海と里山に囲まれたサウナリトリートで、自分も自然も再生する。【コーバ カクダ／三重県・志摩市】

忙しない日常から解放され、サウナや温泉でリフレッシュできる、癒やしのリトリート旅へ。心身ともに喜ぶ極上の宿で、自然の恵みを享受するひとときを過ごそう。

コーバ カクダ
［ 三重県 ］志摩市

あこや貝から真珠を取り出す「浜揚げ」を行っていた建物を改装した「HAMAAGE」。天井の梁にその面影が残る。4名まで宿泊可能で、プライベートサウナと水風呂が付く。

真珠が育つ海での体験で、自分も自然も再生する。

1931年創業の覚田真珠が、英虞湾の小さな入り江にある、かつて真珠の養殖場・加工場だった建物を改装し、リトリートとしてオープンしたのが2023年6月のこと。見張り番がいたという小さな小屋を拡張した「MIHARASHI」はプライベート感が高く、元工場（こうば） の3部屋はデッキの下はすぐ海、というロケーション。テラスでぼんやり海と緑を眺めているだけで癒やされていくのがわかる。が、本当の癒やしはそれだけではない。さまざまなアクティビティに参加して、"ここでしかできない"体験をしよう。

覚田真珠の工場だった時代の写真が、創業者の名が付けられたレストランKAZOに飾られている。

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まずは、海が目の前のパブリックサウナへ。珍しいのは、身を清める意味を持つ日本古来のサウナを再現した石風呂があること。薄暗い中、寝転んでじんわり身体を蒸されるのは、まるで瞑想のよう。薪サウナで汗をかいたら、水風呂代わりに海へドボン。理想の"ととのい"が待っている！ 一方で、その熱源である薪割りも体験できる。周囲の里山が豊かであるために間伐した木材を利用しているのだ。

向かって右が薪サウナ、左は日本の古代サウナ、石風呂を再現。貸し切り利用も可能。

森から伐採したウバメガシの薪ストーブが熱源。

薪サウナと石風呂の外に井戸水の水風呂もあるが、海にドボンと浸かってウッドチェアで外気浴すれば、まるで北欧にいるかのよう。

ヴィラの向かい側にある里山を歩いて植生探索。広いデッキでヨガをしたり、東屋で薄茶を野点したり。五右衛門風呂もある。

薪割り、火起こしを体験したら、焚き火で焼き芋を。

漁網をハンモックにアップサイクル。木々の間にひっそり吊られている。

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ディナーや朝食でいただく食材と出合いに行く楽しみもある。漁師と海に出たり、伊勢海老を網から外したり。地元食材を知り尽くしたシェフが、和食ベースの"里山キュイジーヌ"で提供する料理を一層おいしく感じられるだろう。

シグニチャーの「嘉蔵のお財布」は、巾着の中からウニクリームと真珠貝のスモークが！

冬が旬のヒオウギ貝と赤貝を酢味噌で和えた「カラフルシェル」

ハマグリの出汁でリゾット仕立てにした「伊勢海老と蛤ご飯」

「松坂牛のいいとこ」、つまりシャトーブリアンを備長炭で炭火焼きに。マスタード、黒ニンニク発酵ソース、神島の塩と実山椒でいただく。新鮮な食材尽くしのディナーは全11品。

ペアリング10種￥12,000～。ワインと三重の地酒をミックスして提案する。

朝食は、カツオと昆布の出汁を一口。ここで干物にしたタカベとキンメを土鍋ご飯でいただく。平飼い烏骨鶏（下）の卵はTKGにしてもいい。

伊勢海老漁のエビ網外しや、ヒオウギ貝の養殖場訪問、ワタリガニや魚の籠漁なども体験可能。朝夕の食事がより豊かに、楽しみに。

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宿から離れた小島でSUPやカヤックもできるのだが、水面をすべるような船での英虞湾クルーズは滞在のハイライト。青に里山の緑が混じり合ったような海のあちこちに、真珠だけでなく貝やあおさノリなどの養殖場が見える。都会にいると忘れてしまいがちな自然と人との営み。自ら体験して得た新たな発見は、癒やしを超えて元気に、心まで豊かにしてくれるだろう。

1滞在に1回、英虞湾のクルーズが含まれる。SUPやカヤックができる小島を通る。

20代の人材を育てて、この地でのベビーパールの養殖を再開したばかり。

生産が難しいといわれる3～4mmのベビーパールを多く取り扱う。チョーカー￥120,000、リング￥80,000、ピアス￥152,000、ネックレス￥100,000

朝散歩で、片田の集落を通って大野浜で日の出を拝む。志摩市最南端の麦埼灯台に行くコースも。

60もの島が浮かぶリアス式海岸の英虞湾を横山展望台から一望。

＊「フィガロジャポン」2025年3月号より抜粋

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