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"アンタッチャブルなプリンセス"ことキャサリン皇太子妃、41歳に。
Culture 2023.01.11
1月9日、キャサリン皇太子妃は41歳の誕生日を迎えた。すでに王妃の風格さえ漂わせ、学校時代のおとなしい少女の面影はもうない。さなぎが脱皮するように、いまや堂々たるスタイルアイコンだ。
全英オープンテニス決勝戦会場でのキャサリン皇太子妃。（2021年7月11日） photography: Getty Images
1月10日に出版されたハリー王子の回顧録『The Spare（スペア）』がいくら王室批判を繰りかえしてもキャサリン皇太子妃はひるまず、イギリス王室のモットー、「不平を言わず、説明せず」を忠実に守っている。いまやキャサリン皇太子妃は王位継承者の妻として、イギリス王室の中で確たる地位を築いた。
2021年12月末、キャサリン皇太子妃はキャンドルにぼんやりと照らされたなか、ピアノの鍵盤を弾きながら登場し、観客を驚かせた。イギリスのITV局で中継されたウェストミンスター寺院でのクリスマスコンサート「Together at Christmas」で皇太子妃は曲「For Those Who Can't Be Here」の伴奏者を務めた。
「これ以上完璧な存在があるものだろうか」とはあるネットユーザーの感想だ。1月9日に41歳の誕生日を迎えたキャサリン皇太子妃はすでに王妃の風格をただよわせている。シャイだった少女は今日、スポットライトを恐れなくなった。
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深まる自信
皇太子妃はもともと内向的な性格だったものの、少しずつ内気さを克服していった。2022年1月の「ハロー」誌に彼女と親しい人が語っている通り、「きっと本人も思っているだろうけれど、もともとは表舞台に立つ性格じゃない」そうだ。友人からは控えめで気くばり上手と言われている。ウィリアム皇太子と結婚するまで自分からそのような立場になることを望んだことはない。
しかしながらふたりが結婚して12年が経ち、キャサリン皇太子妃も堂々とふるまうようになった。時には引っ込み思案な性格が顔を出し、「海外の首脳陣と親しくするのはまだ緊張するらしい」とは友人のひとりの談だが、皇太子妃は徐々に自信を深めており、将来の役割もうまくこなせるだろう。
チャールズ国王の息子に嫁いだいまは人前に出たり、自分で書いた原稿でスピーチをするのにも慣れた。2019年、ノーフォークの子どもホスピスの開所式でのスピーチは同施設の広報担当者から絶賛された。2022年10月には、反薬物使用キャンペーンで、依存症について力強く訴えた。
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異例の行動
「誰も依存症になろうと思っていません」とキャサリン皇太子妃は語りかけた。母方の叔父もかつて薬物依存症だったため、言葉に熱がこもる。「ですがそれは誰にでも起こりうることです。誰にも免疫はないのです......」。2021年3月、キャサリン皇太子妃はフェミニズム運動にもコミットする。
警察官にレイプされ、殺された若いイギリス人女性、サラ・エヴァラードの追悼集会を突然訪れたのだ。警察は集会への対応を拒否していた。被害者の遺族に皇太子妃は手紙を渡し、そのなかで「深い哀悼の意」を示すとともに、「若い頃、ひとりでロンドンの街を歩いていた時の気持ち」を覚えているとつづった。ロイヤルファミリーの一員としては異例の行動だった。
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パワフルな母
行動力の源はどこにあるのだろう。皇太子妃と近しい人によれば、ジョージ王子（9歳）、シャーロット王女（7歳）、ルイ王子（4歳）のおかあさんであるキャサリン皇太子妃はなによりもまず、ちゃんとした親でありたいという思いが強い。それがうまくいっているからこそ、公人としての役割にも目が向くのだろう。
歴史家のロバート・レイシーによると、ウィリアム皇太子夫妻は、「3人の子どもにはそれぞれ異なる運命が待ち受けている」ことをはっきり意識しているという。つまり、長男は国王になるが、残りの子どもたちは王子と王女のままということだ。それでも子どもたちには普通の暮らしをさせたいと考えている。
「ウィリアムとケイトは王室で子育てをするにあたり、ウィリアムとハリーが味わえなかった、平和な子ども時代を叶えるために奮闘しています」とロバート・レイシーは言う。現在のランブルック・スクールに移る前、上の子どもたちが通っていたトーマス・バタシー校にも積極的に関わり、（ほとんど）毎朝自ら子どもたちを学校へ連れていった。
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「メグジット」の戦い
弟のサセックス公爵ことハリー王子夫妻の日常とは全くの別世界だ。ハリー王子とメーガン夫人は2020年1月8日に王室離脱を発表し、その後米国へ移住した。2021年3月にオプラ・ウィンフリーのテレビ番組に出演、王室批判をおこなった。とりわけメーガン夫人は、2018年の結婚式直前にキャサリン皇太子妃に泣かされた話を披露した。
キャサリン皇太子妃は沈黙を守ることを選び、その後も特別な機会にサセックス公爵夫妻に贈り物をし、夫とハリー王子の和解に心を砕いた。2021年4月17日のフィリップ王配の葬儀の際には、兄弟再会に重要な役割を果たした。礼拝の後、彼女はハリー王子のところに赴いて歓迎の意を表するとウィリアム皇太子に声をかけ、ふたりが話すように促した。もっともその後の兄弟のやりとりは友好的とはいえなかったが。
並行してキャサリン皇太子妃はサセックス公爵夫妻が去った後の王室の公務を引き受け、エリザベス女王を支えた。こうしてイギリス国民の心を勝ち得たのだ。2021年10月、「デイリー・メール」紙による世論調査で、メーガン夫人に好感を抱く人は22％、一方キャサリン皇太子妃は53％だ。メーガン夫人がどんな発言をしようと、キャサリン皇太子妃の人気は衰えない。Netflixドキュメンタリー「ハリー＆メーガン」や、ハリー王子のITVやCBSのテレビインタビュー出演がマスコミを賑わしても、キャサリン皇太子妃が公の場で反論することはなく、こうした態度もイギリスのマスコミに好意的に見られている。
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スタイルアイコン
こうした姿勢に加えてそのファッションセンスはイギリスをはじめとして世界中が賞賛するところだ。皇太子妃のシンプルでエレガントな格好を手頃な値段で真似するインスタグラムアカウントは数多ある。2021年12月末にはスウェーデンのマデレーン王女が、皇太子妃の2018年のクリスマスの服からアイデアを拝借した。なお、「デイリー・メール」紙によれば、キャサリン皇太子妃はワードローブ費を半減させたそうだ。
同じ服が何度も登場する一方で、時には最高に華やかな服で魅了することもある。たとえば『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』のプレミア上映会にはジェニー・パッカムの太陽のような色合いのドレスで人々の目を奪った。41歳の皇太子妃はいま、最高に輝いている。
text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)
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