スピッツの曲に想いを馳せて。
フィガロジャポンにおける最重要キーワード、それは「ロマンティック」です。甘いロマンティックもあれば、ほろ苦いロマンティックもあります。いずれにしても、心が震える「気持ちがどこかに旅して連れていかれるような」感情を呼び起こすことに個人的にはロマンティシズムを感じます。
今号は秋冬のファッション大特集。現在、どのデザイナーやクリエイターも「物語性」に執着する時代です。だからこそ、1着の服の奥にも込められた想いがあります。それらを、いま話題のドラマ「Tシャツが乾くまで」に主演する蒼井優さんと中島歩さんを表紙に起用してお伝えします。

本誌版I’m with You表紙です。蒼井優さんはバレンシアガのワンブランドストーリーにご登場いただきました。ピエールパオロ・ピッチョーリによるバレンシアガにとても興味があるとのこと、ファッションに対してご本人も知識や造形が深いのです。92ページのモノクロのカットがとても官能的です。リアリティがあるのに官能性がある、それはやはり表現者が魅せるファッションなのだと思います。

大人の男性の色香がありますよね、中島歩さんは。こちらは増刊号版In Love with Himの表紙です。中面では巻頭のモードストーリーで、男女の距離感を意識しながらラグジュアリーブランドのモードを着こなしていただきました。そして、ロマンティックとは?という問いかけに答えていただいたインタビューも掲載されています。中島さんは往年の銀幕スター的なハンサムなムードがありつつ、独特のリズムを持っている稀有な演じ手だと感じます。
この最新号が書店に並ぶ前にInstagramやXでふたつの表紙を公開しました。ものすごい反響をいただきました、まさにドラマのファンの方々が反応してくださりました。役名でおふたりに関してのコメントをくださるユーザーもいて、上質なドラマの牽引力をあらためて感じました。いま、この原稿を書いている時にも耳にスピッツの主題歌が聞こえてくるようです……。
美的なディテールに魅せられるファッションの逸品たち。
巻頭特集の新作たちを眺めていると、ディテールの美しさに特徴があります。90年代のクリーンな服にしても、オブジェとしても楽しめそうなアクセサリーにしてもフォルムも装飾も麗しい。宝物になりえるファッショングッズです。

一方で、着こなしを愉しむ時、憧れの恋の演者からヒントをもらうこともあります。そんな夢見る女の子たちがページを繰れるテーマも。日常に取り入れて、シネマな気分を味わってほしいです。

昨今のヘアアレンジブームは予想外でした。大人でも案外大きなシュシュを着けていたり、ボブばかりが優勢だったところにひと匙の変化です。ロングヘアをいじって自分らしく、というのはトレンドのムードにも合っているのかもしれません。これを書いている私は長年ヘアスタイルを変えないロングヘアひっ詰め人間なので、今季は素敵リボンに挑戦予定。

素敵な女性たちの生き方、関心事。
今号には表紙の蒼井優さんはじめ、清原果耶さん、黒木華さんも撮影に参加してくださっています。自身のアールドゥヴィーヴルへのこだわりも強い女性たちです。
フィガロジャポンがフィーチャーしていきたいのはそんな自分の意志や軸を持つ女性たち。ナタリー・ポートマンや、父セルジュのパリ邸を撮影したシャルロット・ゲンズブールの想いも取材しています。


フィガロジャポンがコロナ禍からスタートし、継続しているBusiness with Attitude、通称BWA。ピッチコンテストは豊かに働く女性たちの言葉をキャッチする場ですが、毎回新しい挑戦と、リラクシングに働き続ける女性が登場し、コンテストの精度が上がっています。

自由に、心地よく、そして利他の心をもって日々を生きる女性たちは、存在そのものがアールドゥヴィーヴルですね!
フィガロジャポン本誌編集長 森田聖美