Paris City Guide - Eat Restaurant

ユニークなスパイスの味わい。ガストロパブの「インディアン・アームズ」へ。

2026.09.06

ロンドンでガストロパブといったら、筆頭料理はフイッシュ&チップス。ではパリでは? パリで複数のレストランを経営するシェフManoj Sharmaが初夏に開いたのは、英国風のパブにインスピレーションを得たThe Indian Arms(ジ・インディアン・アームズ)だ。インドのデリーで生まれ、ロンドンで12年料理の腕を磨いたシェフMonoj Sharmaによる、インド料理のスパイスを駆使したちょっと贅沢な料理とカクテルが売りというガストロパブである。パリの既存のパブとは一線を画す、ユニークなジャンルなのだ。

地下鉄La Bourse駅またはSentier駅から徒歩6分くらいの場所にオープンしたThe Indian Arms。photography: JoannPai
左:オーナーシェフのMonoj Sharma。 右:脇の壁には、ロンドンをベースにするアーティストによるグラフィティ。photography: JoannPai

店内のインテリアにも料理同様に、パブの雰囲気を取り入れつつインディアンタッチが加えられた。デザインスタジオCarderonのマリーヌ・カスタニエとシェフはロンドンでヴィンテージのオブジェを探し、画家のKarcに絵画を特注した。インドで喜びを表す赤が天井と壁に用いられ、壁の下半分にペイントされた明るい空色とハーモニーを奏でている。通りに面したファサードは、英国のパブを意識したグリーンをモダンな色調で。

空色が優しく、ノスタルジックな雰囲気が漂うコーナー。photography: JoannPai
店内のメインカラーは赤。photography: JoannPai
左:地下の大人用テーブル。 右:地下のスピークイージー風サロンのバーカウンター。 photography: JoannPai

ブルスとサンティエの間というオフィスが多い地区なので、ランチタイムにはそこで働く人々が集まってくる。21ユーロのセットメニューはチョイスも豊富。夕方は17時からハッピーアワーだ。仕事帰りの人、界隈の住民もここで一杯、シェア料理をつまんで……。ディナーは19時30分から。大勢のグループなら、地下にあるスピークイージー風の空間(要予約)でプライベートな食事時間が約束されている。メニューを見てみよう。オレンジ色のレンズ豆のダルを添えたスコッチエッグ、マサラスパイスでマリネしたフィッシュ&チップス、ヴィンダルー風ポークリブなど、パリ市内このレスランでしか味わえない料理の数々が魅力だ。なおインド料理でおなじみのナンはなく、その代わりにニンニク、ガンパウダースパイスのブリオッシュをシェフは提案。パリっ子にも珍しい味わいは、デザートまで続く! インドに生息するベンガルタイガーと英国生まれの犬グレイハウンドが共存するロゴに、シェフが作り上げたレストランのアイデンティティが見て取れるようだ。

左:パブといったら飲み物はギネス・ビール。それに加えてインドのスパイスを生かしたカクテルおよびモクテルもメニューに並ぶ。 右:前菜だけではなくシェア料理も複数あり、ハッピーアワーが盛り上がりそう。photography: JoannPai
前菜(写真左)とメイン。スパイスゆえに、全体的にオレンジ色ぽい料理がテーブルに並ぶ。photography: JoannPai

The Indian Arms
9, rue Paul Lelong
75002 Paris
営)12:00〜14:30、17:00〜23:00(ハッピーアワー17:00~19:30)
休)日
@theindianarms.paris

大村 真理子

madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター

東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。2006年から「フィガロジャポン」パリ支局長を務めた後、フリーエディター活動を再開。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。

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