8月は、パリ・オペラ座のPOPでシーズン2025/26のバレエ三昧。
パリ・オペラ座のシーズン2025/26が7月14日に終了し、次のシーズン9月28日に始まるまでガルニエ宮の見学はできてもバレエの公演は行われていない。そんな時、うれしい存在がパリ・オペラ座の有料ストリーミングサイトPOP(Paris Opéra Play)だ。終わったばかりのシーズンから、早くもミックスプログラム3公演が加えられた。今年の夏は中国でアニエス・ルテステュ監修のガラ、韓国でパク・セウンが座長のガラ、アメリカではユーゴ・マルシャンが仲間を引き連れての公演があり、オペラ座バレエ団のダンサーたちは大忙し。海外まで観にゆかれない、というフラストレーションもこれで解消!
もちろん、ここで紹介する3公演以外にもPOPでは『マイヤリング』『ラ・バヤデール』『パキータ』などのステージが視聴でき、さらにドキュメンタリーやマスタークラスなどバレエファンを喜ばせるプログラムだ。なお『トスカ」『アイーダ』などオペラの演目も多数!
ミックスプロ「Racines」(公演2025年10月6日~11月10日)
ジョージ・バランシン振付『Thème et variations』
チャイコフスキーの音楽を使い、自身をダンサーとして育て上げたロシアンスタイルにオマージュを捧げる作品としてバランシンは1947年に『Thème et variations』を創作した。オペラ・バスティーユのステージではメインダンサーが、ヴァランティーヌ・コラサント×ポール・マルク、ブルーエン・バティストーニ×トマ・ドキール、ロクサーヌ・ストヤノフ×ロレンツォ・レッリという3配役で踊られた。収録されたのはファーストキャストのヴァランティーヌとポールのステージ。コール・ド・バレエのダンスも美しく見どころのひとつだ。

ムチュチュゼリ・ノーヴェンバー振付『ラプソディ』(レパートリー入り)
ケープタウン出身のノーヴェンバーがジョージ・ガーシュインの名曲『ラプソディ』に振り付けた22分の作品。女性9名、男性13名のダンサーが都会のエネルギー、彼の故郷アフリカのエネルギーを力強く踊る。マグダ・ウイリのセットデザインもおもしろい。収録されたのはレティシア・ガロニ×イヴォン・ドゥモル。ちなみに、もうひとつの配役はカン・ホヤンとパブロ・ルガサだった。

クリストファー・ウィールドン振付『Corybantic Games』(レパートリー入り)
音楽はレオナード・バーンスタイン。オーケストラを指揮する際のバーンスタインの熱のこもったスタイル、そしてテーマとなっているギリシア神話に登場する女神シベルの戦闘的に踊る神官たちの2つが、ウィールドンの振付のベースとなっている。コスチュームはデザイナーのアーデム・モラリオグルが担当した。第1楽章を踊るのはブルーエン・バティストー二×トマ・ドキール、シルヴィア・サン=マルタン×パブロ・レガサのカップル。第2楽章のソロはカン・ホヤン。第3楽章のパ・ド・ドゥはイネス・マッキントッシュとジャック・ガツォット、第4楽章のソリストはブルーエン、シルヴィア、ホヤン、パブロ、トマそしてフロラン・メラックだ。第5章はロクサーヌ・ストヤノフのソロだ。なかなか豪華な配役である。

ミックスプロ「Contrast」(公演2025年12月1日~31日)
トリシャ・ブラウン振付『O zlozony / O composite』
2004年にパリ・オペラ座バレエ団のために創作された作品。最後に踊られたのが2012年と実に久々だ。2配役あり収録されたのはドロテ・ジルベール×マルク・モロー×ギヨーム・ディオップのエトワールトリオ。もう1配役はマリーヌ・ガニオ×アントワーヌ・キルシェール×アンドレア・サーリのプルミエ・ダンスールのトリオだった。

トリシャ・ブラウン振付『If you couldn’t see me』(レパートリー入り)
観客に背を向けて、ひとりのダンサーがステージで踊る10分の作品。ブラウンが自分に振り付けたもので、今回配役されたのは収録されたオニール八菜に加え、ヴィクトワール・アンクティル、レティシア・ガロニそしてジェルマン・ルーヴェの4名だった。

ダヴィッド・ドーソン振付『Anima Animus』(レパートリー入り)
ステージ狭しと黒と白のグラフィカルなコスチュームでダンサーたちが踊る。テクニックの妙と抒情的詩情のコントラストが見どころだ。ソリストはヴァランティーヌ・コラサント、ブルーエン・バティストーニ、ポール・マルク、カン・ホヤン、ビアンカ・スクダモア。

イムルー&マルヌ・ヴァン・オプスタル『Drift Wood』(創作)
イムルーとマルヌが流木をテーマにオペラ座バレエ団のために初めて作品を創作した。パリ・オペラ座バレエ団でコンテンポラリー作品に多く配されるキャロリーヌ・オスモン、イダ・ヴィイキンコスキー、マリオン・ゴティエ=ドゥ=シャルナセなど女性7名、ルー・マルコー=ドゥルアールなど男性5名というキャスティング。なお、この中には次シーズンに入団する当時契約団員だったエリック・ピント=カタ(写真下・左)も含まれている。衣装デザインはデザイナー自身もかつてダンスを学んでいたというブランド、アランポールに託された。

ミックスプロ「Empreintes」(公演2026年3月11日~28日)
モーガン・ルナクレ=テンプル、ジェシカ・ライト『Arena』(創作)
ビデオがダンスにどのような貢献をもたらせるのか。映像畑出身の振付家デュオが、その追求をステージ上で展開。ルー・マルコー=ドゥルアール、ナタン・ビソン、ニンヌ・セロピアンがメインダンサーで、彼らとコール・ド・バレエのダンサー13名がステージで踊り、また映像としてステージに投影されて……。

マルコス・モラウ『Etude』(創作)
オペラ座バレエ団のダンサーたちの日常にインスパイアされた作品で、カーテンコールから始まり、最後はデフィレの時にダンサーたちが行進を始めるステージ裏手のフォワイエ・ドゥ・ラ・ダンスへと吸い込まれるように歩いてゆき、通常とは逆方向の流れで創作されている。途中、ガルニエでおなじみの巨大なシャンデリアの複製がステージを占め、また後半、ステージ後方に鏡が配された観客席が映り込んで……男女ともに全員が同じティアラとコスチュームという姿でモラウ独特のギクシャクとした動きで踊る。ロレーヌ・レヴィ、ナイス・デュボスク、ルナ・ペーニュ、アレクサンドル・ボカラ、ユーゴ・ヴィリオッティといったダンサーに注目を。

POP(Paris Opéra Play)
月契約 9.90ユーロ
年契約 99ユーロ
28歳以下月契約 9.90ユーロ
https://play.operadeparis.fr/