編集者たちが見つけたお気に入りの逸品を熱く語る連載。今回は、バレンシアガの「ベルエアー」について。
このバッグで、オシャレの階段を軽やかに登る。
「ベルエアー」との初対面(?)は、遡ること4ヵ月ほど前。担当していたバッグ特集でシーズンの新作を撮影することになり、XLサイズを取り寄せたのが最初だった。第一印象は「デッッカッ!」。赤ん坊なら双子くらいすっぽり収まってしまいそうなエクストリームな大きさで、しかもそれを重量的な軽さでフォローしようとするような忖度は微塵もなく、オールレザーにメタル付きのフラップディテールが3つも付いていた。
昨今のバッグトレンドの一派を担う、スマホさえも入らないSLG的なバッグを「それが何か?」顔で持つ境地には辿り着けない、常に荷物多めな自分には「ベルエアー」の我が道ぶりにおおいなるアッパレ感を抱いたのを覚えている。

加えて言うなら、バレンシアガのアイテムに共通する魅力のひとつは圧の強さだと勝手に思っているのだが、このバッグの圧は最強。それをサラリと生かすには、(荷物多めがマイデフォルトだけど)入れる中身は極力抑えるべし。あくまでもスタイリングのバランサーとして極大サイズを利かせるわけで、なんでもかんでも放り込んで着膨れならぬ持ち膨れてしまうのはヤボの極み。そんな大切な学びもくれた「ベルエアー」様、オトナの階段はすでに登っちまった私ですが、オシャレの階段はぜひ一緒に登りましょう!(編集MA)


*「フィガロジャポン」2025年3月号より抜粋
editing: Mami Aiko
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