10月15日19時30分、ドロテ・ジルベールのアデュー公演の生中継をPOPで。
チケット難民が続出しているドロテ・ジルベールのアデュー公演。パリ・オペラ座で10月15日の19時30分に開幕する『マノン』である。会員向けのチケット発売日では30分もしないうちに売り切れ、一般発売開始日には早朝からガルニエ宮のチケット売り場に行列ができて……。会場となるガルニエ宮は2054席の小さな劇場。チケットが入手できない人が大勢というのも仕方ない。とはいえ、この素晴らしいエトワールのアデュー公演は見逃せない! 女優ダンサーの異名をとる彼女が最後に演じる『マノン』を目に焼き付けておきたい!と、皆諦めきれないのだ。

そこに強い味方の登場である。パリ・オペラ座のストリーミングサイト「Paris Opéra Play(POP)」でライブ上映されることが決まったのだ。『マノン』はライブ上映された後、30日間視聴が可能だ。偉大なるエトワール、ドロテ・ジルベールのパリ・オペラ座での最後の公演を見る機会であり、またエトワールのアデュー公演の感動をスクリーン越しに分かち合えるチャンスである。この晩の配役はパートナーのデ・グリュー役がユーゴ・マルシャン(エトワール)、兄レスコー役はトマ・ドキール(エトワール)、その愛人役が10月27日にはマノン役を踊るビアンカ・スクダモア(プルミエール・ダンスーズ)。


これまで躊躇っていた人も、いよいよPOPに契約する時が来たのではないだろうか? 月契約が9.90ユーロ、年間契約が99ユーロ。パリ・オペラ座の会員は半額というメリットがある。また、契約をせずにライブだけをワンショットで見たいという場合は、14.90ユーロ。 POP契約者はいまなら、ドロテとユーゴという黄金のペアによる『ラ・バヤデール』(10月30日まで)、またドロテがギヨーム・ディオップ、マルク・モローと踊ったトリッシャ・ブラウンの『O zlonzny/ O composite』(公演C ontrastes)の視聴が可能。(https://play.operadeparis.fr/en)

アデュー公演を行う行わないはエトワール各人の自由に任されている。キャリアの最後を怪我で降板している場合、過去にはエルヴェ・モローのように公の場に姿を見せぬまま退団するか、エミリー・コゼットやローラ・エケのようにデフィレに参加して華やかに締めくくった例がある。最後まで踊り続けていても、ニコラ・ル・リッシュの場合は自身が1作品を踊るプログラムのガラ形式だったり、ステファン・ブリヨンやリュドミラ・パリエロはミックスプロの1作品を踊ってガルニエ宮を後にした。アリス・ルナヴァンは『ジゼル』という初役をアデュー演目に選び、アデュー公演中の第2幕で怪我……という例もある。引退年齢の42歳まで体調を整えて全幕でアデュー公演を行うのはダンサーにとっては簡単ではないのだ。最近はミリアム・ウルド=ブラームが『ジゼル』、マチュー・ガニオが『オネーギン』の全幕を踊り素晴らしい模範を示し、このふたりに続くのが、骨の髄までプロ精神が染み込んでいるドロテ・ジルベールということになる。9月23日、オペラ・バスティーユで『マノン』をテーマにしたドロテ・ジルベールのトークショー(Toi Toi Toi)が開催された。10月15日のアデュー公演について、『マノン』での役の取り組みについてなど多くを語っている。アデュー公演を劇場あるいはPOPで観る人も見ない人も、作品だけでなくドロテ・ジルベールの人柄に触れることができるので必見だ。
