極上の'シンプル'というのは
こういうことでしょうか?
<font size=1>「Preikestolen Fjellstue(ブレイケストーレン・マウンテン・ロッジ)」スタヴァンゲル・フィヨルド/ノルウェー</font>

Lifestyle
 北欧とは、正式には5カ国3地域、合計8カ国が「北欧諸国」と呼ばれているのをご存じでしたか?アイスランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、そして、オーランド諸島(フィンランド領)、グリーンランド(デンマーク領)、フェロー諸島(デンマーク領)です。私も明確には知りませんでした!

スタバンゲルの町の港、ここからフィヨルドへ出発する観光船に乗る

 その中でも、スカンジナビア諸国と呼ばれるのがスウェーデン、ノルウェー、デンマークなのです。そのノルウェーには縁あって度々行っているのですが、今回はフィヨルド観光の真っ直中にある超人気スポット「スタヴァンゲル」を訪ねました。人気スポットとはいえ、日本からそこまで辿り着くのは並大抵ではありませんでした。一番良い方法は、日本からは首都オスロに入らず、デンマークで乗り換えて直接、ノルウェー第3の都市である’スタヴァンゲル’まで飛んでいきます。スタヴァンゲルはフィヨルド観光への出発地の一つとして知られた美しい港町です。この町からフィヨルド観光船に乗り込み「プレイケストーレン」という人気スポットを目指しました。プレイケストーレンは「教会の説教壇」の意味があるそうですが、なぜそう呼ばれているか? は、写真を見て頂ければおわかりでしょう。なんたって、毎年10万人もの観光客が世界中から訪れるスポットでもあるのです。

(上)フィヨルドの情景、最初は穏やかな情景が続く(左)少しづつフィヨルド幅も狭くなり岩場も厳しく切り立ち、高さも増してくる(右)四角に切り立った岩が、まさにプレイケストーレンと呼ばれる岩場

(左)水しぶきを浴びる激しい滝も幾つもある(右)プレイケストーレンを上から見ると、こんなに高い場所にある

 もちろん、ここではホテルをご紹介するのですが、その山小屋風なホテルは、そのスポットまで行くために泊まる人がほとんどで、そうでない人もほぼ全員がフィヨルド観光や山のトレッキング目的の人々です。つまり、アプローチがなかなか大変な場所なので目的無しにフラッと遊びに行く・・というのはあまりないのです。そのホテルこそが、今回のテーマであるデザイン・エコロッジ「プレイケストーレン・マウンテン・ロッジ」です。

プレイケストーレン・マウンテン・ロッジ

 このロッジは、スタヴァンゲルからフィヨルド観光船でフィヨルドを堪能しながら、TAUという町の小さな船着き場で下船します。そこから車で(タクシーはあらかじめ予約しておく方がベター)山道を走ること約40分。「プレイケストーレン・マウンテン・ロッジ」を目指します。例の人気スポットの岩場まで行くには、このロッジから山を登ること約2時間、下りでも1時間半は歩かなければならない秘境なのです。

プレイケストーレン・マウンテン・ロッジから見た景色

 さてそのマウンテン・ロッジですが、デザインホテルのようなスタイリッシュなロッジであり、創業は2008年。なんとその翌年にはノルウェー国内の「最優秀建築賞&環境保護デザイン賞」を受賞しています。建築には自然素材が使用され、釘を使わない構造で建てられており、ここそこにエコの工夫、寒さのためにエネルギー効率を良くする構造など、建築家の環境配慮が行き届いていました。エコ対策は徹底していて、客室内もシンプルそのもの。アメニティなどというものはほとんどありません。さすがにバスタオル、ハンドタオルだけは1枚づつ置かれ、手洗い用の液体石鹸が壁に掛かっていました。室内にはテレビやオーディオ、電話、ミニバーもありません。ただし床暖房、暖房設備、二重窓など寒さ対策は万全です。

(左)2階にあるサロンは誰でもが自由に使える場所(右)寝室はいずれもシンプルだが、快適

(左)明るく気持ちのいいロッジのレストラン(右)レストランではこんなお洒落な料理が供される

 部屋の窓も採光のため窓枠の傾斜が特殊に造られ、さらに光の反射を利用するため塗料の色まで計算されています。レストランではオーガニック素材の郷土料理や創作料理が提供され、とても美味しいのが印象的でした。驚きは、「ゼロ・エミッション」(ゴミをゼロに)もほぼ実現していることでした。たった28室の小さなロッジですが、モダンで清潔で、リーズナブル。環境に対する強固な意志が感じられ、泊まっていて、なんだかとても幸せな気分になりました。(K.S)

Preikestolen Fjellstue
(ブレイケストーレン・マウンテン・ロッジ)

4126 , Jφrpeland Norway
tel:+47-5174-2074
www.preikestolenfjellstue.no
部屋数/28室
料金/シングルNOK.995~1295、ダブルNOK.1295~1595、
(いずれも朝食とリネン代込み)
アクセス/スタヴァンゲルから船でTAUまで。
TAUからはプレイケストーレン行きバスで
終点で降りれば目の前。

*取材協力/スカンジナビア政府観光局


Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/series/bon-voyage/post-567.html