脚のむくみと猛暑に、4つの対策。
暑い季節になると、多くの人が足のむくみやだるさに悩まされ、時には痛みさえ感じたりする。これに対処するにはどうしたらいいのだろう。

大騒ぎするほどの症状ではないけれど、なかなか良くならない。それがこの症状の特徴だ。ヒートドーム現象が起こるような酷暑の季節が到来すると、足のだるさに悩む人も増える。夕方になるとむくみがひどいと感じる人もいれば、朝からむくんでいる人もいる。単なる一時的な現象ならばいいのだが、静脈不全の初期症状であることが多い。これは血液循環障害の一種で女性に多くみられ、夏場に悪化しやすい、と説明してくれたのはフランスのヘルスソリューション企業のチュアンヌ・グループでメディカルディレクターを務める医師のオリヴュ・クリザンだ。その理由は、「暑さで静脈が拡張し、血液を心臓へ戻す静脈弁の働きが弱まるから」であり、「結果として血流が悪くなって下肢に血が滞ることになります」とのこと。幸い、対処法はいろいろある。短期的にも中期的にも。
1. 運動
まずはごく基本的なことから。こまめにできるだけ体を動かすこと。「定期的に運動することをまずはおすすめします。それによっていわゆる筋肉の静脈ポンプが活性化します。筋肉が収縮することで、血液を上へ押し上げる働きをするのです。体を動かさないとポンプは機能せず、血流は滞ってしまいます」と医師のオリヴュ・クリザンは言う。
具体的には、通勤時など日常生活の中でできるだけ歩き、エレベーターをなるべく使わない。職場では定期的に椅子から立ち上がる。そして自転車、水泳、ゴルフなどのなんらかの運動をすること。「ここに挙げたスポーツはいずれも関節に負担のかからない穏やかかなもので、血液循環を改善してくれます」と医師は言う。逆に長時間じっとしているような活動や非常に激しい運動、たとえばカヌーや座った姿勢での筋トレは避けた方がよい。「週に1回のランニングよりも、毎日30分のウォーキングをお勧めします。理想は中程度の強度の運動を週3回、45〜50分行うことです」
2. 着圧ソックス
2つ目の対策は、過小評価されがちな着圧ソックスである。その役割は、足を下から上へ段階的に圧迫することで血流を促進し、拡張した静脈を引き締めることにある。「圧迫によって静脈弁の働きが改善され、むくみやだるさも軽減します。仕組みは非常に単純です。体の働きを力学的に助けているのです」
効果的な使い方として、医師は起床後すぐに着用し、一日中履き続けることを勧めている。「これは“履く医薬品”なのです」と言う。また、蒸れるのではという心配もないそうだ。「履き心地が悪いという古臭いイメージは捨てましょう。現在では夏向きの薄手タイプ、リネンやコットンなど天然繊維タイプも存在します。これは医療機器なのです。ただの履きづらいタイツではありません」
3. 冷水
冷水も効果的だ。「血管収縮作用があり、静脈の拡張を抑えてくれます。効果は一時的ですが、即効性があります」と医師はその効用を語る。やり方としては、シャワーでもジェット水流でもいいが、足首から太ももへ向かって下から上へと当てていくこと。冷水の足浴も症状を和らげる効果がある。「冷水、定期的な運動、着圧ソックスを組み合わせることで、足のだるさを効果的に予防し、緩和できます」と医師は述べる。
4. 足を高くして寝る
一日中立ちっぱなし、あるいは長時間座りっぱなしだった日は、寝る時に足をクッションで高くしたり、ベッドの足元を少し高くすることを考えたい。下半身に溜まった血液の流れを良くするのに役立つとのことだ。
一見効果がありそうだが要注意なもの
すぐに飛びつかない方がいい対策もあると医師は言う。たとえばマッサージ。正しく行われれば一時的に楽になる。「検討すべき選択肢ですが、リンパドレナージュを専門とする理学療法士など、訓練を受けた専門家によって行われる場合に限ります。そうでなければ、かえって悪化する可能性があります」と医師は警告した。
リフレッシュ効果があるレッグクリームやジェル、“血行促進”をうたうハーブティーなどに頼り切るのも危険だ。効果があったと言う人もいるが、補助的な手段と考えておいたようがいい。食事についても注意が必要だ。赤い果実はフラボノイドを豊富に含み、効果があるとよく言われるが、科学的にはまだ証明されていない。「仮説はいくつか存在しますが、まだ決定的な研究成果は出ていません。着圧や運動と同列には扱えません」と医師の オリヴュ・クリザンは慎重な態度を崩さない。
特定の仕事環境は静脈トラブルを誘発しやすいことも覚えておこう。長時間立ち続ける仕事、あるいは逆に座り続ける仕事(たとえば看護師、美容師、教師など)は、リスクが高い。「あまり動かない、あるいは動いても不十分な仕事に従事している人は自ずとむくみやすくなります」と医師は指摘する。
医者に行くタイミングは?
どんな症状であれ、慢性的になったら要注意だ。足がだるい、ピリピリする、むくんでいるといった症状が続くなら、医師の診察を受けたほうがいいだろう。そして「ごくわずかでも、毛細血管拡張症(クモの巣状静脈瘤)が見えるなら、医者に行くことをお勧めします。それは静脈疾患が始まっているサインだからです」と医師の オリヴュ・クリザンは語った。
From madameFIGARO.fr
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
- text : Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr)