空間、招待状、BGM――ランウェイを形作る、ショー演出の現在形。【2026-27 秋冬コレクションリポート vol.1】
ショーの印象を決定づけるのは、服だけではない。2026-27年秋冬は、空間演出、インビテーション、そして音楽までが一体となり、ブランドの世界観を立体的に体験させるシーズンに。五感を刺激するトータルディレクションが、ランウェイに新たな記憶を刻んだ。
Show Direction
ランウェイを盛り上げるのは、効果的な会場演出。



チュイルリー公園内にある池、バッサン・オクトゴナル内にガラスのランウェイを建設したディオールや、約5万点のオブジェで埋め尽くされたおもちゃ箱のようなディーゼルの会場など、演出に驚かされた今季。特にデムナが手がける新生グッチは、ルネサンス芸術を着想源に巨大彫像が会場に作られたり、イーロン・マスクの娘、ヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソンをはじめとした次世代アイコンの面々、ケイト・モスがランウェイを歩くなど、話題に事欠かないショーとなった。ミュウミュウではクロエ・セヴィニー、ナターシャ・ジンコのショーではスパイス・ガールズのメル・Bが歩く場面も!
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Invitation
ハイセンスすぎる⁉ ユニークなインビテーション。
ディオールは、チュイルリー公園を象徴する緑の椅子のミニチュア版、ロエベは空気で膨らむレザー製のロブスターのハサミ、アライアは組み立てるとドレスになるピースが入った箱などなど、遊び心たっぷりな招待状が豊作だった。
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Runway Soundtrack
音楽ライターが選ぶ、ベストBGM
マドンナがコルセット姿でパティ・プラヴォのカバー曲をアフターパーティで披露したドルチェ&ガッバーナ、キム・ゴードンの詩の朗読で幕が開き、洗練されたクリーンなスタイルを発表したジル サンダーなど、ビッグアーティストの起用が目立った今季。若きベルギー人シンガー、ガラ・ドラゴットが10代の葛藤をギターリフに乗せて語り、ブレザーやネクタイ、ダッフルコートといった学生服をインスパイアしたノスタルジックなコレクションのドリス ヴァン ノッテンも注目を浴びた。マックイーンは、チャーリーXCXのプロデューサーA・G・クックが手がけたノイズや不協和音を織り交ぜたインストゥルメンタルサウンド、60年代を想起させるレトロなミニドレスやコルセットドレスとのコントラストが素晴らしく、長年タッグを組んでいるセバスチャンによるソリッドなテクノとクラシックミュージックを融合させた曲が包み込むサンローランのショーは、タキシードを着こなす凛とした女性像に見事に調和した。幾重にも重なるフリルが花びらのように広がるミニスカートが庭園の中で際立ったディオールは、イタリア人アンサンブルによるヴァイオリンやチェロの有機的な響きに無機質な電子音が重なり、高揚感を掻き立てた。
text: Kana Miyazawa

Dolce&Gabbana
Patty Pravo「La Bambola」by Madonna
Jil Sander
Laurel Halo
Dries Van Noten
Gala Dragot「femcel anthem」
McQueen
A. G. Cook「Depth (Reprise)」
Saint Laurent
SebastiAn
Dior
Sentieri Selvaggi, Carlo Boccadoro &Emanuele de Raymondi「Triptique」
- photography: Takehiro Uochi, ©Launchmetrics
- editing: Kaori Tsukamoto
*「フィガロジャポン」2026年7月号より抜粋