「熱烈に愛し合っていたのに」シヴォン・ジリスがイーロン・マスクとの破局を発表。
ニューラリンクの幹部で、世界一の富豪であるイーロン・マスクとの間に4人の子どもを持つ女性が、10月2日、Xで、イーロン・マスクから突然別れを告げられたと明らかにした。その証拠として、ふたりが最後に交わしたショートメッセージのスクリーンショットを公開した。

シヴォン・ジリスがすべてを語ることを選んだのは、いまや元恋人となった相手が運営するSNS、X上でのことだった。10月2日(金)、イーロン・マスクが手がける脳に埋め込まれるブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を開発するの最高執行責任者(COO)である彼女は、投稿した文章の中で、史上初の1兆ドル長者となった男性がふたりの関係に終止符を打ったと明らかにした。「熱烈な恋に落ちていた状態から、わずか1週間で、何の前触れもなく別れに至るのはつらい。でも、ときにはそういうこともある」と、テスラとスペースXのトップとの間に4人の子どもを持つ40歳のカナダ人女性は記している。4人の子どもはいずれも体外受精によって授かったという。
普段はあまり公の場で発言しないシヴォン・ジリスが、今回は自ら声を上げた。恨みを晴らすためではない。テック業界の経営者たちのX上での活動を監視する自動アカウント「Big Tech Alert」が伝えたスクープに応えるためだった。その日の早朝、このアカウントはある事実に気づいた。イーロン・マスクが、恋人だったジリスをX上でフォローしなくなっていたのだ。これが憶測を呼ぶことになった。
「彼の心の安らぎの場」
別れの理由について、シヴォン・ジリスは何も語っていない。非難の言葉はひと言もない。むしろ彼女がつづったのは、しばしば苦悩を抱えている彼への別れの手紙だった。「イーロンに、深く理解され、大切にされ、穏やかな愛に包まれることの素晴らしさを知ってもらえたことを、私はうれしく思います。平穏と安定、優しさに満ちた愛がどんなものなのかを、彼に伝えられたことを幸せに思っています」と彼女は記している。「波乱に満ちた幼少期を過ごし、しばしば苦悩を抱える彼の心、そして人類のために身を削るように戦い続ける彼を見て、私は、この世界で得られる最も深く、最も揺るぎない愛を彼に知ってほしいと思っていました。」
ふたりの間に生まれた子どもたちは彼にとっての心のよりどころだったと、彼女は語っている。「私たちはいつも、彼にとって安らぎの場でした。」「そこは、私たちみんなが彼に会えることを心から喜び、いつも幸せと愛に満ちあふれていた場所です。過去に彼が戦場の最前線で過ごしてきた人生とは対照的に、争いは一切ありませんでした。(中略)そして、彼がどん底にいるときに、もう一度笑顔を取り戻してあげられることが、私はうれしかったのです。」シヴォン・ジリスは感傷をにじませながら、こう続けた。「彼がいなくなったら、私はひどく寂しくなるでしょう。」
残されたのは、子どもたちだ。2021年生まれの双子、ストライダーとアズール、そして2024年生まれのアルカディアと、2025年生まれのセルドン・リュクルゴスである。「多くのものを失ったけれど、幸いなことに、私の人生における4人の素晴らしい小さな愛しい子どもたちを一緒に授かりました」と、シヴォン・ジリスは続ける。彼女は、「ふたりがこれからもとても良い友人であり、良き共同養育者でいられることを願い、祈っている」と語っている。そして最後にこう結んだ。「私は傷ついています。でも、E.(イーロン)は私にとって本当に大切な存在であり、これからも彼の幸せを願っています。イーロン、これからの人生が幸多きものでありますように。あなたをこの世界が迎えられたことは、世界にとって幸運なことです。」
8日前には「愛してる」と伝え合っていた
シヴォン・ジリスはこのメッセージに、最近交わしたやり取りのスクリーンショットを添えた。ショートメッセージの日付は9月24日で、そこには別れを予感させるものは何もない。「あなたと一緒に朝食を食べられて、本当に嬉しかった。愛してる」とシヴォン・ジリスが送る。「僕も愛してる」と、イーロン・マスクが返している。その日の夜、彼は中国の習近平国家主席を歓迎するためホワイトハウスで開かれた晩餐会に出席し、こう付け加えている。「習主席とのこの晩餐会に、配偶者も招待されているとは知らなかった(北京で開かれた晩餐会では、配偶者は招待されていなかった)。知っていたら、君を招待したのに。」「まあ、それは本当にうれしい。ありがとう」と、彼女は感激した様子で返信している。
It’s hard to go from in love to let go in a week with no warning, but that’s just how it is sometimes 🤷🏻♀️ I feel happy that I got to show Elon how it feels to be deeply understood, nurtured, and peacefully loved with stability and gentleness. Given the tumultuous nature of his early life, his often tortured soul, and how hard he fights for humanity I wanted him to feel the deepest and most stable form of love this world can provide. My heart is full knowing I got to do that, and I hope it leaves a lasting good effect. We were always his safe space. A place where all of us were overjoyed to see him and one that was always full of happiness and love, not war, in contrast to his otherwise militant existence (a needed break from the battlefield where he could recharge his heart and soul before heading back out) I loved being that counterbalancing place of safety, sense of calm, and love — and delighted in bringing a smile back to his face when he was down. I will miss him dearly. I’ve loved him more than life itself and he’s taught me 100 lifetimes of knowledge and made my cup overflow with life meaning, so there is a lot of loss, but luckily we created four beautiful little loves of my life ❤️❤️❤️❤️ I am so beyond grateful for our children and they make every single day the best day of my life! I do hope and pray he and I can be great friends and coparents. I’m hurting, but care deeply about E and will always be cheering for his happiness. God speed, Elon, the world is lucky to have you.
