手仕事とアートと。サマリテーヌの光り輝くボタニカル・ノエル。
Paris 2024.11.24
デパートのサマリテーヌでは3年前にリニューアルオープンした際、1870年の創業時のアールヌーヴォー建築が見事に蘇った。正面の花のモチーフの装飾や館内の最上階の孔雀のモザイクなどが再び脚光を浴びている。自然を建築物に取り入れているのは時代の嗜好だけでなく、共同創立者マリ=ルイーズ・コニャック=ジェイが大いなる情熱を植物に傾けていたということもある。彼女は生まれ故郷であるサヴォワ地方の小さな村サモエンに私費を投じて作った3.7ヘクタールという広さの庭を村に寄付しているほどだ。
彼女の自然への愛をいまも守り続けているサマリテーヌの今年のクリスマスは、その自然に美しく光を当てたデコレーションである。パートナーはイルミネーション・アートで有名なトワリィ・リュミエール・ソヴァージュ。カタツムリ、カラフルな蝶々、巨大なマッシュルーム......デパートの正面に幻想的な動植物の光の世界が繰り広げられている。ポン・ヌフ館の1階のパリ土産の売り場Loulouでは奇妙な生き物が光を放ち、キャビネ・ドゥ・キュリオジテ的雰囲気だ。光の遊びを楽しむ通路を渡り、リヴォリ通り側の館へ。そこには写真スタジオが設けられ、冬景色の中での思い出を写真に残すことができる。
リヴォリ通り側のウィンドウも見逃せない。6つのウィンドウが温室に変身し、この世に2つとないユニークな花を咲かせているのだから。6名のアーティストがそれぞれクチュールの素材を用いてサヴォワールフェールを駆使してクリエイトした驚きのウィンドウだ。
館内でクリスマスのショッピングはもちろん。12月10日から1月8日まで、最上階のレストランVoyage Samaritaineでは特別メニュー(49ユーロ、69ユーロ)を味わえる。
Samaritaine Paris
9, rue de la Monnaie 75001 Paris
営)10:00〜20:00
休)5/1
@samaritaine.paris
editing: Mariko Omura