デヴィッド・ボウイの自伝映画、遺族難色で大モメの予感。

Culture 2019.02.01

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イギリスの俳優兼ミュージシャンのジョニー・フリン

2016年に亡くなったデヴィッド・ボウイの半自伝的映画『Stardust(原題)』において、ボウイを演じる主演俳優がジョニー・フリンに決まったと報じられた。

ジョニーはイギリスの俳優兼ミュージシャンの35歳。これまで『ブルックリンの恋人たち』『アクトレス~女たちの舞台~』などの映画やドラマ、舞台に出演するかたわら、フォークロックバンド「ジョニー・フリン&ザ・サセックス・ウィット」のフロントマンとして音楽活動もこなしている。今回の大抜擢は、ジョニー自身がミュージシャンという経歴も影響したようだ。

『Stardust』は、71年に行われたボウイの初となるアメリカツアーを舞台に、ボウイが“ジギー・スターダスト”というスーパーヒーローを生み出すに至った背景を描くとしている。

監督は『大統領暗殺』でエミー賞を獲得したガブリエル・レンジ、脚本はクリストファー・ベルが手掛けるほか、他のキャストにはボウイの最初の妻であるアンジー役にジェナ・マローン、パブリシスト役にマーク・マロンの出演が決まったようだ。

また、本作のサウンドトラックには、ボウイによる音源も使われることが見込まれるが、ボウイの長男であるダンカン・ジョーンズ監督は、本作の制作について難色を示している。

ジョニーの主演決定が報じられると、「どの伝記映画も(父の)音楽の使用権が認められていないのは明らかだ。僕なら知っていて当然のこと」とツイート。さらに「この映画が実現しないとは言っていない。正直なところ、わからないんだ。いまのところ、この映画には父の音楽は使われないし、それが変わるとも思えない。父の音楽を使わない、さらに家族の承諾が得られていないこの映画を観るかどうかは、観客次第だ」と続けている。

本作は6月にクランクイン予定と報じられているが、ボウイの生前にもボウイの自伝的ミュージカルが頓挫した過去があるだけに、今回も制作が中止に追い込まれる可能性はある。ボウイの音源なくしてボウイの映画はありえない。クイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』があれだけヒットしたのも、ひとえにフレディの音源を使ったからに他ならない。

現在、ミュージシャンの伝記映画化はひとつのトレンドではあるが、ボウイ映画が本当に実現するのか、今後の動向を見守りたい。

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photo: Shutterstock/AFLO, texte: ERI ARIMOTO

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