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【黒木華のDIOR探訪 Vol.2】自然や素材の関係性を再構築するwe+の什器に触れる。

Fashion

東京・代官山に出現した「ディオール バンブー パビリオン」は、多くの日本のクリエイターが関わりディオールのコードと和の美意識を穏やかに共鳴させている、ディオールのコンセプトストアだ。

メゾンとの3年越しの対話を通して、廃材や自然物を彫刻的な家具やうつわへと転生させたのは、デザインスタジオwe+。俳優の黒木華がストアを巡り、ものづくりの最先端に触れた。

we+の作品はストア内のいくつかの場所に配置されている。メンズ ルーム入口ではテーブルとその上に置かれた銀色の花器がお出迎え。窓際には「SO-Colored」のベンチが控える。トップ¥520,000(参考価格)、スカート¥540,000、シューズ¥230,000(参考色)/以上ディオール(クリスチャン ディオール)

「ディオールは美的価値を崇高に扱っているメゾンだと感じていたので、出来上がった空間を見た時には心から感動しました。あそこまで作り込んだ場所はなかなかないですから」と、コンテンポラリーデザインスタジオ、we+の林登志也は話す。

林と安藤北斗が2013年に設立し、自然や社会環境との新たな関係性を探究し続けているwe+は、東京・代官山のディオール バンブー パビリオンに3つの作品群を持ち込んだ。魚市場などからの発泡スチロール廃材を溶解し、再成形したスツールとテーブル。微細藻類を天然樹脂に配合し、タイルへと変貌させた「SO-Colored」のベンチ。そして、富山県高岡市の鋳物職人との協働により誕生し、鋳造の過程を生かした鉄棒の花器。廃材と自然物が、彫刻的な家具やうつわへ姿を変えた。

東京の下町にスタジオを構えるwe+の安藤北斗(右)と林登志也(左)は実験的な素材使いと循環型デザインを追求する。

「僕らの考え方や制作物に興味を持ってくれて、自然に話が進んでいきました。そのアプローチは作り手側としてとてもありがたいものでした」と安藤。ディオールとの対話は3年前に始まった。スタジオ訪問をきっかけにカジュアルな実験の話が続き、流れるようにバンブー パビリオンの構想へ。

「ワクワクしながら進められました。自分たちの作品がストアに置かれたのを見た時は、いいところに嫁入りできたね、と話してました(笑)」と、林は振り返る。

天然由来の樹脂と海藻パウダーを混ぜて作ったタイル(下)は、微細藻類のブルーのパウダー(中央)を元にしている。柔らかい発泡スチロールから作った塊を流し込み、天板の形へと整形していく(上)。皺やブロック毎の形は意図せず自然に任せて出来上がったもの。©RUI YOSHIZAWA

質感も造形もまったく異なる3つの作品群に触れ、黒木華は「廃材や藻といった自然界のものを生かし、ここまでの表現ができることに驚きました。リサイクルや循環はとても大切なことで、それぞれにサプライズがあります。どう作られているのか、ものづくりをもっと知りたくなります」と語る。

「ディオールのようなビッグメゾンのプロジェクトに僕らみたいな人間が参加させていただけるのは新しいこと。時代の変わり目のような感覚も、すごく感じます」と林。対話を重ねるなかで、ディオールがwe+自身も気付いていなかった作品の魅力や見せ方を引き出してくれたとも。

魚市場などで使用済みの発泡スチロール箱を熱で溶かし、圧縮して再形成した家具。

作品群を振り返り、安藤は「パッと見は不思議な素材。陶器でもない、なんだろうこれは?というところから興味を持ってくれたらうれしいです。そして気になったなら、ディオールのスタッフの方々がその背景を説明してくれるので、ぜひ聞いてみてください。視覚や触感だけでないもう少し先の理解へと繋がっていくと思います」と言う。廃材を再生する技術、受け継がれる職人の高い技、素材と真摯に向き合い続けるデザイナーの視点。日本らしい、その重なりがディオールとwe+の対話をより豊かにした。

we+
2013年設立。林登志也と安藤北斗によるコンテンポラリーデザインスタジオ。素材の実験やフィールドワークを軸に、廃材や自然素材を用いた作品制作や空間演出など幅広く活動中。

Haru Kuroki
1990年生まれ、大阪府出身。舞台でキャリアを重ね、映画『小さいおうち』でベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞。カンテレ・フジテレビ系で放送中のドラマ「銀河の一票」に出演中。今夏、初の著書となる『はるの献立日記』(飛鳥新社)を刊行。7月には主演舞台「NORA」(会場:東京芸術劇場 プレイハウス)の公演を控えている。「さまざまな素材や循環することを作品に自然に取り入れていることに意義を感じます」

問い合わせ先

クリスチャン ディオール
0120-02-1947(フリーダイヤル)
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