「病み続ける日々を変えた」不安を和らげる【午後6時半ルール】を実践してわかったこと。
Lifestyle 2026.03.26

不安を克服しようと努めるよりも、単に考えるのをやめたほうがいいとしたら?英「ガーディアン」紙の記者が自らの体験に基づき、ストレスとの向き合い方が劇的に変わる18時30分メソッドについて語った。

photography: ShutterStock
いまは18時29分。ガーディアン紙の記者、メル・ブラッドマンは自宅のリビングで、いつもとは違うことに挑戦しようとしていた。数秒後の18時30分ちょうどになったら、意図的に自分の不安を頭から消し去るのだ。この時の体験を語った記事が3月16日、ガーディアン紙に掲載された。そのなかで、記者は不安治療中に学んだ、不安を和らげるためのシンプルで意外な方法について振り返っている。
不安治療で気付いたシンプルな3つの方法。
1. 意外な指示に戸惑う
当時、彼女は抱えきれないほどの悩みに苦しめられていた。常に仕事に追われ、失恋をし、母親のことも心配だった。いつも不安に悩まされていたとメル・ブラッドマンは語る。「ちっぽけな決断すらパニックなしにはできなかったのです」と言う。そんな彼女にセラピストはシンプルなルールを提示した。「今日から、18時30分以降は"No Worry Time(不安なしタイム)"にしましょう」。つまり翌朝まで心配することを禁じるというのだ。これは不安を否認したり避けようとしたりするのではなく、特定の枠の中に収めることを意味している。
言われた瞬間には、ばかげた考えのように思えた。誰もが思っているように、不安を克服するにはとことん不安と向き合うべきと信じていたからだ。「良くなるためには考え抜かなければならないと信じていました」と言う。しかしセラピストはあっさりその考えを否定した。「不安は暴君です。そして暴君には、自分の場所に収まってもらう要があります」と言うと、反論を封じるように、「また悩みたいと思ったら、あなたの心配事は明朝、ちゃんとあなたを待ってくれていますから」と付け加えた。
2. 脳を休ませる
なぜ18時30分という時間をセラピストは選んだのか。単なる思いつきではない。この頃から脳は疲労によってネガティブな思考が増幅されやすい状態に入る。夜にくよくよ悩むことは、火に油を注ぐようなものだ。したがって、このサイクルをあらかじめ断ち切ることは、脳と身体を夜間きちんと休ませることにつながる。
その一方で、フランスの心理学者リンダ・アミンによれば、人は考える生き物である。「2020年7月、カナダで心理学研究者によって実施された科学研究では、人は1日に平均6200もの考えを持つと推定されました。考えることを一切止めることなど不可能であり、まして完全に消し去ることはできません」
3. 少しずつ手放す
この記事で語られていることは決して突飛な内容ではない。このアプローチは、認知行動療法ではよく知られている「worry scheduling(不安のスケジューリング)」というテクニックに基づいている。基本的な考えは次のようなものだ。ぐるぐると同じことを考えてしまう場合、それを一定の時間に限定し、それ以外の時間は先送りすることを学ぶ。思い悩んでも問題は解決しない。それどころか、いくつかの研究が示すように、ストレスを持続させ、精神的負担を増幅し、不安障害を助長する可能性があると記者は書く。逆に、「心配しない時間」を設けることで脳を回復させることができる。ちょうど運動後の身体のようなものだ。
とはいえ、すぐに実践できるわけではない。メル・ブラッドマンも最初は、数時間うまくできたかと思えば再び不安に引き戻される、といった状態を経験した。しかしこれを繰り返すうちに何かが作用し、不安のない時間が延びていったという。「最初は20時まで、それから22時30分まで、やがて翌朝まで」と彼女は振り返る。何らかの具体的な習慣も役立つ。たとえば、一日の終わりに自分の考えを書き出して「吐き出す」こと、ペースダウンすること、刺激を減らすこと、あるいはゆっくりとした呼吸を行うことなどが、心理学者のリンダ・アミンら専門家によって挙げられている。
現在、メル・ブラッドマンは清々しい気分だ。緊張することが減り、気分が軽くなり、なによりも楽観的な気分が徐々に戻ってきた。「もはや不安の海に漂っていない」と彼女は結論づける。ただし、早計な結論には注意が必要だ。この方法は決して万能ではない。18時30分ルールは、不安に対応するためのひとつの方法として、心理療法、睡眠、バランスの取れた食事、そして身体活動などと併用されるべきだ。
From madameFIGARO.fr
text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr)







