シェリー・メゾン・ド・ビスキュイ
京都を拠点に活躍する人気菓子研究家の小林かなえさんが、季節のデセールパフェと焼き菓子のお店を開いたのは3月のこと。以来、パフェ、焼き菓子ともに予約殺到が続く人気ぶりだ。デセールパフェは旬の果物をテーマに、ジュース、プチフール、パフェ、マドレーヌ、ドリンクとコース仕立てで提供。素材やレシピについて説明するお菓子教室さながらの小林さんの軽快なトークと、目の前で仕上がっていくライブ感にテンションは上がるばかり。イチゴに続く、現在のテーマはサクランボ。ビジュアルのかわいさにも、フレッシュなおいしさにも感動間違いなし。この後も、モモ、ブドウ、クリと気になる素材が続々!
御所南のお菓子教室を行っている建物の1階にカフェとショップをオープン。
デザイン事務所だった建物をリノベーションし、中庭を新たに作ったそう。カウンター7席のみ。白を基調とした内装に、カラフルなセブンチェアが映える。
「長年お菓子教室をしていて、サクサクやフワフワなどできたてのお菓子に感動する生徒さんたちの反応を見て、作りたてのおいしさを提供できるお店をしたいと思っていました」と小林さん。パフェは手作りの約10種のパーツからなる。
アメリカンチェリーとグリオッティーヌチェリーの2種を、生のままやリキュール漬け、アイスクリームなどさまざまなアレンジに。レアチーズクリーム、サクサクのメレンゲ、グレープフルーツのジュレなどが幸せなハーモニーを奏でる。器はアメリカから取り寄せたアンティークグラス。デセールパフェのコース¥3,240
焼き菓子は、発酵バターと小麦粉、砂糖で作った香ばしいビスキュイをベースに、ラム酒漬けのレーズン、マロングラッセを発酵バターとベルギー産ホワイトチョコレートでサンドしたもの、トリュフ塩、パルミジャーノ入りなど数種揃う。「ビスキィ・ナチュール」、「レーズン&マロングラッセサンド」各¥2,700
店内を飾るのは、小林さんがパリなどで買い揃えたアンティークのカフェオレボウルなど。パフェのテーマに合わせて飾り付けや器もがらりと変えている。
愛らしいサクランボのオブジェはベルギー製。
アンティークのカフェオレボウルや、アラン・ミリアのジュースやジャムも販売。
シェリー・メゾン・ド・ビスキュイ
Chérie Maison du Biscuit
京都市中京区高倉通夷川上ル福屋町733-2
TEL:075-744-1299
営)12時〜18時
休)日〜火
カード不可
www.kanaekobayashi.com
※デセールパフェ、焼き菓子ともに完全予約制。詳細はHPを確認。
〉〉〉トロリとなめらかな、新食感チーズケーキ。
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キュー
龍安寺や仁和寺に近いレトロな商店街に佇むこちら。5坪の敷地にカウンター7席という小さな店ながら、3月のオープン直後からたちまち甘いもの好きが列をなす人気店だ。原点は、店主の大木健太さんがロンドンのブリティッシュ料理の名店「セント・ジョン」で初めて食べた時に衝撃を受けたというチーズケーキ。そのレシピをベースに試行錯誤を重ねたベイクドチーズケーキは、これまでにないトロリとなめらかな食感。同じく、同店のレシピをもとにしたドーナツは、ふわふわの生地にあふれるほどのカスタードクリームが詰まったもの。どれもつい夢中で食べてしまうおいしさで、店内はいつも甘い幸せで満たされている。
龍安寺参道商店街の中。街中からは離れているが、わざわざ足を運ぶ人が多い。
コックピットのようにコンパクトなキッチンを囲むようにカウンター席が7席。
写真家から一転、セント・ジョンのペストリーに3年間勤めた店主の大木さん。「お客様に喜んでいただけるよう、丁寧に作っていきたい」と話す。ロンドンで出会った妻・真奈美さんの朗らかな接客も居心地がいい。
看板商品のチーズケーキは、酸味をおさえたまろやかな味わいとなめらかな食感に驚くはず。季節のフルーツが添えられ、この日はプルーンと。イートインのみ。ベイクドチーズケーキ(ドリンクとセット)¥1,500〜
生地はふわふわで、粉の風味や弾力も感じる仕上がり。カスタードクリームたっぷりで、グラニュー糖もまぶしてあるけど、軽い食感でペロリと食べられる。イートインのみ。カスタードドーナツ(ドリンクとセット)¥850〜
「焼き立てのおいしさを味わってほしい」とマドレーヌは注文後にオーブンで焼き上げる。
焼き立てマドレーヌはテイクアウトも可能だが、ぜひ大木さんが得意とするアイスクリームと一緒に味わって。アイスクリームは季節替わりで2〜3種揃うそう。写真はイチゴのシャーベット。マドレーヌ2個とアイスクリーム¥1,000
チョコレートブラウニーはテイクアウト可能。外はカリッ、中はしっとり。1個¥380
キュー
Kew
京都市右京区竜安寺五反田町15
TEL:075-406-0763
営)11時〜18時(17時30分L.O.)
休)月、ほか不定休
カード不可
www.kewkyoto.com
〉〉〉クラシックな焼き菓子をコンセプチュアルに提案。
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ノーウェアマン
2010年にスタートし、お取り寄せやイベント出店のみで展開していた洋菓子店が、ファン待望の実店舗をオープンした。場所は仏光寺南側の静かな通りで、白にゴールドを配したモダンな店構え。ショーケースにはクラシックなフランスの焼き菓子が並ぶ。店主の長野洋樹さんは祖父の代から菓子職人の家系。「お菓子は幸せのイメージが強いけど、疲れている時や落ち込んでいる時にも寄り添えるようなお菓子を作りたい」と語る。発酵バターとラムの風味が贅沢なガトーバスク、ザクザクした食感とアーモンドの香り豊かなガレット・ブルトンヌ、しっとり香ばしいフィナンシェ。焼き菓子の豊かな世界に魅了されるはず。
店の前にベンチが置かれ、買ったお菓子をその場で食べることができる。
入って右手に袋詰めの焼き菓子、ショーケースにはできたてのお菓子が並ぶ。
右が店主の長野さん。「音楽やアート、ファッションなど、自分が経験してきたことをひとつにまとめて表現したかった」と、お菓子には自作の詩が添えられる。クラッシックな焼き菓子とコンセプチュアルな打ち出しがユニーク。
スペシャリテのガトーバスク(左)¥500とガレット・ブルトンヌ(右、2個)¥560。ガトーバスクは外はサクサク、中はしっとりした絶妙な焼き加減。ガレット・ブルトンヌは本場ブルターニュ地方を訪れ、研究してたどりついた味と食感。
ピスタチオとグレープフルーツのタルト¥600、紅茶とホワイトチョコのスコーン¥380など。ショーケースのお菓子を狙うなら、オープン直後が狙い目。
右手の棚には、マドレーヌやフィナンシェ、サブレ、プラリーヌなど10種類前後のお菓子が並ぶ。「以前はお菓子と詩をリンクさせていたけれど、いまは言葉の羅列が美しいと思って、デザインとして使っています」と長野さん。
内装と同じく、ボックスも白×ゴールドでモダン。手土産にもぴったり。
ノーウェアマン
Nowhereman
京都市下京区高倉通高辻下ル葛籠屋町507-2
TEL:なし
営)12時〜19時
休)月、火
カード不可
www.nowhereman2010.com
photos:SADAHO NAITO, réalisation:NATSUKO KONAGAYA