セクシーって何だろう。セレブの名言から学ぶ「色気の正体」。
Lifestyle 2024.10.18
素敵な大人を思い浮かべるとき、欠かせないのがセクシーという要素。素敵だと思う人は、必ず色気を纏っている。けれどセクシーは「美しい」に比べると、何だか掴みどころのない、曖昧な形容詞。では色っぽいの正体とは、一体何なのか。そもそも色気って、後天的に獲得できるものなのか。恋愛コラムニスト・さかいもゆるが紐解く、ポジティブな大人のセクシー論。
セクシーは最高の褒め言葉である。
先日のベネチア国際映画祭のレッドカーペットを見ていて、年齢を重ねたセレブたちの色っぽさに驚いた。ジュード・ロウ51歳に、モニカ・ベルッチ59歳。エイジズムな考えでは若さ=美だと捉えられがちだけれど、「セクシー」という要素に年齢は関係がないということは、彼らを見ていても明らかだ。そして日本ではとかく若く見えることが重要視されているけれど、よく観察してみると、素敵だなと感じる人は老若男女問わず、必ず色気があることに気づく。では色気とは一体、どういうものなのか。
「女性にとって最高のことのひとつは、「彼女ってセクシーだよね」って言われること」―――スカーレット・ヨハンソン
そう。私個人としては、「色っぽい」って最高の褒め言葉だと思っている。もし自分が付き合うなら色っぽくて可愛くて面白い男性がいいし、自分もそうでありたい。セクシーとはポジティブな形容詞。
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1.肌の露出=色気、ではない。
「セクシーになるために裸になる必要はない。ただ自分らしくしていればいいのよ」―――ニコール・キッドマン
色っぽいという形容詞がネガティブに捉えられるとき、そこにはやたらと肌を見せるデザインの服を身に纏い、異性に媚びるような言動を取る人物像が紐づけられているのかもしれない。けれどそれは大きな間違い。セクシーってもっと奥深いもの。例えば前述のモニカ・ベルッチのような肉感的なボディはわかりやすくセクシーだけれど、一方で、ジェーン・バーキンやシャルロット・ゲンズブールみたいに、少年のような体型でも色気を放っている女性というのも存在する。
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2.容姿ではなく、自分に心地良さを感じているかどうか。
「その女性がどんな見た目をしているかではなくて、もし彼女が自信に満ち溢れていたら、彼女はセクシー」―――パリス・ヒルトン
この「セクシー=自信」説は、多くのセレブが唱えているもの。美人だからセクシーに見えるわけではなくて、ありのままの自分を心地いいと感じているかどうかが外見に現れる。それがセクシーオーラの正体、というわけ。少しくらい体重が増えたって、髪型がキマらなくたって、自分らしく自然体に振る舞っている人が素敵に見えるのは事実。オドオドしているイケメンよりも自信たっぷりなおじさまの方がモテるというのも、よくあること。美醜よりも態度が堂々としているかどうか。つまり、ありのままの自分をどれだけ受け入れられているかが、ここでは鍵となる。
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3.実は欠点こそが最大の武器になる。
「傷ってセクシーだと思う。それはその人が、その傷を作るような間違いを過去に犯したということだから」―――アンジェリーナ・ジョリー
これは一見、2と矛盾しているように思うかもしれないが、コンプレックスがある人ほどセクシーだ。なぜなら人は、完璧なものよりも、欠点に惹かれてしまう生き物だから。世紀のセックスシンボルと呼ばれたセレブたちが、それを証明している。
顔にあえてホクロを描いたマリリン・モンローやすきっ歯だったマドンナがスーパースターになったのも、彼女たちに「平均からは外れた」パーツがあったから。いわゆる標準値の美の基準に当てはまらない部分こそが、実は癖になる個性となる。「みんなと同じ」な均一的な容姿や整いすぎたルックスは、意外にも、むしろセクシーから遠ざかって行く要因にしかならない。
外見の話だけではなく、内面もそう。アンジーは両親が不仲な家庭で育ち、学生時代は眼鏡に歯列矯正のブリッジをつけた容姿が原因でいじめられてリストカットを繰り返した。けれどそんな心の傷が彼女の内面に陰影をつけ、アンジーをより魅力的に見せている。それは人が、より複雑なものに惹かれる性質を持っているからなのだと思う。
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4.「見えないと知りたくなる」心理を操る。
「私の考えでは、セクシーって隠せば隠すほどいいの。あなたが見せる部分が少ないほど、人々は知りたくなる」ーーーエマ・ワトソン
以前セックスレスの取材で、「レスにならない秘訣は、パートナーに秘密を持つこと」だと教わった。エロティシズムは、いかに相手に想像させて見たい気持ちにさせるかどうかが勝負。何もかも出してしまえば、妄想の余地がなくなってしまう。見たい気持ちがなくなると、エロスも終わるのだ。ーーーだからセクシーに限って言えば、「陽キャ」よりも断然「陰キャ」。何を考えているかわからない人物の方が色っぽい。それは『スラムダンク』の桜木花道と流川楓を比べてみても、一目瞭然。キャラだけではない、肌の露出も同じ。デコルテも脚も全部露出して強調するよりも、見せる部分と隠す部分のバランスの駆け引きが上手い人が色っぽい。隠されるほど知りたくなるのが、人の性(さが)。
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5. エロスを恐れず解放しよう。
「自分らしく振る舞うって、とってもセクシーなことだって知ってた?」ーーーエリン・ヘザートン
みんな自分の中にセクシーさを持っている。それが発揮できていないとすれば、1.周りの目を恐れて封印しているか、2.出し方を知らないだけ。もしエロスにネガティブなイメージを持っていたとしたら、それは今すぐ忘れて。センシュアルな気持ちを愉しむのは、たとえばメイクしたりおしゃれしたり、美味しいものを食べたりするのと並列にある、ナチュラルでワクワクする、生活の喜びの一部。「エロス」を嗜むことで、きっと人生は滋養に富み、イキイキとしたものに変わるはず!
やり方がわからない? それならば、ミランダ・カーのこんなルーティンを真似するのはどうだろう。
「家に帰ったら、私は仕事場でのボスのような振る舞いではなくなるの。もっと女性らしい役割に着替えるわ。すべての服を脱いでステラ・マッカートニーのシルクローブに着替える。赤いネイルを塗って、気分を盛り上げるの。セクシーなランジェリーも、喜びを与えてくれるわ」
ネイルやランジェリーである必要はない。あなたが心からリラックスして楽しいと思える時間を持てれば持てるほど、あなたらしい魅力が解き放たれ、セクシーさが花開く。それがエロティシズムの鍵となるのだ。
さかいもゆる
恋愛コラムニスト。ファッション誌でフリーランスエディターを務め、40歳でバツイチになったのをきっかけに、講談社withオンラインで恋愛悩み相談コラム「教えて! バツイチ先生」を7年間連載。女性誌やモード誌で、愛や結婚について考える取材&連載を多数執筆。Xアカウントとポッドキャスト「教えて!バツイチ先生」、略して#おしナマで、幸せな恋愛&結婚のためのTIPSと悩み相談を配信中。ファッションエディターの経験を生かした婚活服のお買い物同行&恋愛コンサルサービスも実施している。
text: Moyuru Sakai photo: Aflo