— Shivon Zilis (@shivon) October 2, 2026
X上では、シヴォン・ジリスの投稿をめぐって意見が分かれている。彼女の品位ある対応を称賛する人がいる一方で、プライベートなやり取りを公にしたことを批判する人もいる。「なぜイーロンの元恋人たちは、彼自身のSNSで別れを公表するのか、私にはどうしても理解できない。ふたりだけの問題でしょう」と、ある女性ユーザーは苛立ちをあらわにしている。イーロン・マスクがジリスと同じようにフォローを外した、MetaのAI部門トップ、アレクサンドル・ワンは、一方で簡潔に「同じ経験をしたよ」と投稿した。米国の報道機関からコメントを求められたものの、億万長者のマスクもニューラリンクも、金曜日の時点では反応を示していない。
OpenAIの内通者?
イェール大学を卒業し、人工知能(AI)の専門家でもあるシヴォン・ジリスは、この10年間、億万長者イーロン・マスクの周辺で活動してきた。2016年にはOpenAIの顧問に就任し、2017年から2019年まではテスラに移籍。その後、2020年から2023年までOpenAIの取締役を務めた。イーロン・マスクが立ち上げたAI企業で、OpenAIの競合となるSpaceXAIの設立後、彼女はOpenAIの取締役を退いた。ここ数カ月の間も、ドナルド・トランプ大統領のパームビーチの邸宅、マール・ア・ラーゴまで、彼女がイーロン・マスクに寄り添う姿が目撃されていた。
5月、OpenAIのCEO、サム・アルトマンを相手取り、イーロン・マスクがオークランドの連邦裁判所に起こした訴訟で、ジリスが果たしていた役割が明らかになった。証言の数日前、マスクは彼女をどう表現するか迷っていた。「首席補佐官」「親しい顧問」と次々に言葉を変え、最終的には「私たちは一緒に暮らしていて、彼女は私の4人の子どもの母親だ」と説明したのである。一方、ジリスは宣誓証言の中で、マスクについてはむしろ頻繁に訪れる客のような存在だったと説明している。カナダ出身の彼女は、子どもたちの父親が誰なのかを長い間秘密にしていた。しかし、「ビジネスインサイダー」の記者から連絡を受け、まもなくその情報を報じる予定だと告げられたことで、秘密を守り続けることはできなくなった。
彼女が昨年5月の法廷で説明を求められたのは、まさにその「曖昧な役割」についてだった。OpenAI側の弁護士は、イーロン・マスクが取締役会を去るわずか数日前、2018年2月16日に彼女が送ったショートメッセージを提示した。そこにはこう記されていた。「情報の流れを確保するために、私がOpenAIと親密で友好的な関係を保つほうがいい?それとも、距離を置き始めたほうがいい?」これに対し、イーロン・マスクはこう返信している。「親密で友好的な関係でいてほしい。ただし、OpenAIから3、4人をテスラに引き抜くように積極的に動くつもりだ。」2018年4月には、彼女は上司でありパートナーでもあるマスクに、こう書き送っている。「もし私にOpenAIの監視にもっと時間を割いてほしいなら、知らせて。」さらに興味深いのは、彼女がサム・アルトマンに対し、イーロン・マスクとのやり取りについて助言もしていたことだ。2022年10月、OpenAIのトップであるアルトマンは、マスクから届いた激しい怒りのこもったメッセージを彼女に転送した。すると彼女は、「すぐには返信しないで」と助言した。OpenAI側の弁護団が導き出した結論は明快だった。ジリスを通じて、イーロン・マスクはOpenAIの内部事情をすべて把握していたというのである。
From madameFIGARO.fr
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
- text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr)
- translation: Hanae Yamaguchi