ハリー王子とウィリアム皇太子、帰国で再燃する確執と浮かび上がる素顔。
ハリー王子とメーガン夫人は今月末までにイギリスに戻り、今後は同国内で暮らすことになる。父チャールズ3世との仲は修復に向かっているようだが、兄ウィリアム皇太子との関係はどうなっているだろうか。

「ふたりは生涯仲が悪いでしょう」と王室評論家のマーク・ロシュは8月22日、ウィリアム皇太子とハリー王子の兄弟仲についてフランスのマダムフィガロ誌に断言した。2020年に米国へ渡って以来、チャールズ3世の次男であるサセックス公爵ことハリー王子夫妻はイギリス王室から距離を置き、父や兄と一時期かなり仲が悪かった。王室の公務を退き、警護の取り止めを巡って英国政府と法廷で争い、2022年にはオプラ・ウィンフリーによるインタビューで世間に衝撃を与え、2023年には回顧録『Spare(スペア)』を出版した。ハリー王子によるこうした一連の動きはイギリス王室との関係を悪化させるばかりだった。しかし今回の帰国は、和解の可能性を示唆している。
チャールズ国王がガンであることを公表して以来、ハリー王子との関係は改善に向かっているようだ。2025年5月、ハリー王子はBBCに対し、家族と対立し続けたくないと語っている。「父にどれだけの時間が残されているのか分かりません」と言うと、「一部の家族とは数々の対立がありました。でも私の方はもう恨んでいません。家族と和解したいのです。争いを続けても無意味です。人生は貴重なのですから」と続けた。通信社プレス・アソシエーションによれば、次男一家が帰国することを8月16日に知った国王は、「家族と再会できることを個人的に喜んでいる」そうだ。しかし、仲が悪いとされるハリー王子と兄ウィリアム皇太子の関係についてはどうなのだろう。ふたりは仲直りできるのだろうか。
頑固な皇太子
2025年9月17日に著書『Ma vie chez les Windsor』(Albin Michel刊)を上梓しているジャーナリストのマーク・ロシュによれば、「ウィリアム皇太子は、弟からイギリス王室は人種差別だと非難され、さらに自伝などで自分とキャサリンを名指しで批判されて以来、一度も口をきいていません」。BBCが報じているように事態はかなり深刻で、ただの兄弟げんかというよりも「怒りと恨みが入り混じり、相手を全く信頼できなくなっての断絶状態」なのだそうだ。
ハリー王子が戦いの斧を埋めて兄と和解する準備ができていたとしても、兄の方はそうではないようだ。「ウィリアム皇太子はとても頑固です」と、家族ぐるみの付き合いをしている友人のひとりはBBCに語っている。「実の弟に裏切られたと感じ、辛い思いをしたのです。簡単には水に流せないでしょう」。これまでは大西洋に隔てられていたので、弟の言動を無視することができた。しかし、これからはそうもいかなくなる。BBCによれば、ハリー王子の家族はウィンザーから車で数分の距離、ウィリアム皇太子の家からそう遠くない場所に居を構える可能性があるそうだ。その場合、ウィリアム皇太子の方から弟と仲直りすべきだというプレッシャーがかかる可能性がある。「ウィリアム皇太子は和解すべきなんてプレッシャーは気にしないでしょう」と王室評論家のヴァレンタイン・ロウ氏はBBCに語った。「ハリー王子の行いが許せない、王子のせいで被害を被ったと考えていて、和解したくないと思っている限り、和解しないでしょう」
王室のイメージに悪影響
王室評論家のマーク・ロシュによれば、この兄弟不和は、ハリー王子とメーガン夫人の帰還にともない、王室が直面するであろう数々の問題のうちでも大きなもののひとつだ。「国王はひどく気をもんでいるに違いありません」と言うマーク・ロシュは、ハリー王子夫妻とウィリアム皇太子夫妻の間で人気競争のようなものが起これば、王室のイメージを損ないかねないと懸念する。「メーガン夫人とヘンリー王子はとても華やかで、SNSの扱いにも長けています。ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃と全く違う。メディアのなかで皇太子夫妻の扱いがかすんでしまう恐れがあります」とマーク・ロシュは懸念の理由を説明した。「制度上、これはまずいわけです。ハリー王子の王位継承順位は第5位であり、第1位なのはあくまでウィリアム皇太子です。それに続くのが皇太子の子どもたちです」。マーク・ロシュはさらに「対抗勢力」の台頭という点も指摘した。ウィンザー家を支持するのが昔ながらの伝統的な層である一方、ハリー王子夫妻は「若い移民層」や「高学歴の若者層」に比較的人気がある。
「この点が王室のアキレス腱です。王室は白人・アングロサクソン・プロテスタントのイメージで捉えられがちで、しかもアンドルー元王子を巡る問題や金銭スキャンダルのせいで人気はどん底です」とマーク・ロシュは言うと「国王とキャサリン皇太子妃のガンによって盛り返した人気も、こうした問題によってすっかり打ち消されてしまいました。そして、ウィリアム皇太子とハリー王子の兄弟げんかが王室の人気にプラスに働くことはないでしょう」と続けた。「サン」紙元編集長で、ポッドキャスト「When It Hits the Fan」のMC、デイヴィッド・イエランドも同様の意見だ。同氏は、ハリー王子帰国後、この兄弟仲の悪さのせいで事態が相当複雑になると見ている。
「ふたりが何をしようとも、ウィリアム皇太子がどこへ行こうとも、常にこの件について質問されることになるでしょう。ハリー王子が戻ってきたのですから」とBBCのポッドキャスト番組「BBC Breakfast」で同氏は語ると、「ふたりで抱き合う必要も、演出された写真も必要ありません。単にふたりが会ったことを確認する公式声明さえあればいいのです。王室にとってこれは広報の危機です。ウィリアム皇太子が先手を打つべきでしょう。そうしなければ、これから何年もずっとこの件を蒸し返され、評判を損なうことになります」と続けた。ハリー王子とメーガン夫人は子どものアーチー王子とリリベット王女を連れて今月末までにイギリスに引っ越す予定だそうだ。一家がいつどのように戻ってくるのか、兄の家族が出迎えるのかに注目が集まっている。
From madameFIGARO.fr
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
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- text: Leonie Dutrievoz (madame.lefigaro.fr)
- edit: フィガロジャポン編集部