女性アーティストの作品から社会を見る。BWAがNMWA連動展の特別鑑賞会を開催

Society & Business 2026.03.22

アートは社会をどのように映し出すのか? 作品を前にした時、私たちは何を感じ、どんな問いを持つのだろうか?

「美しく豊かに働く」をテーマに、自分らしい働き方や生き方を考えるきっかけを提供するフィガロジャポンBusiness with AttitudeBWA311日、東京・表参道ヒルズのギャラリーAND COLLECTION Contemporary Artで開催中の展覧会「A Book Arts Revolution」の特別鑑賞会を開催。参加者が作品を前に対話を重ねながら、「アートと社会、自分との繋がり」を考える場となった。

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女性アーティストを世界に紹介する、NMWAの取り組み。

本イベントは、2月のBWA定例オンラインセミナーで紹介した米国の女性美術館、National Museum of Women in the Arts(NMWA)日本事務局との連動企画。フィガロBWAメール会員に向け、オンラインセミナーで学んだテーマを実際の場を訪れながら体感し、理解を深めることを目的に実施した。当日は約20名が参加し、それぞれの視点や気付きを分かち合った。

米国ワシントンD.C.に拠点を置くNMWAは、女性アーティストの作品を収集・展示する世界初の美術館。歴史的に評価されにくかった女性アーティストの活動を可視化し、世界に紹介することを目的に活動している。その代表的な取り組みが、世界各国のネットワークを通じて女性アーティストを紹介する国際プログラム「Women to Watch」。

今回の展覧会「A Book Arts Revolution」は、その国際プログラムと連動する日本企画。展示終了後には、5人の中から1人が日本代表として選ばれ、2027年にワシントンD.C.で開催予定の「Women to Watch」展に参加する予定だ。

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NMWA日本事務局代表の柏木式子もオンラインで参加。「アートや文化は、その時代に生きた人の声。同時代に生きている人の作品なので共通するところもたくさんある。ギャラリーというと敷居が高いと思われる方もいると思うけれど、作品について気軽に質問できたりするのが現代アートの魅力。ぜひ楽しんで」と呼びかけた。

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「本」というメディアから社会を見つめる5人のアーティスト。

ギャラリーに並ぶのは、入江早耶、風間サチコ、宮永愛子、村上華子、米田知子の5人のアーティストの作品。「本」というメディアを、ガラスや彫刻、版画、写真といったそれぞれの方法で表現し、「知識」や「記録」という概念を問い直す。

イベント冒頭、フィガロジャポンBWA事務局長の藤本淑子が「自分と作品、そして社会がどのように繋がっているのか、展示を通して考えてみて」と挨拶。続いて、NMWA日本事務局理事の笹川直子が、NMWA日本事務局が女性アーティストを支援する背景、現代アートの楽しみ方を語った。

「一見、『これは何だろう?』と思うアート作品もあるが、それが面白いところでもある。特に現代アートは、なぜその作品を作ったのか、作家本人に聞いてみたり、やりとりをできるのも魅力のひとつ。作家も私たちと同じ時代を生きているので、作品の中には共通する課題や思いが必ずあるはず。これをきっかけに、皆さんが少しでもアートに触れ、関心を持っていただけたらうれしい」

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NMWA日本事務局理事の笹川直子は「いまは激動の時代で、先が読めず、自分自身もこれからどうなるか不安を感じることも多い。そうした中で『わからないものをそのまま受け止めてみる』という姿勢を保つことが大切なのではないか」と語った。

その後、参加者はふたつのグループに分かれ、ギャラリーのスタッフの解説を受けながら作品を鑑賞した。

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AND COLLECTION Contemporary Artのギャラリースタッフ2名がそれぞれのチームに同伴。それぞれの制作背景や経緯を丁寧に語ってくれた。

歴史や社会構造をテーマに木版画を制作する風間サチコは、東日本大震災以後の東北の風景から着想を得た2作品を展示。鋭い彫刻刀の線で刻まれたモノクロームの画面には、それぞれの土地に積み重なる歴史と現在、和歌や伝説といった文化要素が盛り込まれ、「過去、そして未来をどう捉えるか」をそれぞれに問いかけた。

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松尾芭蕉の句や、平安時代から好んで詠まれてきたという、旧北上川にある歌枕「袖の渡り」を題材にした風間サチコの版画作品。大規模な作品を前に、参加者も圧倒される。

一方、ナフタリンや塩、ガラスなど多様な素材を用い、時間の経過や気配の痕跡を主題にした作品を制作する宮永愛子は、ガラスの本に長年の潮汐記録を焼き付けた「Strata」という作品を展示。カメラでは捉えきれない繊細な移ろいに、参加者たちは足を止め、ガラスの中に閉じ込められた時間の痕跡に静かに見入っていた。 

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宮永愛子の繊細なガラス作品に、立ち止まって見入る参加者たち。

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アートを通して見つめる、自分と社会との繋がり。

5人の女性アーティストの作品を、他者とともに鑑賞することで、社会の見え方や自分の価値観を見つめ直すひとときとなった今回のイベント。

参加者からは、「現代アートの解説を聞くのは初めてだったが、今回の経験で新しい視点を持つことができた」、「作品の背景や作家の意図を知ることで、ただ眺めるだけでは気付けない視点を得ることができた」、「知的好奇心を刺激される参加者と、同じ空間を共有できて心地よかった」といった声が寄せられた。

アートは時に、私たちの価値観や社会の見方に変化をもたらすきっかけになる。

作品に向き合い、言葉を交わすことで生まれる新しい視点。その小さな気付きの積み重ねが、自分自身の生き方や働き方を考えるヒントになるのかもしれない。

Women to Watch 日本連動展
A Book Arts Revolution』

会期:〜3/29(日)11:00~20:00
*3/27(金)は11:00〜15:00
会場:AND COLLECTION Contemporary Art
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ本館B2F
入場料:無料
休館日:なし
主催:NMWA日本委員会
問い合わせ先:
NMWA日本委員会事務局
https://www.nmwa-japan.com/
問い合わせフォーム:https://www.nmwa-japan.com/inquiry#contact

photography: courtesy of AND COLLECTION Contemporary Art

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