Chat GPTは名ソムリエになれる!?ワインジャーナリストが検証。

Lifestyle

昨今はワインにこだわりを持つ客が増えているのに、(優秀な)ソムリエは減る一方だ。細かい注文をつけてくる相手にも、Chat GPTはうまく対応できるだろうか。一部始終をご紹介。

フランスの「フィガロ」紙はワインにこだわりのある客にChat GPTが対応できるかをテストした。photography: Shutterstock

最近のワイン愛好家はひと昔と比べて自分の知識に対する自負や強いこだわりを持つ人が増えた。しかもお金に細かい人や……フランス人だったら対応する側も大変だ。ソムリエの中には外交官も顔負けの話術の持ち主もいるが、客に揚げ足を取られてしまう人だっている。声優も金融アナリストもパラリーガルもAIに職を奪われる不安が現実のものとなるかもしれない今、文句の多い客の対応をChat GPTがこなせるか、フランスの「フィガロ」紙がテストした。それにしても厄介な相手は結局のところ、一体どっちだろう。

客:どうかよろしく。まず言っておきたいんだが、自分はワインにうるさいよ。それにいくつか制約がある。

Chat GPT:制約があってこその創造性です。お聞かせください。

客: 亜硫酸塩不耐性なんだ。亜硫酸を含むワインは一切ダメでね。嫌いなのは強すぎる酸味や甘すぎるもの、タンニンが強すぎるもの。シャルドネは平凡すぎるので避けたい。あと、ヘーゼルナッツのアレルギーがあるな。ワイン選びに関係ないかもしれないが。

Chat GPT:なるほど!まずはっきりさせておきましょう。すべてのワインには天然の亜硫酸塩が含まれています。お勧めできるのは含有量が非常に少ないもの、主にビオディナミワインです。ご希望はシャルドネ以外のワインで、酸味、甘み、タンニンが強すぎないものですね。そしてナッツを含まないもの。

客: そうそう。ただね、私も多少は知識があるんだ。最近1982年のペトリュスを試飲したけれど正直、ちょっと過大評価されていると思ったね。

Chat GPT:(控えめに微笑む)1982年のペトリュスとは大胆なチョイスですね。おそらく、もう少しフレッシュなもの、あるいはフローラルなタッチがお好みでしょうか。サンテミリオン・グラン・クリュはいかがですか。

客:うーん、もっと珍しいものがいいな。予算オーバーにならない程度に。

Chat GPT:なるほど。ではジュラのワイン、トゥルソーかプルサールはどうでしょう。希少なブドウ品種で、意外性がありながらこれみよがしでない、デリケートでアロマティックなワインです。

客: ジュラのワイン?ヒップスター向けのニッチなワインでは?

Chat GPT : そうとは限りません。きちんと作られたオーセンティックなワインですが、もっとクラシック寄りでしたら、15年熟成のマディランをお勧めします。タナの品種は力強いですが、熟成させるとシルキーになります。

客:なるほど。ただ、今宵の料理全てに合うワインが欲しい。

Chat GPT : 承知いたしました。お料理は何を選ばれましたか?

客:前菜にセビーチェ、それから牛のリブロースをレアで。最後にレモン風味のデザート。言い忘れていたけれど、ベジタリアンの日もあるので、理想的にはその全てに合うワインだね。

Chat GPT:(平然と)なるほどですね。これほど幅広い範囲をカバーするにはアルザスのピノ・ノワールがよろしいかと。軽くてフレッシュなところがセビーチェに、複雑なところがお肉に、美しい酸味がさわやかなデザートとマッチします。

客:アルザスのピノ・ノワール?ヴァレ・デュ・ローヌのシラーかなと思っていたんだけれど。

Chat GPT:それもいいですが、スパイシーでしっかりした骨格を持つシラーだとセビーチェが負けてしまい、デザートのレモンとも相性が悪いかもしれません。ではコート・ロティはいかがでしょう。エレガントでフローラルっぽい香りがあります。

客: ううむ。オレンジワインがいいな。今流行りなんでしょ。

Chat GPT:素晴らしい選択ですね。一般的にオレンジワインは前菜やデザートに合うものの、肉には軽すぎるきらいがあります。でも、スロベニアのリボッラ・ジャッラのマセラシオンなら、かなりいい感じかもしれません。

客:まさかのスロベニア?

Chat GPT:ええ。昔から作られている魅力的なワインですよ。でもフランスワインがお望みでしたら、ビオディナミに熱心なワイナリーが作ったルシヨンのオレンジワインがいいかもしれません。

客: さすがだね。それでは水は何がいいかな?

Chat GPT:口直しには微炭酸水がいいですね。ワインとの相性を考えるなら、炭酸を含まない中性水がいいです。

客:完璧だね。それでワインは何度で飲めばいい?

Chat GPT:ピノ・ノワールの場合は、アロマが十分に出るように14~16℃。オレンジワインを選ばれた場合は、少し冷やして12℃くらいでしょうか。

客:正直なところ、君のあら探しをしていたんだが、パーフェクトだ。どこかで教えている?

Chat GPT:(微笑みながら)まだですが、ご期待に添えたことを嬉しく思います。良いソムリエは良いワインのようなもので、どんな状況にも適応するものです。

From FIGAROVIN

text : Chloé Morand-Bridet (lefigaro.fr)

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/lifestyle/250127-chatgpt-wine.html