(CCCメディアハウス刊)がある。instagramは@taisukeyoshida

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/series/panda-yoshida/post-50.html