対人関係のストレスを助長してしまう4つの行動を心理学者が解説。
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する
「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。
データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
対人関係のストレスに直面すると、多くの人は安心感を得るためにちょっとした戦略を編み出す。心理学者のジュリー・スミスはインスタグラムの動画で、そうした戦略のなかには、問題を悪化させてしまうものもあると説明している。

人との交流が激しいストレスになる人もいる。近所の人との世間話、同僚との飲み会、見知らぬ人との出会い……こうした場面で、多くの人は不安を和らげようと反射的な行動をとりがちだ。
しかし、英国の臨床心理学者ジュリー・スミスによれば、そうして生み出された防衛戦略は、反対に不安を長引かせる可能性があるという。メンタルヘルスに関するコンテンツで知られる彼女は、2月27日に公開した動画のなかで、対人ストレスを鎮めるどころか、かえって強めてしまうリスクのある4つの一般的な行動を検証している。
スマホに逃げる
人と視線を合わせるのを避けるため、スマートフォンを見ることは非常に一般的な反射行動のようだ。スミスは次のように指摘している。「スマホをスクロールすることは、その瞬間には神経を鎮めてくれます」。だが、この一見何気ない行為は、交流の妨げになり得る。
「スマートフォンは、あっという間につながりへの障壁となるのです」と専門家は強調する。言い換えれば、この小さな避難所は目先の不快感を避けることはできるが、長期的に不安を軽減するのに役立つはずの人との交流を妨げてしまうのだ。
セリフを頭のなかで繰り返す
世間話に不安を感じる人が陥りやすいもう一つの罠は、会話中に自分のセリフを頭の中で準備することだ。しかし、この警戒には代償が伴う。「会話で失敗しないことに集中しすぎると、いま進んでいる話の流れを見失ってしまいます。それが、まさに避けようとしていた気まずさを生んでしまうのです」とスミスは説明する。注意が実際の交流から逸れてしまうことで、議論がより困難になり、不快感を強める結果となる。
ずっと同じ人と過ごす
パーティーなどで、友人や同僚、パートナーといった親しい人にしがみつき、一歩も離れないようにしたくなることもある。そのときには、それが心強く感じられるかもしれない。「安全だという感覚を与えてくれます」とスミスは認める。しかし、この戦略は新しい交流を制限し、最終的には不安を増幅させてしまう可能性がある。
「あなたが新しい会話を始めるのを妨げてしまいます」と彼女は指摘する。結果として、その人物が離れたり、相手をしてくれなくなったりしたときに、ストレスが急激に高まることになりかねない。
トイレやバーに篭る
最後の例は、交流を避けるために「緩衝地帯」を選ぶ人たちだ。トイレに長居したり、会話を避けるためにバーの近くで用事を見つけたり……。こうした行動もよく知られたものだとスミスは言う。「自分自身に本当に正直になれば、それは会話を避けるためにしていることだとわかっているはずです。しかし、それでは自信を築くチャンスを自分に全く与えていないことになります」
彼女はこう注意を促している。「自信をつけるための唯一の方法は、不快なことを実践し、それを乗り越えられるのだと自分自身に証明することです」
現実的な解決策は?
この問題を克服するための解決策は、すべての不安を即座に取り除くことではない(それは非現実的だ)。そうではなく、気まずい状況に少しずつ身をさらしていくことだ。投稿のキャプションで、ジュリー・スミスは次のようなアプローチを提案している。
自分ではなく相手に目的を向けた交流に入ることだ。例えば、誰かについてもっと知ろうとしたり、見知らぬ人がリラックスできるように手助けしたり、あるいは、二人の新しい人物に話しかけるという課題に挑んだりすることだ。
「不安はあるかもしれませんが、不安にあなたの行動を支配される必要はありません」。かつては極度の内気だったというスミスはそう断言する。彼女によれば、「人間と人間」の実際の交流を繰り返すことこそが、恐怖を徐々に後退させ、つながりの喜びを得られるようになるのだという。
From madameFIGARO.fr
- text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Shion Nakagawa