吉村順三設計の邸宅を、トゥ エ モン トレゾアが一般公開。

東京発のラグジュアリーなウィメンズ デニムブランド、トゥ エ モン トレゾアは、日本のモダニズム建築の巨匠、吉村順三が設計した熱海の邸宅にて、LA拠点のデザインスタジオ「カクタス ストア（Cactus Store）」とコラボレートしたサマーガーデンを6月1日にオープンし、カプセルコレクションを発表。

「1977-」は、トゥ エ モン トレゾアによる、ファッションと建築、デザイン、写真をはじめとするほかのアート領域を横断するキュラトリアル・プロジェクト。吉村順三の設計により1977年に建てられた熱海の邸宅の改修を通して、歴史を再生し、生きた体験として開放している。2022年夏には、ル・コルビュジエ、シャルロット・ペリアン、ホアキン・テンレイロをはじめとする建築家、デザイナーの作品をキュレーションした第1回の展示により、日本のみならず、フランス、インド、ブラジルをはじめとする世界のモダニズム建築の文脈に熱海の邸宅を接続させた。

そしてこの夏、トゥ エ モン トレゾアの歴史に対する視点に共鳴したカクタス ストアは、時の経過とともに次第に焦点を失った庭園に込められた吉村の思想を、現代の文脈に再び蘇らせようと試みる。かつてお手伝いさんの作業場として使われていたキッチン裏の空間と庭園を隔てていた高い生垣は取り払われ、生き生きとしたディクソニアが、内部空間と庭園のゆるやかな境界をつくりだす。限られた種類の植物を考え抜かれた配置によって構成する庭園は、伝統的な日本庭園やモダニズム建築のための多くの庭園をデザインした、ブラジル人ランドスケープデザイナー、ロバート・ブール・マルクスの作品から着想を得たもの。ダイニングから芝生に開けた大きなガラス戸の外にある、赤、青、黄のディッキアが植えられた花壇は、かつて施主である女性実業家が植えた色とりどりの花々と、趣味の園芸の温かさを想起させる。

一般公開は6月1日から8月25日までの14日間。完全予約制となるので、ぜひこの機会をお見逃しなく。