ディオール カプチュールを支える、スキンケアサイエンスの最新研究。

スキンケア研究のエキスパートたちが語る。

ディオールは、2023年に世界中から長寿研究の専門家18名を集め、ディオール リバース エイジング ボードを設立。化粧品業界で初めてリバースエイジング（生物学的年齢は巻き戻すことができるという理論）に取り組み、若々しい肌と加齢肌の違いを、細胞の奥の分子レベルで見つめてきた。今回、新たに解明されたこととは──。

クヌート・ウォルチェン
京都大学iPS細胞研究所准教授。生化学・分子生物学の専門家。哺乳類幹細胞とゲノム編集において、研究歴は20年以上。遺伝性疾患の変異修復を行う新規技術の開発にも取り組む。ボートメンバーのひとり。

ヴィットリオ・セバスティアーノ
スタンフォード大学産婦人科准教授。細胞の初期化（リプログラミング）という新興分野における第一人者。幹細胞、分子生物学、ゲノム研究、細胞培養、免疫組織化学の専門家。ボードメンバーのひとり。

マリー・ヴィドー
LVMHグループ ビューティー部門 リサーチ＆イノベーションディレクター。パリ農業工科大学で工学修士号、HECで生物学博士号、MBAを取得。2025年より現職。

Q. 幹細胞を研究する中で、酸素運搬力に注目した理由は？

クヌート・ウォルチェン
「年齢を重ねると、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアの機能が低下。それにより、他のエイジングマーカーにも影響を及ぼしますが、幹細胞の呼吸能力が40％減少することでエネルギーが失われ、幹細胞のATP合成も約半分に減ることがわかりました。酸素運搬の管理は、酸化ストレスの低減＝リバースエイジングの鍵。我々は幹細胞のミトコンドリア機能と呼吸能を改善するために、OX-Cトリートメントを開発しました」

ヴィットリオ・セバスティアーノ
「適切な酸素運搬は、細胞の代謝にも重要です」

Q. OX-Cトリートメントにより、肌内部で具体的にどのような変化が？

クヌート・ウォルチェン
「OX-Cトリートメントで酸素運搬量は56％増加。幹細胞のミトコンドリア数が増加し、呼吸能も改善」

ヴィットリオ・セバスティアーノ
「表皮再生力を改善し、質も向上」

マリー・ヴィドー
「線維芽細胞を42％増幅。さらに注目は、老化細胞を除去する機能を持つNK細胞への優れた効果です。NK細胞が84％活性化したことで、老化した線維芽細胞が減少し、その結果、コラーゲンの産生も促す好循環が」

Q. 逆に酸素量が増えすぎると、活性酸素を増やすリスクがあるのでは？

ヴィットリオ・セバスティアーノ
「最適なバランスがあります。細胞によって必要な酸素量も変わります。OX-Cトリートメントが素晴らしいのは、酸素を無限に運搬するわけではなく、最適な量だけをコントロールできること」

Q. OX-Cトリートメントはどんな人により効果的？

マリー・ヴィドー
「OX-Cトリートメントは年齢を重ねた肌に優位な結果をもたらします。40もの表皮再生に関わるマーカーを活性化しました」

ヴィットリオ・セバスティアーノ
「加齢で衰えた機能を修復するので、若い細胞よりは不完全な細胞のほうが効果がわかりやすいでしょう」

クヌート・ウォルチェン
「不可逆と思われていた細胞の老化が可逆的に。適切な刺激を加えることで、リバースエイジングは可能なのです」

Q. 肌からのアプローチで全身の若返りも可能になる？

マリー・ヴィドー
「細胞レベルで考えれば、皮膚も全身も同じ仕組みで動いています。トータルで考えることが大事だし、健康な皮膚に若返らせるアプローチはゲームチェンジャーになるのでは？」

ヴィットリオ・セバスティアーノ
「肌は環境に対するバリアになり、病原体の侵入を阻止して体の免疫を高めることができます。老化して皮膚が薄くなりバリア機能が低下すると、免疫も低下。全身の健康を肌から考える、というのは理にかなっています」

肌本来のコラーゲンを増やす、コラーゲンフラグメントとは？

パトリシア・オジルヴィ
皮膚科医。スキン・コンセプト・ミュンヘン創設者。生化学、免疫学、臨床皮膚科、美容医学の分野で70以上の科学論文を執筆。老化と長寿の研究を行う多様なコミュニティを共同創設。ボードメンバーのひとり。

ヴィルジニー・クトゥロー
パルファン・クリスチャン・ディオール サイエンティフィック コミュニケーション ディレクター。パリ第11大学にて皮膚生物学および化粧品科学を専攻。1994年に薬学博士号を取得。2021年より現職。

三谷謙太
LVMHリサーチ アジア イノベーション センター 東京 シニアエンジニア・スキンケア。九州大学卒業。化学修士、化学学士を取得。処方の新規技術創出や安定化技術開発のエキスパート。2019年より現職。

Q. 目元のコラーゲンが減少しやすい理由は？

パトリシア・オジルヴィ
「そもそも目元は真皮層も薄くコラーゲンの貯蓄量が少ないこと。そして筋肉や脂肪層など皮下組織も薄く皮膚にダイレクトにダメージが起きやすいこと。さらに、絶えずまぶたを開けたり閉じたりという筋肉運動がありストレスにさらされ続けていること。目周りの4種のコラーゲンは、顔のどこの部位より早く25歳頃から減少します。アジア人の場合、まぶたのたるみとなって現れやすい傾向があります」

Q. コラーゲンは分子量が大きいので、肌に塗っても浸透しにくいのでは？

パトリシア・オジルヴィ
「その通りです。私たちの目的は、外から与えて補填するのではなく、肌内部にもともと存在するコラーゲンを増やすこと。次世代コラーゲンフラグメントは、従来のコラーゲンの27分の1という極小サイズで深部に届きます。しかもヒト型コラーゲンと100％同一の配列なので、線維芽細胞自体がそれを認識し同化するのです」

ヴィルジニー・クトゥロー
「さらに、OX-Cトリートメントとの相乗効果で幹細胞をサポートし、垂直ピラーコラーゲンのⅠ型、Ⅲ型を最大215％、水平アンカリングコラーゲンであるⅣ型、Ⅶ型を最大200％を活性化します」

三谷謙太
「ディオールは、最先端の皮膚科学とバイオテクノロジーを駆使し、効かせるための処方技術も高いレベルを保っています。有用成分をターゲットに的確に届け、しかも長時間持続するよう設計。一方で、確かな効果を届けるだけじゃなく、動物由来の成分を使わず、安全性に対しても世界で一番厳しい基準を設定し、刺激なく安心して使えることも重視しています」

Q. スピーディな効果実感も進化ポイントでしょうか。

ヴィルジニー・クトゥロー
「黄金比率の天然のポリマーで、使った瞬間から保湿とハリを実感。酸素運搬による内側からの変化の結果も素晴らしく、7日でなめらかさは2倍、弾力感は4倍に。目元の酸素量が増えることで疲労回復ネットワークも改善し、シワやクマ、むくみもケアします。このために開発されたアプリケーターにも注目してください。眉骨下の筋肉をマッサージするように使うと効果的です」