キャサリン妃が40歳のポートレートで着用した、麗しきドレスの秘話。

1月9日、40歳の誕生日を機に、ケンブリッジ公爵夫人はヴィクトリア朝のインスピレーションによる荘厳なポートレートを発表した。身にまとったのは、アレキサンダー・マックイーンのクリエーション。それぞれのルックには彼女らしい物語があった。

2011年、キャサリン妃がウェディングドレスを依頼したのは、ブランド創設者を2010年5月に亡くして以来、アレキサンダー・マックイーンのアーティスティック・ディレクターを勤めているサラ・バートンだった。11年後、40歳の誕生日ポートレート撮影のためにキャサリン妃が衣装を依頼したのも、やはり彼女。出来上がったのは、ヴィクトリア朝のエスプリをたたえた3点のドレス。過去のコレクションに着想を得、既存の布地を再利用したこのドレスは、ふたりの女性の協力と社会貢献を表現している。

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赤のドレス

40歳記念の撮影にキャサリン妃が着用した赤いドレスはアレキサンダー・マックイーン2021年秋冬プレタポルテコレクションのクリエイションから想を得たもの。@dukeandduchessofcambridge/Capture d'ecran/Instagram/ImaxTree

アレキサンダー・マックイーンが手がけた3点のクリエイションの中には、大きなバルーンスリーブがポイントの赤いアシンメトリードレスがある。ウエストは細いゴムで絞られており、ふわりと大きなスカートにはポケットがついている。これは2021年秋冬プレタポルテコレクションからインスパイアされたピース。キャサリン妃はこのドレスをしっくりと着こなし、パオロ・ロヴェルシのファインダーに向かって微笑みを浮かべている。サラ・バートンがアネモネの花からのインスピレーションでクリエイトした21年秋冬コレクションのイメージを撮影したのも、実はパオロ・ロヴェルシだった。「アネモネの花のドレスを着た女性たちは、まるで花のようです。リアルで、輝きがあり、力強い、そんな自分自身の姿が増幅されて生まれ変わる」。

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自然にインスパイアされて

40歳記念の撮影にキャサリン妃が着用した白いオーガンザのドレスは、アレキサンダー・マックイーン2022年春夏コレクションのクリエイションから生まれた。@dukeandduchessofcambridge/Capture d'ecran/Instagram/ImaxTree

2点目のポートレートで、キャサリン妃はバレリーナのような佇まいを見せている。白いオーガンザのボリュームたっぷりのドレスは、2022年春夏コレクションからのインスパイア。サラ・バートンとキャサリン妃のバージョンは、コルセットとパールの装飾を取り去り、より静謐な、そして未来の王妃のエレガンスとシンプリシティにマッチしたもの。撮影を担当したパオロ・ロヴェルシはイタリアの日刊紙「Corriere della Sera」のインタビューに応じ、こう語っている。「公式ポートレートで、彼女はまるでバレリーナのようなオーガンザのドレスを着ました。動きのある写真を撮りたかったので、このたっぷりしたスカートで、カメラの前でキャサリン妃にダンスしてもらいました」。その写真は今の所、公開されていない。

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フリルと王家のジュエリー

 

 

 

 

 

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最後に、第3のドレス。こちらも白で、フリルの効果を加えたアシンメトリーな袖がついている。どのルックにも、ダイアナ妃やエリザベス女王のジュエリーがあしらわれ、キャサリン妃とサラ・バートンのデュオによるドレスを際立たせている。ふたりの協力はこれからも続きそうだ。

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上機嫌の撮影現場

「Corriere della Sera」紙で、パオロ・ロヴェルシは、ウィリアム王子と３人の子どもたちが写真の最終セレクトに参加したことも明かした。モノクロで撮影された250カットから、一家は３枚の「ウィナー」カットを選出。撮影現場では、自然光とキャサリン妃の明るさだけで十分、人工的な要素は一切なかったという。「メークもほんの少し、ヘアはなし。シンプルなイアリングと指輪だけ……。キャサリン妃の顔のフォーカスポイントは、視線と微笑みでした」とアーティストは語っている。