ヌーヴォーだけじゃない、いまどきボージョレーワインの楽しみ方。【フランス、美食の渓谷を巡る旅】

Lifestyle

フランス東部のソーヌ川からローヌ川の流域は、国内随一の美食都市リヨンをはじめ、果物やハーブの産地、ワインの銘醸地が点在するグルマン垂涎のエリア。「ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー(美食の渓谷)」を巡って、より深くフランスを味わう旅へ。


Beaujolais
ボージョレー

世界随一のガメイを育む、美しき丘陵。

ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミーの始まりの場所はディジョン。マスタードで知られるこの街を出発し、ソーヌ川を辿って南へ。なだらかな丘に沿って等間隔にブドウの木が植えられたエリアは、ガメイの産地ボージョレー。毎年11月第3木曜日に解禁されるボージョレーヌーヴォーが有名だが、近年イメージが変わりつつある。

小高い丘からボージョレーの畑を望む。

シャトー・ドゥ・ラ・シェーズはいまのボージョレーを牽引するワイナリーのひとつ。1676年築のラ・シェーズ城は、ヴェルサイユ宮殿の一部を手がけたジュール・アルドゥアン=マンサールによるもので、建物だけでも一見の価値があるが、注目すべきはそのクリエイションだ。「ヌーヴォー(新酒)は造っていません」とディレクターのボリス・グリュイは言う。骨格のある赤ワインを生むブルイイ、シルキーなテクスチャーを生むフルーリーなど4つのクリュを持ち、テロワール感じるワインを造り出している。8〜18カ月間熟成させるこだわりも、早飲みワインのイメージと異なる。

ワン村の城塞内には約250人が暮らす。

ボージョレーの現在形を楽しむのに絶好な場所がある。南部に位置するワン村だ。「フランスの最も美しい村」に選出されたここは、1200年頃に城砦化し、城砦の石が家に活用されている。1億6千年前の石は酸化鉄を含むため黄色く鮮やかで、太陽が当たると黄金色に光り、その美しさが訪れた人を魅了する。小さなオルガン博物館などを散策し、村でいちばん高いワン塔を上ると眼下に黄金の家々、その先にはブドウ畑が見える。ここで体験できるのが特別なアペリティフだ。生産者が自慢のワインとチーズやシャルキュトリーを持ち込み、小さなボージョレー祭りが繰り広げられる。村のストーリーを聞きながら地元のワインとおつまみに舌鼓。パリジェンヌも羨む最高のアペロ体験がここにある。

左:視線を感じ、振り向くとワン村の住民(猫)が。 右:オルガン博物館は入場無料で募金スタイル。

ボージョレーのプレステージワインを牽引。

Château de la Chaize
シャトー・ドゥ・ラ・シェーズ

城はピラミッドと同じ黄金比を採用。現在工事中。

450haを誇る敷地内には、歴史的建造物である城とチュイルリー公園でも知られる造園家アンドレ・ル・ノートルによる庭が広がる。ピンク色の花崗岩土壌など個性の異なるさまざまな区画を持ち、15品種のワインを生み出すシャトー・ドゥ・ラ・シェーズは、特に4つのクリュから生まれる4種のワインが国内外で好評だ。透明感と穏やかな酸味があるブルイイのガメイなどを、別注のオーク樽とステンレスを使い分けて醸造。美しい景観にふさわしい、繊細なガメイに出合える。

試飲付きの見学ツアーやショップも。左から、「Château de la Chaize Brouilly lieu-dit « La Chaize » Monopole」「Château de la Chaize Fleurie lieudit « La Chapelle des Bois »」各750ml 各36ユーロ、シャルドネ「La Chaize Beaujolais Blanc」750ml 17.50ユーロ
1771年築の貯蔵庫に並ぶフードル(大樽)。
経営と醸造を管理するボリス・グリュイ。

Château de la Chaize
シャトー・ドゥ・ラ・シェーズ
500, route de la Chaize 69460 Odenas
04-74-03-41-05
営)9:00~17:00
休)日、月
※見学ツアー(9時~、11時~、13時~)は要予約、1人30ユーロ
https://www.chateaudelachaize.fr/
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景色と歴史と美酒を味わう、とっておきアペロ時間。

Apéritif de la Tour d’Oingt
ワン塔アペロ体験

この日は「La Rose Nacarat」の造り手が自身のワインを4種類提供。天気の良い日は屋上で体験できる。

ワン村を象徴する塔の屋上、ブドウ畑ビューでアペロ体験ができるエクスクルーシブなアクティビティ。地元の生産者が持ち寄る白、ロゼ、赤ワインとおつまみのラインナップはその日のお楽しみ。ニンニクチーズやセルヴェル・ドゥ・カニュ(ハーブ入りチーズディップ)など、ここでしか味わえない地産地消のアペロは、まさに旅の醍醐味。

ワン塔は高さ約20m。

Apéritif de la Tour d’Oingt
ワン塔アペロ体験
115, Montée de l’Église 69620 Val d’Oingt
開催時期:毎年5月頃~9月頃
要予約
料)1人30ユーロ
https://www.beaujolais-tourisme.com/en/aperos-de-la-tour.html
Google Map

学びと美食とウェルネスが叶う、ワイナリー宿。

Hôtel & Spa Château de Pizay
オテル&スパ シャトー・ドゥ・ピゼ

レセプションとレストラン、バーは本館内にある。

建物の歴史は1030年まで遡る。造園家アンドレ・ル・ノートルによる壮大な庭に加え、80haものブドウ畑も所有。併設するワイン博物館兼ショップ、エノテークには、香りの違いやヴィンテージの差などをクイズ形式で学べる体験コーナーがあり、ワイン初心者でも楽しめる。ハイライトはメインダイニングでの自家製ワインと地元食材とのペアリング。テロワールを学んでから飲むワインは格別! プールやスパ、サウナが充実しているので、ウェルネス目的に訪れる地元っ子も多い。

部屋のほとんどがメゾネットタイプ。
館内のレストランは外来利用OK。ディナーコースは59ユーロから用意。ワインは「Château de Pizay/Régnié」(ボトル46ユーロ)など自社ワインが中心。
併設のワイン博物館。1階はショップと角打ち、地下には8つのブースに分かれた学びのコーナーがある。

Hôtel & Spa Château de Pizay
オテル&スパ シャトー・ドゥ・ピゼ
443, route du Château 69220 Belleville-en-Beaujolais
04-74-66-51-41
全62室 バスタブ付き11室
スタンダード169ユーロ~ 朝食26ユーロ
https://www.chateau-pizay.com/
Google Map

★フランス旅のお役立ちサイト

ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー
https://www.valleedelagastronomie.com/

オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方観光局
https://www.auvergnerhonealpestourisme.com/

プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局
https://provence-alpes-cotedazur.com/

フランス観光開発機構
https://www.france.fr/ja/

レイルヨーロッパ
https://www.raileurope.com/

  • photography: Taisuke Yoshida
  • ●1ユーロ=約184円(2026年5月現在)
  • ●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりにかけてください。
  • ●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。

*「フィガロジャポン」2026年5月号より抜粋