世界最古のジュエラー、メレリオの新作は最高に画期的なネイルオーナメント。

Paris

1613年からいまに至るまで、メレリオ家は宝飾品製造における貴重なサヴォワール・フェールを護っている。アーティスティックディレクターを務めているのは、亡き夫を後継してメゾンの14代目当主であるロール=イザベル・メレリオだ。彼女は時代の空気を読み取り、研ぎ澄まされた感性で、ヴァンドーム広場に軒を連ねるジュエラーとは一線を画す大胆なクリエイションを、そのサヴォワール・フェールを活かして提案し続けている。

メゾンのアーカイブに保存されている、ネイルオーナメントの1951年の特許申請用資料より。

メレリオがこの夏にお披露目した新作のひとつは、ネイル・オーナメントというジュエリー界における新ジャンル。実のところ、このアイデアは1951年に遡るものだという。あるクチュリエのためにホワイトゴールドとホワイトダイヤモンドでクリエイトされたもので、当時“爪の装飾用一式”として特許を得たものの商品化はされなかった。メゾンのアヴァンギャルドの精神を受け継ぐネイル・オーナメントに、今年、新たにホワイトゴールド×ブラックダイヤモンド、そしてイエローゴールドのトゥッティ・フルッティという2つのバージョンの2種が加わった。この3種からセレクションができ、また5種のサイズ展開かつ単品販売なので組み合わせも自由だし、爪一つだけを輝かせることも可能だ。1951年のは特別な仕組みで爪にセットするものだったけれど、2026年バージョンはステッカーで貼り付けるだけ、と使い方はとてもシンプル。

ホワイトゴールドとホワイトダイヤモンドのネイル・オーナメント。
ホワイトゴールドとブラックダイヤモンド。
イエローゴールドのトゥッティフルティ。

新作の中から、もうひとつ画期的な話題を。メレリオの星が輝く夜を描くコスモコレクションに新たに加わったAsteria(アステリア)では、新しく希少なメタルのTantale(タンタル)を使っている。最近ジュエリー界で見かけるようになった軽さが売りのチタンと異なり、タンタルはゴールド並みの重さがあり仕事を施すのが難しい素材。それゆえジュエリー界ではこれまで用いられていなかったメタルなのだが、それがメレリオのチャレンジ精神を刺激したのである。ユニークに輝き続けるジュエラーらしい挑戦だ。

アステリア・メダリオン。深みのあるグレーの鉱物的な表情のメタルにイエローダイヤモンドやスターカットのダイヤモンドの組み合わせが似合っている。チェーンはタンタルとイエローゴールドのクローバーリンクチェーンだ。
上記とともに7月にパリで発表された新作から。左は「フィオレンツァ」のネックレス。イタリア・ルネッサンスにインスパイアされ、色彩と生命感に溢れている。右の透かし彫りのメダルは「トラリッチィオ」。白と黒のコントラストがモダンだ。ホワイトゴールド、ダイヤモンド、パールの白い輝きに、オニキスとエナメルの黒が個性を与えている。

Mellerio
9, rue de la paix
75002 Paris
営)10:30〜19:00
休)日
https://www.mellerio.fr/
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大村 真理子

madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター

東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。2006年から「フィガロジャポン」パリ支局長を務めた後、フリーエディター活動を再開。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。