2020年のクリエイティブシーンを彩った、常田大希という男。
Culture 2020.12.01
2020年、人によってさまざまに感じることの多かった一年。直接人に会う機会が物理的に奪われた一方で、改めて自分自身の価値観に向き合ったり、新たな挑戦を始めたりする人が多かったのも事実だろう。
自宅待機が余儀なくされるなか、代わり映えのない日常に刺激を与えてくれたのは、娯楽といわれるアートや音楽、小説、映画のほか、3大欲求の食であったことは言うまでもない。そのなかでも、2020年特に多くの人々に影響を与えた表現者に捧げる、雑誌『Pen』主催のクリエイター・アワードの受賞者が発表となった。
今回選ばれたのは6人。講談師の神田伯山、アーティストの鴻池朋子、シェフの小林圭、建築家の田根剛、作家の遠野遥、そして本号の表紙を飾る音楽家の常田大希だ。
Pen(ペン)2020年12/15号[特集:今年最も輝いたのは誰だ? Penクリエイター・アワード2020]
フィガロの連載「虹の刻」にも作品を提供してくれた音楽家の常田大希は、本号にて全12ページにわたる特集が組まれている。
1月にKing Gnuからアルバム『CEREMONY』を発売後、millennium paradeとしてアニメシリーズ「攻殻機動隊SAC_2045」のオープニング曲「Fly with me」を発売、11月末にはKing Gnu初の日本武道館公演を終えた。いっぽう個人では、2月にブランド「N.ハリウッド」のニューヨークコレクションのショーサウンドを手がけるなど、バンドロックからクラシックまで、その振り幅を常田らしく表現におとし込み人々をあっと驚かせた。
そんな多方面にわたる活動の点と点を結ぶような企画が、10月21日より銀座ソニーパークで展示中の「#014ヌーミレパーク(仮)」と言えよう。クリエイティブチームPERIMETRONディレクションのもと、King Gnu×millennium paradeがコラボレーション。ミュージックビデオで使用した美術品やグッズのアーカイブ展示のほか、ミュージックビデオの世界に入り込んだようなインスタレーション、楽曲「Fly with me」のティザー映像で描かれた世界を再現したアーケードゲームなどが登場し、常田と彼を取り巻くクリエティブチームの頭の中を覗くような場となっている。
そんな常田の特集を筆頭に、ほか日本を代表する5人の活動についてフォーカスした本特集『CREATOR AWARDS 2020』。6人それぞれの思いやインスピレーションを受け取り、2020年の締めくくりとしたい。
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cover photo:TOMOYUKI KAWAKAMI, texte : REI SAKAI