インド占星術ジョーティッシュで読み解く、2024年下半期の世相。

Culture 2024.07.27

発祥の地や占い方が違えば、やはり結果も違う? そんな素朴な疑問から、世界各国の歴史ある占いで、下半期の日本や世界の情勢をみてもらった。今回はジョーティルマヤ アラキによる、インド発祥のジョーティッシュ(インド占星術)編。


Jyotish [ ジョーティッシュ ]

発祥地・国 :インド

インド占星術(ジョーティッシュ)は、5000年以上前から伝承されてきた「光の知識」を意味する。「神の目」とも呼ばれ、悟りへと導くために神から与えられた光の叡智とされている。現代でもインドでは、結婚やビジネスなどの重大な決断から日常的な行動にいたるまで、インド占星術師を頼ることが多々ある。人や国の誕生時の日付・時刻・場所から出生図を割り出し、その時の太陽・月・惑星・星座の位置や角度から起こり得る出来事などを読み解く。

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日本は2023年5月2日から24年7月2日まで特に金星の影響を受けます。これはとても良い状態を表します。日本の場合、金星は特に4ハウスに関する土地・国土や乗り物などにポジティブな影響を与えるので、観光・旅行に関係のあるインバウンド方面やエンターテインメント、乗り物関連が引き続き好調です。一方で、土地に関する災害ーー地震や水害を表す水星も同室にいるので、しばらく注意が必要。また24年7月2日から11月6日までは権力、権威、リーダー、政府、成長などを意味する太陽の時期に入るので、この期間は太陽が日本にとってポジティブな影響を与えます。世界でもリーダー的な役割を果たしたり、日本らしさが発揮されるでしょう。また、評価が高まることも予想されます。たとえば25年まで同じく金星の恩恵を受けていて娯楽や観光が好調な中国で、日本の映画やエンターテインメントの人気が高まるなどエンタメ分野の文化交流が、これからの経済、関係を支え合う要となるでしょう。11月6日以降は外交で日本の孤立感や陰りが出てくるかもしれません。また、24年6月30日から11月15日までは土星が不安定さを表す逆行となるので、特に日本では、メディア・デジタル通信・AIなどの分野において不安定な状況が起こりそうです。

23年1月17日から25年3月29日まで土星が水瓶座に滞在していることから、水瓶座の特性である"自分らしさ"や"個性"が引き続き鍵になります。土星の元素は風で、水瓶座の元素も風。人々が自分の個性をより発揮したいと思うようになると同時に、ラフー(影の惑星)がしばらく魚座に在住しているため、自分が信じることに純粋に、献身的になりやすい傾向があり、その極端にネガティブな影響が戦争や紛争にも表れます。その傾向は25年5月頃まで続きそう。

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また、世界全体の傾向として、あらゆる物事が分散化していきます。通貨、エネルギー、政治権力など、どれをとっても中央集権型から非中央集権型へ移行する流れにあるので、たとえば世界でドルの力が弱まる可能性も考えられます。この分散化というのは、言い換えれば、ひとりひとりの個性や自分らしさを大事にする時代に入っていることを意味します。コロナ禍からすでにその兆候はありましたが、土星が水瓶座に滞在することで、通信やテクノロジーの発展スピードが加速する結果、個人が発信しやすい、活躍しやすいプラットフォームが整い、小さな商いでも世界を相手にビジネスを広げられるといった流れがますます増えていくでしょう。他人の目を気にせず自分らしさを大事にする一方で、他者を尊重することも大事になります。

また、変化の目まぐるしい時代は、思考も忙しくなります。気持ちが滅入るネガティブなニュースや話題から距離を置く、情報を適切に扱える能力・情報リテラシーを身につけるなど、情報から距離を置いて脳や目を休ませることも必要。アイデンティティをしっかりと持ち、自分自身に与えられた使命や個性の生かし方を見つけ、集中できる環境を整えていくこと。周りに振り回されない生き方を身につけること、私たちの中心にある純粋な魂に意識が向かうように、生活の中に瞑想や内面と向き合う時間を作ることをジョーティッシュではおすすめしています。

"自分らしく、あるがままを生きる"のは、簡単なようで難しいテーマですが、自分を知り、宇宙のフローに乗って自然体で生きるのが、変化の激しい時代の波を乗り切るためのジョーティッシュの教えなのです。

変化の激しい時代を乗り切る秘訣
●羨望を止める。自分と他者を比べない。
●内面を見つめ、純粋な意識と繋がる。
●損得抜きで付き合える仲間との時間を持つ。
●自分自身の性質をよく知り、生かす。

ジョーティルマヤ アラキ
Jyotirmaya Araki
自身が会社員時代に感じたストレスから人生に迷い、悩みを抱えていた時に、ヴェーダを護り受け継ぐパンディット家系・ヒンドゥー神官に出会い、インド占星術家でもある師よりジョーティッシュを学ぶ。オンラインにて鑑定やインド占星術講座も行う。 
https://jyotirmaya.jp

*「フィガロジャポン」2024年8月号より抜粋
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text: Natsuko Kadokura  illustration: Kaho Suzuki 

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